【日本史】MARCH・関関同立を確保して、旧帝大と早慶にチャレンジする参考書とスケジュールは?
日本史選択の受験生が、MARCHや関関同立レベルを確保しつつ旧帝大や早慶の合格を目指す場合には、
どの参考書をいつ、どのような考えで、どのような役割を持たせながら使えばいいのでしょうか。
◯ どれをいつ使えばいいのか、判断できる。
◯ 独学で無駄なく最短で効果を出せる。
今回はこんなテーマを目標にお伝えします。
日本史の勉強法は色々な派閥があって、どれも正解だと思いますが、
今回は、私のイクスタコーチの生徒さんに直接伝える、私が最も成果が出やすいと考えている方法を整理しました。
これまで偏差値60〜65程度の進学校を卒業し、大手予備校でも働いていた経験から、大学受験生の85%は予備校に通っても、有名参考書を使っても第一志望に合格できない現実を目の当たりにしてきました。
年間150万円かけても、年間100冊買っても、合格できない人はできないんです。一方で20冊で偏差値15伸ばす人もいます。
これまでの経験から、普通のことを普通に勉強しているだけでは人並み程度にしか成績は伸びず、偏差値5〜10以上伸ばして難関国公立や早慶などの難関大学に合格することは難しいと考えています。
では、どうしたらいいのか。そんなテーマで大学受験を研究してきました。
参考書を開く前に、いつまでに、どんな状態に成長する必要があるのかに納得できること、これが鍵です。
参考書などの教材から目標設定の方法、成功する受験生のあたりまえ&常識を発信しています。
このサイトに加えて、書籍も出版しています。
また、情報だけでは足りずその人自身の知識や考え方をガラッと変えて一流の水準で戦える受験生になるための個人サポート、イクスタコーチというオンライン予備校も開講しています。
今回の記事もイクスタコーチの受講生向けの内容をアレンジしたものです。
ご興味あれば、ぜひこちらもご覧になってください。
MARCH・関関同立を確保して、旧帝大と早慶にチャレンジするための具体的な目標
「MARCH・関関同立を確保して、旧帝大と早慶にチャレンジする」ためには最終的に日本史をどれくらいのレベルまで仕上げればいいのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
共テの獲得点数を元に、MARCH・関関同立、偏差値55〜63程度の有名国公立大学、早慶、偏差値63以上の難関国公立大学の難易度の関係です。
共テと私立と国公立では出題形式が異なるため、厳密には同じ軸だけで比べられるものではないのですが、毎年の受験生の過去問演習の結果を見る限り、このような関係が成り立ちます。
MARCH・関関同立で合格最低点を取るためには共テは最低でも72%程度の得点が目安です。MARCHの上位学部であれば85〜87%が必要なレベルです。
偏差値55〜63程度の有名国公立大学では共テでは最低でも70%得点できる力を持っていることが目安となります。
早慶では最低でも85%、旧帝大やそれに準じるレベルの難関国公立大学では最低でも80%程度の得点が必要です。
最終的な目標点を把握した上で、次に日本史をいち早くマスターするために、日本史という科目の構造を解体してみましょう。
日本史を効率よく伸ばすために構造を知る
日本史を始めとした歴史科目は、「とにかく覚える」というイメージが先行しがちですが実際にそうなのでしょうか。
日本史をいち早くマスターするために、順番に進んでほしい2つのステップがあります。
ひとつめは「流れの理解」、ふたつめは「知識と文章」です。
「流れの理解」を固めてから「知識と文章」に進みます。
木に例えるとしっかりとした幹を生やすのが「流れの理解」、枝葉を伸ばして全体を広げていくのが「知識と文章」です。
最終的には大量の知識と理解が必要になりますが、まずしっかりとした幹を生やすことでモノゴト同士を関連させて覚えることができるようになり長期記憶に繋がります。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
「流れの理解」とは?
大学受験日本史の知識は膨大ですが、そこにも主要な出来事があります。
特に「その時にもっとも偉い人」である政治権力が移り変わっていくことこそが政治史の中心になるので、日本史の中心は政治史となります。
そして、人々は時として、その世界で最も偉くなることを目指して戦います。
それが「〜〜の乱」や「〜〜の変」、「〜〜の戦い」「〜〜戦争」という形で事件になります。
最も富と権力を持つ、最高権力者の座をめぐる争いこそが政治史の中心となり、覚えるべき知識もこの付近に集中します。
「承久の乱」、「応仁の乱」、「西南戦争」、第一次、第二次世界大戦これらは全て、その時代と地域における最高権力を取り合う戦いなのです。
まずは主要な出来事を原始時代から現代史まで順番に把握します。
何が主要な出来事なのかは、山川の教科書を基準にするのが最も無難な方法です。
主要な出来事の抜け漏れをなくすという意味では山川の教科書はおすすめですが、他の科目と同様、教科書は必要最小限のことが通史に渡ってコンパクトにまとまっているため、独学でゼロから読んでも無味乾燥で定着しづらい人が多いです。学校が面白い場合には山川の教科書と並行して進めるのが良いでしょう。
教科書では勉強しづらい場合には市販の参考書を活用します。
流れを理解するという目的でおすすめなのは、「金谷のなぜと流れがわかる」シリーズです。
3冊に渡って最重要なテーマに絞って、その出来事の原因は背景も比較的詳しく掲載されているのでゼロから勉強する際にはおすすめです。
他には実況中継シリーズもおすすめです。実況中継シリーズは、流れを理解するだけではなく詳細な知識も掲載されているのでこのシリーズだけで旧帝大や早慶などどの大学にも対応できます。
非常に分量が多いので扱いには要注意ですが、最初から早慶や旧帝大を目指すのであれば序盤から実況中継を導入するのがいいでしょう。
これらの教材を章ごとに2〜3周して内容の70〜80%程度が定着することを目標にこのステップを進めましょう。
知識と文章
前のステップで主要な出来事とその背景関係を把握したところで、このステップではいよいよ細かい知識をインプットします。日本史では、事件の名前やその関係者、仕組みや制度の名前や内容、文化史など覚えるべき事項はたくさんあります。
前のステップで使用した教材を中心に、問題集や用語集などを使用してさらに細かい知識をインプットします。
日本史では単語が出題されるのはもちろんのこと、「文章」で出題されます。教科書や用語集に掲載されている文章がそのまま出題されるか、一部の単語が変えた状態で出題されます。
早慶や旧帝大を目指す受験生ほど過去問演習の際に「文章ごと」覚えているかどうかが点数に直結しているかが問われます。
日本史を効率的にマスターするための順番があることが分かった上で、共テ・私立・国公立ではどのような形式で出題されるかを見ていきましょう。高得点を取るために必要な力が全く異なるので要注意です。
共テ・私立・国公立の問題形式
国公立受験者は共通テスト本番でも高得点が求められます。
共テ、私立大学、国公立大学それぞれで本番で出題される問題は大きく異なるので受験勉強を始める段階から自分の受験予定校に合わせた勉強方法と教材を選びます。
それぞれでどのような問題が出題されるのか、見てみましょう。
共通テストの出題形式
共通テストの日本史の特徴は、
・全ての問題が選択式
・単純な知識だけを選ぶ問題は少ない
・問題文本文からの読み取り問題が出題される
この3点が大きな特徴で、「とにかく一問一答で知識を覚えまくる」という勉強法では得点を高得点を取りにくいので要注意です。
私立大学の出題形式
私立大学の日本史の特徴は、
・人物や出来事などを選択する選択問題が中心
・一文の内容が正しいかを判断する選択問題が出題される
・一部の大学では単語の記述問題が出題される
これらが特徴です。
「流れの理解」を固めつつ、細かい知識やその背景理解をインプットしていることが重要です。
早慶など難易度の高い大学ほど、教科書や参考書、用語集の重要度の低い箇所からも出題されます。
国公立大学の出題内容
国公立大学の日本史の特徴は
・国公立大学では様々な形式の問題がバランスよく出題される
・単語や文章を選択する問題、単語を記述する問題、30〜60文字で概要を説明する記述問題、100文字以上で出来事の原因や結果などを記述する長文記述問題など、様々な形式で出題される
100文字以上の長文記述問題は旧帝大レベルの一部の大学でしか出題されなかったりと特徴があるので、ぜひ志望校の過去問をご確認ください。
ここまで、日本史という科目の構造を理解し、共テ、私立、国公立それぞれでの出題形式を見てきました。実際にどのような教材を使うのがおすすめなのでしょうか。
MARCHや関関同立レベルを確保しつつ、旧帝大や早慶の合格を目指す参考書とスケジュール
志望校によって対策すべき問題形式が異なるところが分かったところで、使うべき参考書とスケジュールを見てみましょう。
日本史は、まず「流れの理解」を固めてから「知識と文章」に進みます。
その後、入試問題形式で問題を解いてその解説で知識を補強する「問題集」のステップと、最後に志望校のレベルに合わせた「過去問演習」のステップが待っています。
それぞれ、いつやるべきなのか、どれくらい時間がかかるのでしょうか。
12月から本格的に受験勉強を始めるとした場合の1年間のスケジュール例です。
「流れの理解」のおすすめ参考書とスケジュール
受験勉強を始めたらまずは「流れの理解」から始めます。
これらの教材を2〜3周して、ざっくり内容の60%程度は定着させるように目指します。
少なくとも50〜100時間を見積もっておきましょう。
12月に受験勉強を始めたら4月までには終わらせたいです。
おすすめの参考書は山川の教科書、「金谷のなぜと流れがわかる本」「実況中継」「日本史研究」です。
山川の教科書…国公立を中心に全員におすすめ
「金谷のなぜと流れがわかる本」…独学でゼロから始める全員におすすめ
「流れと枠組みを整理して理解する」…最も重要な事項を深く理解するのにおすすめ
「実況中継」…MARCHを確保して早慶・旧帝大を目指す受験生におすすめ
日本史研究…一橋大学や筑波大学など120文字以上の記述問題が出題される大学志望者におすすめ
単語と文章の参考書とスケジュール
「流れの理解」が終わったら、より細かく単語や背景知識をインプットします。
単語の抜け漏れを埋めていくことはもちろんのこと、文章ごと覚えることで因果関係や時間の経過を定着させることができます。3〜5月から始めて、7〜9月には一通りのインプットを終わらせることが目安となります。
少なくとも100時間は見積もっておきます。
おすすめの参考書は、前のステップで使ったものをそのまま使い、さらに詳細の単語を覚えます。
他には山川の用語集や一問一答、「時代と流れで覚える」がおすすめです。
特に、山川の用語集はMARCHを確保して早慶・旧帝大を目指す受験生に必携と言えるほどおすすめです。
問題集
知識をインプットしたら、問題集を通してアウトプットします。
文章題形式の問題を解くことで知識や理解がどの程度定着しているのかを入試本番レベルで確認しつつ、解説を読むことでさらに違う角度から知識や理解を深めます。
MARCHを確保して早慶・旧帝大を目指す受験生は必ず経てほしい重要なステップです。
100〜200時間程度かかります。
おすすめの参考書は以下の通りです。
Z会日本史100題(Z会)、HISTORIA(学研)、日本史問題集完全版(東進)
それぞれ難易度や掲載内容は似ているところがあるので、実際に書店で見てみて選ぶのがおすすめです。
Z会日本史100題、HISTORIA(学研)は解説が詳しくおすすめです。
共通テスト実戦問題集でも共テ対策をしつつ幅広い分野を復習することができます。
過去問サイクル
9月以降の直前期で過去問演習を始めます。
志望校の過去問を解いて採点することで自分の実力が合格に届いているのか、届いていないのであればどのような知識や理解が抜けているのか、どのような教材を使って埋めていけばいいのかを整理します。
過去問を解く→採点する→解説を読む→これまでの教材を使って弱点を復習する
過去問を解いて復習するのに1学部分で1〜2時間かかるとして、30学部分解くとすると30〜60時間を想定します。
また、これまでの教材を使って復習するのにさらに2〜3倍の時間がかかるでしょう。
どの入試問題で日本史を使うかで、教材も時間も全然違う!
今回のテーマは「MARCHや関関同立レベルを確保しつつ、旧帝大や早慶の合格を目指す」です。
この目標を達成するためには、いつ、どのような教材・参考書を使えばいいのでしょうか。
◯ MARCH・関関同立を確保して、早慶を目指す
◯ MARCH・関関同立を確保して、国公立を目指す
ぞれぞれ見ていきましょう。
まず両方に共通するのは「MARCH・関関同立を確保」することですね。
MARCH・関関同立など私立大学の出題形式は、
・人物や出来事などを選択する選択問題が中心
・一文の内容が正しいかを判断する選択問題が出題される
・一部の大学では単語の記述問題が出題される
このような問題でした。
そこから早慶を目指す場合には、同じような内容でより細かいレベルを詰めていきます。
国公立を目指す場合には共通テストと国公立大学の二次試験で含まれるので、
共通テストの出題形式である、
・全ての問題が選択式
・単純な知識だけを選ぶ問題は少ない
・問題文本文からの読み取り問題が出題される
国公立大学の出題形式である、
・国公立大学では様々な形式の問題がバランスよく出題される
・単語や文章を選択する問題、単語を記述する問題、30〜60文字で概要を説明する記述問題、100文字以上で出来事の原因や結果などを記述する長文記述問題など、様々な形式で出題される
これらを目的として勉強内容を踏まえて計画を立てる必要があります。
まとめ
MARCH・関関同立を確保して難関国公立・早慶の合格を目指すための参考書とスケジュールをご紹介してきました。
まずは流れと理解から始めて、共テでもMARCH・関関同立でも十分に合格点が取れるようなGeneralな日本史の力をつけて、そこから早慶・難関国公立など自分の志望校に合わせて参考書や勉強法を調整します。
今回はイクスタコーチの受講生にお伝えする内容をベースにアレンジしました。
受験勉強を始める段階で今回の記事のような成功する受験生のあたりまえ&常識を理解しておくことで失敗を防ぐことができます。
偏差値70以上の高校であっても、学年全体で早稲田大学に合格できるのは10%程度。それほど難しい大学受験です。
一生で一度の大学受験を失敗しないためにより深く学びたい方は私が直接サポートするイクスタコーチをご覧になってください。
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