【物理・電磁気編】公式一覧とその覚えるコツまで、これでアナタも電磁気マスター
Youflex株式会社でイクスタコーチ塾長の土井万智(どいまさと)が独学の大学受験生に向けてお送りいたします。
今回は力学に続き、電磁気学の公式一覧を作りました!
力学・原子バージョンはこちらからどうぞ。
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♢目次♢
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1.公式一覧
2.1電磁気学の勉強法
電磁気の公式一覧 | 電場の式 (E=k|Q|/r²) は基本的な電場の理解に重要 | 電位の式 (V=kQ/r) は電荷の位置エネルギーを示す | コンデンサーの容量 (C=ε₀S/d) は基本的な電気容量の計算に使用 | 抵抗率の公式 (R=ρL/S) は材料の電気抵抗を示す |
電磁気学の勉強法 | 目に見えない現象を無理に想像しないこと | 力学に似せて理解する方法が有効 | 単位を意識することで理解が深まる | 公式の意味を理解し、演習を通じて習得することが重要 |
おすすめの参考書 | 「物理のエッセンス」は基礎から応用まで幅広くカバー | 「やまぐち健一のわくわく物理探検隊NEO」は楽しく学べる | 「リードα」は中級者向けで、理解を深めるのに適している | 「良問の風」は良質な問題で実力を伸ばすのに最適 |
電磁気の公式一覧
静電気力
電場E
E=k|Q|/r2
クーロン力
F=k|Q||q|/r2
電位V
V=kQ/r
クーロン定数
k=1/(4πε0)
電場と電位
電場E 電荷q に働く力F
F=qE
電位差V
V=Ed
エネルギーU
U=qV
コンデンサー
電荷Qとコンデンサー容量Cの関係
Q=CV
コンデンサーの容量(真空の誘電率ε0)
C=(ε0S)/d
比誘電率εr(誘電率ε)
ε/ε0 = εr
コンデンサーの容量(極板間に誘電体)
C’=εS/d=(ε0εrS)/d=εrC
極板間の電場E
E=Q/(ε0S)
コンデンサーのエネルギー
U=1/2QV=1/2CV2=Q2/2C
電池のした仕事
W=QV
極板間の力
F=1/2QE=Q2/(2ε0S)
直流回路
オームの法則
V=IR
抵抗率ρ(長さL 断面積S)
R=ρL/S
電流Iの定義
I=∆Q/∆t
電子の速さv 数n 電荷e 断面積S
I=vSne
並列合成電気容量
C=C1+C2
直列合成電気容量
1/C=1/C1+1/C2
C=(C1C2)/(C1+C2)
直列抵抗
R=R1+R2
並列抵抗
1/R=1/R1+1/R2
R=(R1R2)/(R1+R2)
抵抗での消費電力
P=IV=I2R=V2/R
磁場
磁場Hと磁束密度B
B=μ0H
直線電流が作る磁場
H=I/2πr
円電流の作る磁場
H=I/2r
ソレノイドコイル(単位あたりn巻、長さL)
H=nI=NI/L
磁束ϕ
ϕ=BS
フレミング左手の法則
ローレンツ力
F=qvB=IBL
誘導起電力
磁場を横切る金属棒
V=vBL
磁場内で金属棒が円形に横切る時
V=1/2Br2ω
ファラデーの法則(N巻きコイル)
V =-N(∆Φ/∆t)
コイル
自己誘導 自己インダクタンスL
V=-L(∆I/∆t)
相互誘導 相互インダクタンスM
V=-M(∆I/∆t)
コイルのエネルギー
U=1/2LI2
交流回路
交流の実効値と最大値
V0=√2Ve
I0=√2Ie
リアクタンスXL
XL=ωL=2πfL
リアンクタンスXC
XC=1/ωC=1/2πfC
インピーダンスZ
Z=√(R2+(ωL-1/ωC)2)
直列共振、並列共振、電気振動
ω=1/√LC
T=2π√LC
f=1/(2π√LC)
電気振動でのエネルギー保存
(1Q2)/2C=1/2 LI2
電磁気学の勉強法
勉強法は力学とほぼ変わりません。ですが、力学に比べ電磁気は正直いって難しいです。そして、ここで物理を断念してしまう人が多い。苦手意識を招いてしまうものとして、以下の点が挙げられます。
①目に見えないから現象を理解しづらい。
②公式が似ていて複雑なものが多い。
電磁気は目ではっきり見える現象が少ないため、公式の意味の理解が非常に苦しいです。意味を理解できないと、公式をうまく使いこなせない。さらに、複雑で似たようなものが多い。よって、『最初の段階で苦手だ、難しい…』と感じ、なかなかやる気が起きない。結果、演習不足で点数が伸びない。と連鎖的に悪い方向に行ってしまいます。さぁ、この負の連鎖を断ち切って点数を伸ばしていきましょう。
現象が目に見えない
ふだん街中を歩いていて、「うわ電流ながれてる!「磁場めっちゃかかってるやん!」ってないですよね笑
力学の方が斜面を滑る物体や円運動、身近でかつ想像しやすですが電磁気はそうはいきません。なので電磁気は入門でのアプローチの仕方が力学と少し違います。そのアプローチさえ間違えなければ、あとは力学と同じ勉強法で進めていきましょう。
①電磁気の入門は無理に想像する必要はない!
想像する必要はないですが、何が起きているかは理解するように努めましょう。
例えば、電場の式!
「なんだか知らない電場が働いてそれは矢印で書いて、そこにすっごいちっちゃい電荷を持った粒子が…」こんなものは物理を始めたばかりの人には想像できません!しかし事実はしっかり理解しましょう。
「電場という空間がある。そこに電荷を持った粒子を置くとその粒子に力が働く。」
という事実。これぐらいシンプルに。これは、自分の目に見えなくても、地球が爆発しても、ずっと変わらない事実です。そこをちゃんと理解しましょう。
『でもやっぱり難しい…』という方は理解するのに2つの方法があります。
力学に似せる
ma=F覚えていますか?これは「質量を持った物体に加速度を加えると力が働く」という意味。この式は想像しやすく、かなり馴染み深いものですね。これを利用します。
qE=F。mをqと、aをEとしてみる。言葉に起こすと「電荷を持った物体に電場を加えると力が働く」かなりスッと事実が入ってきたのではないでしょうか。このように、電磁気は力学に似ている部分があります。身近な例に似せることで、事実を力学と同じパフォーマンスで理解できます。力学をしっかり学んでから電磁気をやれ!と言われるのはこのためです。またこの例は電場、電荷、電位差の関係を理解するためによく紹介されるものです。他のサイトや先生の話などから、学んでみましょう。
単位を意識する
もう1つ。単位を意識的に覚えるというのもあります。さっきの電場の例をそのまま使います。
E=[N/c]
もうそのまんまですね笑。電荷[c]があるところに力[N]が働く空間[N/c]
もう少しなるほど!と思う例を挙げます!
E[N/c]×d[m]=V[N・m/c]
F・d[N・m]は力学の分野より仕事、つまりW[J]に変換できる。
以上より、
Ed=V[J/c]
と理解できるはず。この電位差Vは力学の分野である「仕事」の電磁気バージョンのようですね。このように、単位の助けを借りて事実を理解するのもgoodです。
事実を理解しづらい公式も
力学でもありましたが電場も式E=k|Q|/r2のなどは意味があるというよりは、様々な実験数値や仮説から「こうすると力が表せるぞ!」と立てられた公式です。「なんでrの2乗で割るの?」「なんで電荷の積なの?」など考えても高校物理では答えは出ません。必ずそうなると決まったものなので、ここは割り切って覚えましょう。
ある程度進んだら…
ある程度、電磁気の理解が進むと目に見えないことが当たり前になっていきます。こうなるとあとは力学と同じ要領で進めていって大丈夫です。電磁気を始める最初だけ、気をつけてくださいね!
②公式が似たような、複雑なものが多い
始めたばかりの時期はF=k|Q||q|/r2=Eqの2つ、どっちを使うかすら難しいです。また進んでいくうちにローレンツ力F=IBLと誘導起電力V=vBLの使いわけに苦戦します。こうのような似た式、現象が多いことで公式を選ぶことが難しいのも電磁気の特徴です。こればっかりは公式の意味を理解し、演習を通して練習するしかないです。何回も間違えて、繰り返し復習をして、正しい公式を選ぶ練習をしましょう。
また、電磁気にはV=-L(∆I/∆t)のような微積分チックな複雑な公式も多いです。自分で理解しなければいけない独学では、非常に苦しい範囲です。そんな時は学校の先生やイクスタの無料質問などの助けを借りて理解できるように努めましょう。そして問題演習をたくさんして、数多くの問題に対応できるようにしてください。この公式の使い分け、複雑さを乗り越えるにはかなり時間がかかると思いますが、ここが物理の頑張りどころでもあります。難しいからといって逃げないで立ち向かいましょう。頑張った分だけちゃんと実力になります!
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最後に
電磁気はかなり重い分野です。しかし、しっかりやれば他の人と差がつき、武器になる分野でもあります。最初を間違わず、苦手意識がなければ誰でも得点が取れると思います。この記事を読んで少しでもその手助けになってくれたら幸いです。
力学に続き、
電磁気マスターを目指しましょう!
また物理の分野別公式一覧はこちらを参考にしてみてください!
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現在は横浜の事務所でWebサイトやYoutubeなどのメディア運営と、オンラインの面談で受験生の独学を支援。東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県など首都圏を中心に、愛知県や兵庫県など、北海道から沖縄まで全国の受験生がイクスタコーチで志望校に合格。MARCH受験者の90%以上がMARCHを確保。
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