予備校で効率が下がることも?予備校に通うべき人通うべきでない人

こんにちは。イクスタ編集部です。

今回は大学受験での予備校について、メリットやデメリットを示しながら、受験生が通うべきかどうかの判断基準をご紹介していきます。

結論から言うと、大学受験の予備校はやはり受験生にとっては得るものがあることが多いです。その一方で、当然、年間数十万円の大きな費用がかかるものですし、また予備校の校舎や先生によってクオリティに差があり、受験の結果に差が出るのも事実です。

自分に合った素晴らしい先生に教えてもらえるのであれば、ぜひ予備校に通って欲しいと思います。良い先生や大学生スタッフとの出会いから、それまでの人生から大きく可能性がひらけた例はとても多いですが、その一方で予備校に入れば必ずそのような出会いが待っているかと言えば、そうではないのが悩ましいところ。

「少なくないお金もかかるし、予備校に入ろうか迷っている」という受験生がいたら今回の記事をぜひ参考にしてくださいね。多くの予備校スタッフが所属しているイクスタで様々な現場の情報を統合してお送りしています。

また今はスマホで多くのサービスが出てきているため、予備校でしか得ることができないと思われていたものでも代用できる環境になりつつあります。同時にそれらもご紹介していきます。

予備校での先生は選べるわけではなく、全ての予備校の先生を把握するのは不可能なため、今回は先生の良し悪しを除き、みなさんに影響を与える部分にフォーカスして予備校のメリットとデメリットを解説していきますよ。

予備校の5つのメリット

大学受験予備校に通うにあたっては受験生には5つのメリットがあります。受験生の場合、予備校に通う意味は「授業を受けること」と思っている場合がほとんどだと思いますが、実は授業を受ける以外にも様々なメリットがあり、むしろ成績を伸ばすためには授業以外の部分の方が役に立っているんですね。

授業を含め、予備校に通うことで得ることができる点を紹介していきましょう。

①授業

一番わかりやすい予備校に通うメリットは、大学受験に特化した授業を受けられること、でしょう。科目ごとに苦手な分野はよりわかりやすく、もしくは発展的な内容の解法を直接教えてもらえることで、苦手な科目がある場合や、難関大学を受ける受験生にとってこれらの授業は成績アップの近道になります。

特に英語の英作文数学と物理の概念理解歴史系の記述問題に関しては自習が難しい分野のため、直接指導をしてもらえることで成績アップに繋がりやすいです。また授業の中で質問できる環境がある場合にはさらに授業を受ける意味があります。

上記の英作文などは答えが一つに決まっている訳ではなく色々なパターンがあり得るので、それぞれに応じて答えやその回答の根拠になる道筋を聞けることは、入試で点数を取る上でとても役に立ちます。

逆に、それぞれの問題に対して質問できない場合や、大人数での講義形式の場合には、必ずしも予備校でしか受けられない授業ではありません。スタディサプリや河合塾などが出しているスマホ予備校や参考書でも十分に代用できる部分となります。

国公立医学部・東京大学・京都大学・東京工業大学・一橋大学の一部の問題は非常に難易度が高いので専門の予備校で特化した授業を受けることは非常に価値がありますが、それ以外の大学受験の範囲は、実はスタディサプリや参考書でほとんど網羅されています。

そのため、予備校で授業を取る際には、授業の内容や実績だけではなく、先生に直接質問できるかどうかに着目して取るべき授業を選択してください。

②自習室

難関大学を目指す場合、高2の夏〜入試直前まで最低でも学校の授業時間を含め1日10時間ほどの勉強をする必要があります。特別に才能がある場合はこの限りではありませんが、大多数の一般的な受験生の場合にはこれくらいが目安です。

それだけの時間を集中して勉強するためには、適切な勉強場所が必要です。生活の中で勉強できる場所は自宅や学校の図書室、カフェなどありますが、可能であれば予備校の自習室がもっとも効率が良いです。

なぜなら、雑音等が少なく気が散りにくい、周りも勉強している、空調等の環境が整備されている、など勉強のための環境としてが整備されているからです。

また、多くの自習室は早朝から夜遅くまで開いていることが多く、勉強時間を安定して確保することができます。

大学受験では、仮に予備校に通っていたとしても授業を受けている時間よりも自習している時間の方がはるかに長いです。自習時間の質と量を安定させるためにはぜひ予備校の自習室を利用すべきです。もし予備校に入るか迷っている、もしくはいくつかの予備校で迷っている場合には自習室があるかどうか、もしくは自習室の使える時間帯実際の混雑具合をしっかりと確認しましょう。

受験生は予備校に入学する際にこういった箇所の確認を遠慮しがちですが、これらは積極的に確認してください。予備校側としてもそれほど嫌な顔はしないと思いますし、受験生としてはしっかりと確認すべき箇所です。

また、仮に予備校に通うことを検討していない場合でも、自分がどこで受験勉強をすることになるのかを常に考えておいてください。休日に10時間勉強する環境を確保することはできるでしょうか。もし自宅やカフェなどで集中できないなと感じる場合には、もっと効率の上がる勉強場所をすぐに定めることが重要です。

③受験の仲間

大学受験では勉強方法や参考書情報、大学別対策で同じレベルの受験生との情報交換が役に立つことがあります。自分では思ってもみなかった勉強法や着眼点を、ふとした雑談の時に友人から得ることができることがあるものです。予備校で知り合って良い関係になり、大学入学後や社会人になってからも付き合いのある関係になる例も数多くあります。

ただ、仲間ができれば必ず良いというわけではありませんし、逆にデメリットもあるのですが、勉強の相談相手や競争相手を作ることができるという点で役に立つことがあります。

予備校を検討する際には、単体の授業だけではなく、自分が志望しているレベルのコースがあるのかどうかを確認しましょう。同様のレベルや志望校の受験生が多い場であれば、情報交換できる仲間に出会えるかもしれません。

予備校に入る際には知り合いや友人からの口コミがきっかけになることもあると思います。知り合いがいる場合には校舎内のレベルや雰囲気を聞いておくことで参考にすることができます。

④志望校の卒業生や在学生

この点は①の授業で紹介したポイントと重なる点もありますが、勉強方法や志望校別の対策方法などをその志望校の在学生や卒業生などの経験者に直接聞ける環境は受験生にとってとても魅力的です。各科目や生活面などで受験生が悩みがちなポイントは共通しているため、それらをすぐに相談できる環境は成績を上げるためには非常に役に立ちます。

また、参考書や講義形式の授業では得ることができない、大学ごとの入試問題の傾向や対策法などを経験者に直接聞くことができると、そういった環境のない受験生よりも受験をかなり有利に進めることができます。

予備校に入学する際には、予備校のスタッフに自分の志望校の学生や卒業生、もしくは受験経験者がいるかどうかをチェックしましょう。もしチェックしづらいと感じたら友人に聞くのもいいですし、入学説明会や面談の際に「ちなみに〇〇大学に通っているスタッフの方っていますか?」というような聞き方でも大丈夫です。

一部の個別指導の予備校は講師などの学歴や個人情報は公表していませんが、多くの予備校では親切に答えてくれるはずです。

必ずしも志望校の受験経験者がいる予備校に入学する必要はありませんが、いくつかの予備校で迷っている場合には、そういったリアルなノウハウを聞くことができる環境の方が受験を進めていく上では有利となります。

大手の予備校では最新の受験情報を得ることができます。これから数年間、大学入試の仕組みが徐々に変わる予定になっています。大手の予備校では、最新の状況にキャッチアップするべく常に情報収集をしており、各校舎に情報が共有されます。比較的早くそういった状況を入手することができるでしょう。

⑤スケジュール

まだ受験を経験したことのない高校生にとって一番わかりにくいのが勉強スケジュールの立て方です。

「なにをいつまでにどれくらいやればいいのか」これらは志望校合格に必須の重要な情報ですが、これは広範な知識や経験がなければ把握することができません。

ある志望校を目指しているとして、その大学に合格するためにはどの時期にどれくらいの点数を取っておくべきだという、これまでの合格者を参考にした時期別の合格ラインに関するデータが存在するのですが、予備校に通っていないとそれらのデータが手に入りづらく、結果としていつまでにどれくらい勉強すればいいのかが決められないという状況になります。

イクスタでは受験カレンダーという名前で、それぞれの時期に何をどれくらい勉強すればいいかを一般的な例を参考に紹介しているのですが、それ以外に参考書や他のインターネット上のサイトでもあまり分かりやすい例は見当たりません。

大学受験ではそれらのデータを元に逆算した計画的なスケジュールを元に勉強を進めないと志望校、特に難関大学への合格は難しいです。

これらのスケジュールの立て方は、基準となる点数や、各科目の各分野マスターにかかる時間などで構成されており、これらは経験者でなければなかなか体系立てて説明できるものではないため、自分の志望校に合格した先輩は受験のプロが在籍している予備校で、スケジュールの立て方を教えてもらうのは大きなメリットです。

上記で説明した通り、スケジュールの立て方はとても重要であるものの、一部の予備校では各科目の授業は行うだけでスケジュールの立て方は教えてくれない場合もあるので要注意です。

予備校で授業を受けるだけで満足せず、もしスケジュールの立て方を教えてくれる場があるのであればぜひスケジュールの立て方を聞いてくださいね。

ちなみにイクスタではそのようなスケジュールの立て方を丁寧に紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

予備校の3つのデメリット

予備校は大学受験を進めていく上で上記で紹介したようなメリットがありますが、当然、デメリットがあります。

①年間60~80万円の費用がかかる

予備校に通うためには当然、費用がかかります。大手予備校だと平均して年間60~80万円ほどの費用がかかります。個人塾であれば1科目だけの授業を受けて月間数万円で済むこともありますが、テレビCMを流しているような大手予備校であれば上記の費用が発生します。

費用の内訳は入学金、通常授業、夏期講習、直前講習などで費用が発生します。科目を抑えればもっと安く済ませることもできますが、逆に予備校の提案する授業やコンテンツを全て使うと年間150万円くらいかかることもあります。

なるべく費用を抑えたいのは全ての家庭で共通して言えることかと思いますが、予備校もビジネスとして運営しており、校舎の家賃やスタッフの人件費などが発生しているため1人あたりの売上を考慮するとこれくらいは授業料として売上なければなりたたないと言う実情もあります。


②授業のペースに合わせる必要がある

動画タイプでは予備校や塾では基本的に科目ごとに授業を受けることになります。それぞれの科目は週に1回か2回の授業を受けることになります。予備校で作られた年間のカリキュラムに沿って授業が進んでいくことになるため、自然と自分の進むペースもそのスケジュールに合わせることになります。

授業のレベルと自分のレベルがちょうどマッチしている場合にはとても効果がありますが、授業が難しすぎたり簡単すぎたりする場合にはかけた時間に対して成績が上がらないと言う状況になってしまいます。

実際、大手予備校でも週1回の授業で高3の12月に全範囲が終わるカリキュラムが組まれている場合があります。その一方で、志望校の過去問は9~10月には始めた方が良いため、全範囲が終わっていない科目があると9月の時点では正しく実力を測ることができず、それぞれの志望校に対する得点率を把握できないまま受験直前になってしまいます。

国公立の最難関学部や、メリットの①でご紹介した独学が難しい分野以外、基本的には参考書や動画を使った独学で十分に成績をあげる環境が整っているため、それぞれの科目や分野で自分で勉強できるかどうかを検討してみましょう。

③複雑になりがちな人間関係

メリットの③で紹介した「人間関係」の裏返しでもあるのですが、予備校内での人間関係はデメリットにもなりかねません。メリットで紹介した通りに情報交換や切磋琢磨できる関係になることができればとても良い相乗効果を得ることができますが、逆におしゃべりが長引きすぎたり片方が片方の相談に乗り続けて時間を浪費してしまったりなど、足を引っ張り合う関係になってしまうことがあります。現実にもそういった例はよくあります。

学校が一緒だったり、家が近かったりするとなかなか関係を断ち切れないようなパターンもあるので注意が必要です。

受験勉強の期間、毎日勉強を続けるのはやはりそれなりに辛いので、友人と現実逃避するような状況にならないように気をつけてください。

お金のかかる大学受験予備校、通うべきかどうかは状況を冷静に判断

ここまで予備校のメリットとデメリットを紹介してきました。

お金を支払って通うため、予備校はうまく使えば大学受験で志望校に合格するためにとても役に立ちます。

その一方で、年間数十万円という大きなコストを払うことになりますから、全ての受験生が通えるわけではありません。

また、必ずしも予備校に通わなければ手に入らないものが多いのかというと、そういうわけではありません。

予備校に通ったことのない受験生は予備校がどういいのかがよくわからないまま入学してしまうことがありますが、無駄なお金を少しでもなくすために、予備校のリアルを把握しておいてください。

また、もうすでに予備校に入学している受験生も、今通っている予備校を有効活用するために上記の事項を確認してくださいね。

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