【生物】1年で難関大に合格するレベル別参考書と勉強法とは?わかりやすく徹底解説!

マスターすれば安定して得点できる科目

生物は理科の中でもマスターすればかなり安定する科目だなんて言われていますが、なにをやればいいのか大枠が見えにくい教科ですよね。でも、生物はマスターすることができれば共通テストでも二次試験でも安定して得点できる科目です。

まず、「生物」の特徴とはどのようなものなのかを見ていきましょう。他の理系科目と比べてどう違うのでしょうか?

計算の多さで並べると、物理→化学→生物となり、生物は計算が少ない科目です。一方で他の理系科目と比べて異質なのは暗記量の多さです。計算は少なく暗記が多い科目と言えます。


化学でも無機・有機分野の暗記はそこそこ出てきますが、生物で覚えるべき量はその量の比ではないです。中盤までは暗記にとても多くの時間がかかってしまうのが特徴です。そして、その盤石な知識を超えた先に理系的な考え方が広がっていくわけです。

そんな生物という科目の特性から、国公立大学の二次試験の問題でも配点の大半が暗記していれば得点できるような問題の大学が多いです。

ただ、最難関である東京大学・京都大学などは、用語問題もありつつもその先の実験考察問題などの思考力を試す問題が多数出題されます。

大学受験生物を得意にするために必要な力

それでは、生物で共通テストや二次試験、私立大学での合格最低点を取るために必要な力というのは、どのような難しさがあるのでしょうか。生物の難しさは一つの生物の働きの仕組みが非常に深いことにあります。

例えば、生物の代謝分野の光合成の反応を例に挙げてみます。生物基礎から理系の生物になる時点で光合成に付随する知識が格段と増えます

生物基礎で学ぶのは葉緑体で起こる水と二酸化炭素からATPを作る反応程度の知識です。ところが、理系生物で扱う分野に入ると光合成にはカルビンベンソン回路・光化学系のような反応が起こっているという知識を扱います。

それらをしっかり知識として定着させてさらに知識を深めたり、働きについて用語を用いて説明したり、考えを派生させて他の働きに適応したりなど、段階的に深くなっていきます。

生物をゼロから学んで国公立二次試験で合格最低点を取るレベルまでには各分野でこのような順序で進めていきます。




初心者
(0〜3ヶ月)
中級者
(4〜7ヶ月)
上級者
(7ヶ月〜)
入試直前
共テレベル 〜40% 40〜70% 70%〜
課題 代表的な仕組みと反応を理解 分野ごとの仕組みと用語を覚える 典型的な反応と計算問題 初見の実験考察問題
克服のプロセス 主要な仕組みを理解して用語を覚える 図を活用して細かくインプット 仕組みと計算方法に慣れる 仕組みの本質的な理解
対策内容 講義系の参考書 資料集と問題集 文章題を解いて復習 難しい計算と記述練習
おすすめ参考書1 リードlightノート 大森徹の最強講義117講 セミナー等網羅系問題集 生物重要問題集
おすすめ参考書2 必修整理ノート 資料集・図録 基礎問題精講 大森徹の生物 実験・考察問題の解法


大学レベルごとに求められる力

用語を暗記する

説明・記述できるようにする

計算・実験問題が解ける


国公立大学の二次試験では、多くの大学で以下のような構成と配点で出題されます。

用語の知識を問う単語記述問題

40〜50%


用語は反応の理解を問う説明問題

30〜40%


実験をもとに結果を考察したり計算を求める問題

10〜20%


難関と言われる国公立大学では複雑な実験考察問題ばかりだとイメージされがちですが、意外と用語問題の配点が多いことが分かります。配点から見ても、用語からしっかりと土台を固めていくことが生物で安定して合格最低点を取るための近道です。

しかも、発展形式である説明・計算・実験考察問題は用語の定義が分かっていないとそもそも手も足も出ないはずです。そのため、先ほど話した順序を意識して学習を進めていく必要があります。

では、それぞれの段階でどのような勉強が最適なのかを詳しくお伝えしていきます。



難易度・レベル 大学例 用語 説明・記述 計算問題 実験考察
国公立 最難関 東大・京大・東工大
一橋・国公立医学部
非常に細かい用語 ほぼ全ての用語を記述できる 難しい計算と早い計算スピード 重要な問題として出題される
国公立 難関 旧帝大
筑波や横国など
非常に細かい用語 ほぼ全ての用語を記述できる 計算問題の頻度が高い 一部出題される
国公立 地方一般 地方国公立上位 代表的な用語 代表的な用語を記述できる 代表的な計算問題 あまり出題されない
私立 最難関 早稲田・上智 非常に細かい用語 ほぼ全ての用語を記述できる 難しい計算と早い計算スピード 頻繁に出題される
私立 難関 MARCH
関関同立など
非常に細かい用語 ほぼ全ての用語を記述できる 計算問題の頻度が高い 一部出題される
私立 有名 その他の有名私立 代表的な用語 代表的な用語を記述できる 代表的な計算問題 あまり出題されない



難易度
レベル
大学例 1月 4月 8月 12月
国公立 最難関 東大・京大・東工大
一橋・国公立医学部
65% 75% 80% 85%
国公立 難関 旧帝大
筑波や横国など
65% 70% 75% 80%
国公立 地方一般 地方国公立上位 60% 65% 70% 75%
私立 最難関 早稲田・慶應 70% 75% 80% 85%
私立 難関 MARCH
関関同立など
60% 65% 70% 80%
私立 有名 その他の有名私立 50% 55% 65% 75%

生物の流れを掴もう!生物における流れとは?

まず、ファーストステップ、生物の流れを掴む部分の進め方から整理していきましょう。学校の授業の記憶があればこの流れを掴む部分はカバーできているかもしれませんが、受験勉強を始めた段階の多くの受験生が抜け落ちている部分でもあるし、以降のステップに繋がるとても重要な段階です。このステップで大切なのは、一連の仕組みをざっと理解するということです。

例えば「呼吸」は生物にとって必要不可欠な働きです。

最初の仕組みをざっと理解する段階では、光合成は酸素を取り込んでATPを作り二酸化炭素を発生させる反応で、その過程で変換させる系が3つあることを掴むといったイメージです。

理系の生物よりも、実は生物基礎で重点的にこのような仕組みやイメージを学びます。理系の生物よりも生物基礎の教材の方がかえって説明が丁寧なので、それぞれの仕組みが分かりやすい場合が多いです。

生物基礎はイメージや仕組みが中心で、理系の生物は生物基礎に細かい知識や計算が乗ってさらに具体的に深掘りするような感覚です。生物を全くはじめから勉強し始める場合には、まず生物基礎の教材でイメージを掴んでから進めるのもよいかもしれません。初めの段階でイメージ流れを掴むことで後々の細かい知識を定着させやすくなります。

このステップでおすすめの教材は、ズバリ「教科書」です。

教科書は流れを掴むステージにはもってこいなのです。教科書は図やグラフがまとまっていて分かりやすいです。他に教科書と同じ立ち位置を担う参考書として、「生物合格77講(東進ブックス/ナガセ)」「生物 知識の焦点(Z会)」などがあります。

教科書だけではうまく概念が掴みづらかったり、ちょっと難しいと感じてしまう場合もあるかもしれません。そんな場合には穴を埋めながら定着させることができる必修整理ノート(文英堂)などのドリル形式の問題集もおすすめです。

実際に書きながら確認することができるので手軽に定着を確認することができます。

イメージに知識の枝葉をつけていく用語の暗記・定着

先ほどの例で、呼吸の二酸化炭素を発生させる反応では変換させる系が3つあることをご紹介しました。この3つとは解糖系、クエン酸回路、電子伝達系のことで、さらにそれぞれの系の中でどのようなことが起こっているのかということについても詳しく知る必要があります。ここから、やはり細かい知識の定着が求められます。

細かい知識を頭に定着させることが必要になってくるので、本格的に暗記を目的とした段階に入ります。

全体の流れを把握する

大学受験の生物で安定して合格最低点を取るためには、用語の暗記と定着は一番重要でかつ時間がかかるステップです。

生物の勉強時間の大部分は知識を着実に覚えていくことです。国公立であっても私立であっても共通テストであっても、この段階をどこまで深められるかが生物の合格最低点を取るために近づいていくための鍵となります。

生物で求められる知識量は日本史や世界史と並んでも遜色ないほど多いので、何周も繰り返してやっと6割、7割定着できるようになるものだと覚悟して勉強計画を立てましょう。

資料集に載っている図を使ってイメージをビジュアルで定着させる

生物の資料集・図録もぜひ手に入れてほしい教材です。他の理系科目と違って、生物は資料集が大きな力を持っています。生物は各分野の仕組みや反応に「流れ」があります。例えば、最も代表的な例として発生の流れなどが挙げられます。

発生は受験生の多くが苦手と感じる分野ですが、こうした複雑な仕組みや反応を覚えるためには知識を載せる土台としてビジュアルのイメージを持てているかがとても重要です。

生物では、資料集を使って図をもとにイメージできるかどうかで結果的に暗記の効率が大きく変わります。暗記の段階では教科書やドリルを使っていくのと並行して資料集で各分野の全体像を理解しながら進めていくのがおすすめです。

難関国公立大学以上を目指す場合には夏休み終わりには全範囲を終えておきたいところです。夏休み終盤で終わっていなければかなり焦る必要があります。

生物の受験勉強の中心、網羅系問題集の立ち位置とは?

セミナー、ニューグローバル、エクセル、リードアルファ、アクセスシリーズなどの幅広い範囲をカバーした問題集を網羅系問題集と呼びます。網羅系問題集は単語の暗記から始まり国公立大学二次試験標準レベルの問題までカバーしている教材です。

大学受験の中盤以降は網羅系問題集が生物の勉強における中心となります。数学で例えれば、青チャートと似たような立ち位置です。化学や物理でも同様の網羅系問題集を重点的に使っていくことになります。

生物の網羅系問題集は主に3つのレベルの問題で構成されています。

1つ目は用語問題です。用語問題では一問一答のような形式で与えられた説明から正解となる用語を答えられるようにします。

2つ目は基本問題と呼ばれる問題です。長い文章や図を使った大問形式の問題をもとに、用語を回答したり簡単な計算問題を解いたりします。有名な国公立大学や私立大学の問題も扱われます。

3つ目は発展・応用問題と呼ばれるパートの問題です。問題集によって発展問題や応用問題など呼び方が変わります。長い文章や図を使った大問形式をもとに、基本問題よりも難しい問題を解きます。旧帝大など難関国公立大学の出題が元になっているものもあります。

用語問題と基本問題のパートは、ほぼ全ての受験生にとって必須の問題です。用語問題から始まり基本問題までをいかに早い段階でスムーズに正確に解けるかどうかが生物の成功を決めると言っても過言ではないほど、入試での得点力と直結しています。

網羅系問題集の基本問題までのうち6〜7割の問題を自力で解けるようになっていればMARCHレベルの生物でも合格最低点前後を得点できるようになっているでしょう。


基本問題をほぼ完璧に解けるようになっていれば、旧帝大よりも簡単な一般レベルの国公立大学でも合格最低点程度を得点できるようになっているでしょう。また共通テストでも70〜75%程度の得点を目指すことができます。


発展・応用問題まで全て完璧に仕上げることができれば、東大京大を除くほぼ全ての大学で合格最低点を取ることができます。東大と京大は難問の考察問題や記述問題が多数出題されるため、さらに別の対策が必要になります。

網羅系問題集は、基礎レベルの用語の抜け漏れがあるかどうかを確認するところから入試レベルの問題まで幅広く掲載されている問題集なので、1冊を完成させることができれば大学受験でも十分に戦える状態まで仕上げることができます。

網羅系問題集は、用語問題、説明問題、計算問題、実験考察問題など入試で出題される問題形式とレベルに対応しており、この1冊の完成度を確かめることで自分が入試レベルでどの程度得点できることになるのかを判断することができます。

ただ、分量は多く、完成させるまでに長い時間がかかる科目なので、網羅系問題集を使って受験勉強を進める場合には入試本番までの残り時間などを考えて毎月の計画を立てながら進めていくことをオススメします。

繰り返しになりますが、網羅系問題集を始める前には必ず教科書や参考書などで生物の流れを捉えておくことは必須のステップです。生物の流れがベースであることは忘れないようにしましょう。

生物の細部をどのように覚えればいい?絵を描く勉強法

ここまで生物において暗記の重要性を伝えてきました。しかし、生物を勉強し始めると「全く身につかない!」「どうやったら覚えられるの?」と感じるかもしれません。ここでご紹介するのが、絵に描いて勉強する方法です。

生物は流れを掴み、そこに知識を載せていくことが大切ということをここまで繰り返しお伝えしてきました。生物のそれぞれの分野の特性を掴んで覚えていくには、絵に描いていくことがとてもおすすめの方法です。自分でゼロから再現できるように絵を描くことで、眺めているのよりもさらに理解が深まります。

例えば、カエルの発生であれば、受精卵から、卵割を起こして、桑実胚になり、原腸胚期・神経胚期を経て、オタマジャクシになっていく図を順番に書いていくようなイメージです。

「自分は絵が下手だから書くのが億劫だ」と感じる人もいるかもしれません。でも、自分なりにでも書いてみて一からイメージする機会を作ることが大事なので、とにもかくにも絵を描いてみることを意識してください。

生物での絵の書き方

絵を描くときは資料集や教科書のマネをします。図や絵をそのままマネして描きつつ、図や絵のそれぞれの部分に周辺知識のメモを書き込むことで同時に知識の定着も狙います。

図や絵を書いてビジュアルのイメージを膨らませると同時に、詳細部分の知識もインプットできる良い機会です。覚えるために作った語呂合わせとかも合わせて書いてみるのもいいかもしれませんね。

抜け漏れチェックのために絵を書く

ここまで、絵を描きながら覚えることをおすすめしてきましたが、さらに他の役割もあります。

絵に描くことによって流れを把握しやすくなり覚えやすくなる、つまり最初のインプットに役に立つという面からご紹介してきましたが、他にも大きな効果があります。受験直前期に今まで覚えてきたものを総点検する機会にできるということです。

生物のそれぞれの分野の絵を書くことで、受験終盤に盲点になっている知識があるかどうかを確認することができます。

見て忘れているところをチェックするのでもいいし、あらかじめ苦手なところがわかっているのであればその部分だけもう一度、以前描いたものを描き直す勉強をしてもいいかもしれません。

生物を勉強し始めた時から絵を描く方法を続けていけば、使ったノートのページも溜まっていき、これだけ覚えてきたんだという自信にも繋がっていきます。その自信と確固たる生物の知識を持って受験に臨むことができるでしょう。

本格的に絵を描く勉強法を始めると、参考書を読み込む勉強法などと比べて、慣れるまでにどうしても時間や労力のコストがかかるものだと覚悟しておきましょう。この勉強法を始めたものの挫折を経験する人も多いです。正直なところ途中で辞めてしまう人も多い勉強法です。

生物の全ての分野を絵で描かなければいけないという制約を作ってしまうとハードルや負担が大きくなってしまうので、負担が多いようであれば絵で書きやすい発生や光合成・呼吸の分野のみ絵で描いて覚えると決めてしまうのもいいかもしれません。代謝や遺伝、環境応答など分野によって合う勉強法を柔軟に変えていきましょう。

国公立二次の得点源、記述の力をつける方法

ここまで着実に進めることができていれば、次は記述の対策に入っていきます。難関国公立大学では長文の記述問題で差がつくところになります。

記述対策を何も対策していない状況では、単語を記述する用語問題や説明を選択肢の中から選ぶ問題は正解できるものの、50文字以下で説明せよ、などの記述問題に面食らってしまう人がほとんどのはずです。そのため、記述問題で得点する力は知識をつける勉強とは違うステップとして時間を確保します。

入試で出題される記述問題は長いため、初めて記述問題に挑戦する時は、「こんなの解けるようになるの?」と不安になってしまうかもしれませんが、この類の問題の対策は実はそれほど多くの時間を要しません。なぜならば、ここまでのステップをしっかり進めることができていれば知識が定着しているからです。

記述問題には採点のポイントがあり、答案にそのポイントが含まれているかどうかで採点されます。そのため、問題文で何を聞かれているのかということを読み取る必要があります。問題文で何を問われているかさえ理解することができれば、多くの記述問題で着実に得点することができるようになります。

記述問題の対策にかける期間は1〜2ヶ月です。知識を詰め終わった後の9月〜10月に取り組むことを目指しましょう。記述問題の勉強法はシンプルで、問題集で多くの記述問題に触れることです。

記述問題ではまず自分で回答を作り、それを正答例と比較することで自分が記述できなかったポイントを把握します。問題文と正答を比べながら問題文の趣旨を把握する力をつけていくことが一番の近道です。まず自分なりにこれまでの知識を動員して記述問題を解いてみることが大切です。

記述問題に特化した参考書もあるので、二次試験で記述問題が多く出題される場合にはこれらの参考書で一気に対策するのもおすすめです。東大や京大など難しい実験考察問題が出題される場合には専用の参考書を準備するのをおすすめします。

記述に特化していなくても、網羅系問題集では典型的な記述問題が掲載されているので、一通りこなすことでも一般的な大学の合格最低点を取るために必要な記述問題の力はつきます。めげずに頑張りましょう!

過去問の対策時期と方法

流れを掴むところから網羅系問題集、記述対策まで進んできていたら生物の土台はかなり固まってきている状態と言っていいです。あとはしっかりとアウトプットできるかどうかです。つまり、志望校の過去問演習を始めます。

過去問は10月から、遅くとも11月くらいに始めることになります。受験まであと数ヶ月と時間が迫る中、生物の過去問演習はどういったことをするべきなのでしょうか?

学部によって頻出分野が異なる

生物では大学によって出題傾向が大きく異なります。例えば医療系の大学では動物生体の分野が必ずと言っていいほど出題され、一方農学部系であれば植物や生態系などの分野が出題頻度が高かったりと、大学によって出題される分野や問題形式に特色があります。

過去問演習を行うことで自分の志望校で出題される分野や形式、難易度をなるべく早く把握してその形式に合わせたアウトプットができるようにしていくのです。選択問題が多いのか、計算問題が多いのか、記述問題が多いのかによってかけるべき時間は変わってきますね。頻出の分野があればこれまでの教材を使って重点的に復習します。

大学レベルごとの入試問題の出題傾向

国公立大学の二次試験の生物では記述問題が多く出題されます。全配点のうち50%から60%程度が記述問題として出題される大学もあるため、記述問題の対策は生物の大学受験対策においては最も重要な部分と言えるでしょう。

東京大学や京都大学など最難関大学と呼ばれる大学を除いた国公立大学では、ほとんどが用語問題と記述問題の対策で合格最低点を取ることができます。そのため、生物では得点すべき問題と得点できなくても差がつかない問題がはっきりと分かれます。

最低でも3年分は過去問を研究することで、自分の志望校はどのような形式の問題の配点がどの程度の割合を占めるのかを丁寧に分析して把握しておきましょう!

私立大学の生物ではその傾向はガラッと変わります。

MARCHの入試問題で出題される生物では配点のほとんどが用語問題です。私立大学の入試問題は選択式の問題が多く、選択式の問題では知っておかなければならない知識がより深くなります。そのため、MARCHレベルの対策には用語問題の対策に時間を多くかけます。

MARCHレベルでは教科書の太字で書いてある用語を中心に覚えていけば大丈夫なのですが、大学によっては周辺の細かい知識も必要になる場合があるので、過去問を研究してどの教材のどのレベルの細かさが求められるのかを事前に確認しておいてくださいね。

大学や学部によって出題分野や問題形式の傾向が大きいのも生物の特徴です。受験予定の大学の過去問はきっちり確認しておいてください!出題分野を掴むために過去問は6年分ほど分析することをおすすめします。

共通テスト生物は読解力で差が出る

ここまで生物の国公立の二次試験や私立の個別試験の対策方法をお伝えしてきました。一方で、国公立大学志望の受験生は同時に共通テストでも高得点が求められます。

共通テストは以前までのセンター試験と打って変わって、各科目の対策方法がより抽象的で複雑になっています。その中でも生物は特に共通テストで得点を取るための対策が立てづらくなった科目でもあります。実際に他の理科科目よりも平均点が大きく下がった年がありました。

そんな共通テストで80点以上の高得点を安定させるためには、どのように対策をすれば良いのでしょうか。

まず共通テスト生物の配点から確認していきます。

生物の共通テストの出題形式の割合は、用語問題2〜3割、残り7〜8割は実験考察問題をベースとした出題です。

用語問題は比較的正解しやすい問題なので、ここまでお伝えしてきた王道の勉強法で十分にカバーできるレベルです。一方で、残りの実験考察問題はかなりの読解力を必要とする問題です。

国語の文章を読解するかのような力が求められるため、この独特の形式に対して慣れが必要な試験です。過去問だけでなく市販の共通テスト実戦対策問題集を何度も繰り返していく必要があります。

共通テストの実験考察問題は文章量が多く、本文を読み進めていくうちに「あれ、冒頭で何が書いてあったっけ?」と趣旨が分からなくなってしまうことがあります。現代文と同じように、生物も問題文を読み進めるのと同時に重要な箇所にメモを取りましょう。

実験考察問題で頻出な問題は、前提となる実験を行った上で、問いで与えられた条件ではどうなるかの結果を選ぶ問題です。こうした形式では長い説明文に惑わされてしまうこともありますが、正答を導く上で必要になるのは前提と結果のみです。長い問題文の中から回答に必要になる情報を見極めてその部分のみメモをとりましょう。こうした工夫をすることで何を問われているのかを整理した状態で問題を解くことができます。

共通テストの生物では長い問題文から重要なポイントだけをピックアップする工夫が必要なのですが、こうした工夫の必要性に気付かないまま共通テストの長い文章形式に悩んでいる受験生もいるようです。共通テストの形式の問題を繰り返し解いていくことで高得点を取るための問題の解き方に慣れていきましょう。



ここまで、生物をゼロから勉強する際に気をつける順番についてお伝えしてきました。

まずは流れをイメージして、ビジュアルと共に用語を覚えることで盤石な知識を獲得します。難関国公立を目指す場合にはその盤石な知識をもとに説明問題や実験考察問題で正答できる力を養います。


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土井万智

土井万智

土井万智(どいまさと)イクスタコーチ 逆転合格したい受験生専用のサポーター

Youflex株式会社代表取締役。早稲田大学教育学部出身。2014年早稲田大学教育学部社会学科在学中に「大学受験業界の情報格差」を解決するためのサイト、イクスタを創業。累計2000万アクセス。
IT系スタートアップ企業で法人営業、Webエンジニアなどを務めたのち、2018年からイクスタに復帰。
現在はWebサイトやYoutubeなどのメディア運営と、オンラインの面談で受験生の独学を支援。東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県など首都圏を中心に、愛知県や兵庫県など、北海道から沖縄まで全国の受験生をオンラインの面談で志望校合格へ送り出している。
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イクスタとはYouflex株式会社の土井万智(どいまさと)が運営する、はじめての大学受験を成功させるためのプラットフォームです。普通に予備校にいって普通に勉強するだけでは難関大学に合格できないという現実を、どう打破するか。第一志望に合格する15%に入るためには、どう違いを作るか。毎年、1年間一人一人の受験生に毎週の面談で密着すると、実際の事実と世間で理解されている情報の乖離がある。このビジョンをもとに、Webの記事、Youtube動画、書籍、オンラインコーチングという4つの柱で独学の受験生を支援します。

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