羅城門|日本史用語集
羅城門の解説
羅城とは、古代都市を取り囲む城壁のことであり、羅城門は羅城に開かれた門である。中国では外敵から守るために頑丈な羅城が築かれたが、日本では羅城門の両端にのみ築かれ、簡素な土塁と溝が設けられているのみであった。
平安京では朱雀大路の南端に位置し、都の正門であった。読み方は、呉音で「らじょうもん」、漢御で「らせいもん」であったが、俗称で「らしょうもん」とも呼ばれた。中世以降、らしょうもんが一般化したとされる。
門は入母屋造り、瓦屋根にしびが乗っている。
大きさは幅約35メートル、奥行約9メートル、高さ約21メートルで、正面には柱が7本立っていた。中央に扉が付いており、左右は壁であったとされている。木部は朱塗りで壁は白土が使われていた。手前に石段が5段設置されていた。
羅城門は奥行が短かったため何度か風で倒壊したが、その都度再建された。しかし、980年以降は再建されなかった。渤海や新羅などの外交使節が途絶え、その役割がなくなっていったためだと考えられている。