勾玉|日本史用語集
勾玉の概要
弥生・古墳時代に多く作られた装身具または祭祀用具である。湾曲した形をしているため曲玉とも記されていた。水晶・碧玉・瑪瑙(めのう)・翡翠など、半透明の美しい石を用いることが多い。
勾玉の解説
丸く湾曲した形に磨かれた石。古代の日本では装身具・祭祀用とされており、神社に祀られていたり、古墳から出土したりする。古墳・弥生時代の出土品に多く見られるが、縄文時代から作られていた。 Cの形をしており、丸みを帯びた頭部と尾のような形状の下部になっている。その形から、胎児の形説・動物の牙説・日と月を表す説などがあるが、詳細は解明されていない。頭部に穴をあけて紐を通し、首飾りなどの装身具とする。祭祀用としては、紐を通さずに単体で祀られることが多い。 材質は、縄文時代には動物の牙や骨で作られていた。古墳・弥生時代には材質や形状が洗練されていき、多くは緑色の碧玉や翡翠、赤や青色がある瑪瑙、ガラスなどの美しい石で作られている。他にも数は少ないが、土器や青銅で作られているものもある。 古墳から出土していることから、権力者の装飾品や祭祀に用いられていたとされている。皇位継承の象徴である三種の神器のうちの一つが、「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」と呼ばれている勾玉である。