平城宮|日本史用語集
平城宮の解説
平城京の大内裏(宮城)で、平安京の中核的区域。内裏・朝堂院・諸官庁からなる。 大規模な発掘調査が幾度か行われ、平城宮跡からは木簡が出土し、平城宮跡出土木簡として国宝に指定されている。
また、国の特別史跡に1922年に指定され、その後も追加指定が行われている。また、平城宮の朝堂院にあった建物の一つである東朝集殿を移築した唐招提寺の講堂も国宝に指定されている。1998年に「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録され、これは考古遺跡としては日本で初めてのことであった。
平城京の北側に置かれ、天皇の居所である内裏と儀式を行う朝堂院、官人が政務を行う諸官庁(外朝)からなる。周囲は5メートルほどの築地が張り巡らされ、約120ヘクタールの敷地であった。南側には朱雀門が設置され、そのほか、豪族の氏姓から名付けられた11の門があった。東側には東院庭園がおかれ、饗宴の場となった。
784年に長岡京に遷都され、その後平安京が都としての地位を確立すると、次第に荒廃し、農地となっていった。しかし、平安京遷都後も、南都と呼ばれ、本来の都として人々の認識の中には残っていた。