【Eureka#10】人間が不老不死になれる?!○億年生きたクラゲ
Eurekaもついに10回目です!今週は生物の記事をみーたが書いていきます!
前回の記事:【Eureka#09】試験は6年前から始まっていた…
前回の生物の記事:【Eureka#06】三毛猫の話 ~猫で遺伝を科学する~
生物が死ぬということは当たり前のことだと思っていませんか?
実はつい20年ほど前に「不老不死の生物」が発見されました。
『ベニクラゲ』という生物です。
ベニクラゲという名前ですが、下の写真のように紅色ではなく半透明で、体長は1 cmにも満たない小さなクラゲなのですが、一説にはすでに5億年生きた個体もいると言われています。なぜここまで長生きができるのでしょうか。
出典: science-2ch.net
まずは「なぜ寿命があるのか」というのを簡単に説明します。
動物の体の細胞には分裂できる回数に制限があります。これは染色体の末端にあるテロメアという繰り返しの塩基配列が関係しています。人間ではTTAGGGという塩基配列が約1万塩基繰り返されています。細胞が分裂する際にこのテロメアが少しずつ減っていき、人間の場合には1万塩基あったものが5000塩基ほどに減ると、細胞が寿命に達して分裂を行わなくなります。このようにして細胞が分裂をやめると個体の老化が進んでいき最後には寿命を迎えるというわけです。
テロメアに関してはまだまだ話せることがあるので、詳しい話に関してはまたの機会にしようと思います。
話をベニクラゲに戻しましょう!
ベニクラゲの場合にもこの細胞分裂の寿命のカウントダウンは行われていくのですが、ベニクラゲの場合、寿命を迎えるとテロメラーゼという物質が分泌されます。このテロメラーゼが不老不死のカギとなります。テロメラーゼは減少したテロメアを元の長さまでリセットしてくれるのです!
寿命を迎えたベニクラゲは一度、ポリプというサナギのような状態になり、テロメラーゼによってテロメアが再生し、再び若い状態で復活するのです。もちろん、生きている間に生殖によって子孫を残していくこともできます。
人間でいうと、年をとり亡くなる間際の老人が赤ちゃんまで若返り、再び新たな人生を歩むということになります。
1 cmにも満たない大きさということで、捕食されやすいこと、海水の条件(汚れや水温など)によっては若返りをすることができない場合もあり、すべての個体が生き続けるということはないですが、クラゲとしては珍しく毒はもたずに、不老不死の能力で自然界を生き抜いてきました。
研究者はベニクラゲの遺伝子が不老不死の能力を持っているのならば人間の遺伝子でもテロメラーゼによる不老不死のサイクルを行うことができるかもしれないということで研究を行っています。
このメカニズムが解明されれば今までの老化という概念を覆すことができるとてつもない研究になります。
もしかすると、将来、人間が不老不死の能力を獲得するという日が来るかもしれませんね!!
*この記事はEureka特集の記事です*
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イクスタの創業者、土井による論理的・戦略的な受験計画と戦略の作成
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