中宮寺半跏思惟像|日本史用語集
中宮寺半跏思惟像の概要
厩戸皇子(聖徳太子)が建立した中宮寺の本尊。金堂に安置されている。7世紀後半に作られたとされており、飛鳥時代に作られた木像として国宝に指定されている。
中宮寺半跏思惟像の解説
飛鳥時代の仏像として国宝に指定されている。金堂の本尊として寺伝では如意輪観音像と伝えられてきたが、現在では弥勒菩薩像であると言われている。正式名称は菩薩半跏像と言う。
特徴としては、 1、台座に腰かけ、左足の腿の上に右足首をのせている。 2、肘を曲げた右手の指先が軽く頬に触れており、深い思索にふけっている姿となっている。 3、優しい微笑を浮かべており、「アルカイックスマイル」(古典的微笑)と言われる。 などがある。
「アルカイックスマイル」としては、世界的な評価も高く、エジプトのスフィンクス・レオナルドダヴィンチのモナ・リザとともに世界三大微笑と言われている。
半跏思惟像は、インド・中国・朝鮮半島でも多く見られるが、日本では飛鳥・白鳳時代に多く作られており、日本古代仏教を代表する仏像となっている。 艶のある黒漆の印象が強い中宮寺半跏思惟像であるが、仏像が作られた当初は、鮮やかな彩で彩色されていた。
頭髪を丈夫で2つに丸く束ねているのが中宮寺の半跏思惟像であり、他の半跏思惟像との見分けがつきやすくなっている。