木簡|日本史用語集
木簡の解説
文字を墨書した木札。1961年、平城宮後発掘中に発見されてから注目され、以後、藤原宮跡、地方官邸宅跡などから20万点以上が出土した。
内容から、文書木簡(官庁間の連絡、記録、帳簿に使用)、付札木簡(調庸など諸国の貢進物の荷札などに使用)、習書木簡(漢字・漢文習得の練習用)、封緘(ふうかん)木簡(紙の文書の封緘に使用)などに区分される。その他、呪符(じゅふ)木簡は雨乞(あまごい)などの信仰・呪術行為で使われた。
中でも、文書木簡は、役人の勤務評定や、呼び出しなど、主に役所で用いられたが、紙が普及する前の行政文書として、古代の特徴的な文書のあり方と言える。
特に、中央では群評論争決着の決め手となった藤原宮跡出土木簡、平城京長屋王跡出土の長屋王木簡、二条大路木簡が、地方では群符木簡(郡司から配下の里長などへの命令伝達に使用)、配下から郡司宛ての封緘木簡、論語などの習書木簡が重要である。
なお、木簡は役目を終えると廃棄されていたが、今でいうトイレットペーパーなどとして再利用されたのちに廃棄されるものもあった。 木簡は当時の歴史を映し出す歴史文書として重要な役割を果たしていると言える。