唐招提寺|日本史用語集
唐招提寺の概要
南都六宗の一つである律宗の総本山。天平宝字三年(759年)に現在の奈良市五条町に鑑真によって創建された。
唐招提寺の解説
解説・・・唐から来日した高僧である鑑真が、朝廷より賜った平城京の土地に建立した寺。鑑真が開基となる。南都六宗(三論・成実・法相・倶舎・華厳・律)のうちの一つ、律宗の総本山となっている。 唐招提寺の建物として講堂・鼓楼(ころう)・金堂・宝蔵・経蔵が奈良時代の建築物として国宝となっている。唐招提寺金堂は、唯一現存する奈良時代の金堂として貴重である。講堂は、平城京朝集殿を移築した建築物であり、鎌倉時代に大規模改造されている。 本尊として金堂に安置されている廬舎那仏像や、並んで立っている千手観音立像と薬師如来立像も国宝である。唐招提寺には、木彫像が多く残されており、ほとんどが8世紀後半に作られた像となっている。四天王立像や梵天・帝釈天立像などがあり、これらも国宝となっている。鑑真が亡くなる直前に作られた鑑真和上像は、日本最古の肖像彫刻であり、これも国宝である。 奈良時代に創建された寺は、官大寺がほとんどであるが、唐招提寺は鑑真が創建した私寺である。鑑真は、正式な僧になるための授戒を東大寺戒壇院で行ったが、授戒を受ける僧のために唐招提寺を修業の場とした。