土井万智(どいまさと)の編集室
正直なところ、まったく期待していませんでした。難しすぎて全く手応えがなかった2月19日の早稲田大学教育学部の入試。
早稲田の試験教室で問題を開いて「英語難すぎ、こりゃ無理...」
そして2月27日の合格発表。
「まあ受かっているわけないだろう...」
諦めと義務感で気が乗らないまま 事務的に受験番号リストを開くと、
「まさか、本当に?」
何度も何度も自分の目を疑いましたが、そこに確かに自分の番号がありました。
隣で一緒に見ていた弟に背中を強く叩かれた感覚は今でも残っています。
その夜、1人になると自然と涙が少しだけ出ていました。もともと泣くようなタイプではないのですが、自分なりに頑張ってきた自負や将来への期待。色々な気持ちが混じっていたのかもしれません。
結果的には明治大学商学部と青山学院大学経営学部マーケティング学科と、受験したMARCHの大学は全て合格をいただき、第一志望の早稲田大学に合格することができました。
「進学校も大手予備校も、あんまり意味なくないか...?」
これは私が高校を卒業し早稲田大学に現役で合格したあとに出したひとつの答えでした。
大量の課題、先生からのプレッシャー、受けるだけの授業。
これらに疑問を持っていた私は学校の成績は全然よくなかったので、卒業式の日に合格を報告したら周りから信じられないくらい驚かれました。高1の駿台模試英語の偏差値は20台でしたね...
そこから、大学生や予備校のスタッフ、一般企業での社会人経験を経て、今は、
『大学受験は人生のターニングポイント。時間も気持ちも投資して有名大学に合格するために本気になるべきタイミング。』本気でそう思います。
正直なところ、大学2〜3年生の頃は「大学受験で頑張る意味があるのか」と疑問に思ったこともあります。
ただ、社会人として働いてみると「やっぱり難関大学で得られるものは本当に多いし、本当に貴重なものだ」と思いなすところとなりました。
大学受験で培われる知的体力と難関大学の信用力は、この不安定な社会でうまくやっていくためには、一度逃してしまうと二度と手に入らない替えの効かない資産です。大学名はその人の信用として残ります。「早稲田ってこんなに信用されるんだ」と大学に入ってから驚かされました。
だから今は、『1人の本気の受験生が、いかに最短で賢く合理的に大学受験で逆転合格できるか』を中心のテーマに、イクスタのウェブサイトと、書籍と動画メディアと、イクスタコーチというオンライン予備校の柱で、独学の受験生が合格できるような環境を作るために毎日の生活を全力投球しています。
大学入学後に複数の予備校で働いてみると、予備校は明らかに費用対効果が悪いな、「何かがおかしいな」と感じました。
私が4年間働いていた大手予備校では10万円弱の20回授業を取る方式で各科目色々なコースを組み合わせます。4年間毎年200人弱の受験生の受講状況と成績の伸びをしっかりと分析した結果、「受けた授業の数と成績の伸びは全然関係ない」というにわかには信じがたい事実に気付いてしまいました。
「成績の伸びは授業の回数で決まらないんだったら、どうして受験生によって成績の伸びは違うんだろう」大学4年生の時にそんな疑問を持ったことから、イクスタの基本理念である独学の大学受験について考え始め、イクスタを立ち上げ今に至ります。
最近は、難易度別の書籍作りを目標に置きながらも、動画も撮って、ウェブサイトの記事も書いて、午後は受験生との面談。その合間に筋トレと読書を詰め込むような生活を送っています。
社会人時代を経て2018年に日本政策金融公庫から数百万円を借りて独立し、イクスタを経営してきました。ここまで試行錯誤しながら、私が想像する解決策を実現するために様々なものを作ってきました。今年出すことができた独学のための書籍でようやく全体像が形になり始めたなと感じています。
これまでに考えたり感じたりしたもので構築したイクスタという解決策を1人でも多くの本気の受験生に役に立てていただきたいと思っています。
メディアかイクスタコーチをご自身の大学受験にご活用いただければ嬉しい限りです。
大学受験の最大のボトルネックは2つ
大学受験の課題は本質的には2つに集約されると思っています。
1つ目は、「自分が難関大学に合格するためには、今何をやるのが正解なのか分からない」
2つ目は、「毎日のやるべきことをしっかりとやり切るのが難しい。やる気がでない」
結局のところ、この2つです。余計なおせっかいかもしれませんが、ここで失敗しちゃう受験生が多いんです。
大学受験を構造分析して、成功するパターンと失敗するパターンのボトルネックを研究してみるとこの2つになるのです。この2つの課題を明確に意識してクリアしていけば、周りの同じ環境の受験生よりも驚くほど伸びます。
逆にこの2つを無視したままだと、いくら時間をかけてもいくらお金をかけても、効果は出ない。予備校でたくさん授業を取ったから、有名な参考書をたくさん買ったから、と思考停止してしまうことは避けなければなりません。
ここ2〜3年で増えてきたのは、「一度は動画系の予備校に入ったものの、全然サポートもしてくれないし成績も伸びないからどうしたらいいか分からない!百万円も払ったのに!」と、本人と保護者ともに怒る事例です。大学受験の不安をなくしてしっかりと成績を伸ばすために大金で予備校に入ったのに!と
大学受験を始めると、
「やることはなんとなく分かっているつもりだけど、なぜそれがいいのか、本当にそれでいいのか、本当のところはいまいち分かっていない。やるべきことを毎日きちんと自分で管理していく自信がない」
この状態で受験生活がそれとなく続いてしまう。とってもとっても危険です。
高1からちゃんとテスト勉強して準備している受験生が大学受験を本格的に始めるタイミングでそこそこ成績が良いです。
そうじゃない受験生が逆転合格するためには、膨大な情報を扱ってその中から正しい戦略を決め、かつ努力し続けるという三段構えが必要で、これがとっても難易度が高いです。毎年受験生を見ていて本当にそう思います。
僕はたまたま情報を扱ったり戦略を立てたりするのが苦にならない(むしろ楽しく感じてしまうタイプ)だったのですが、周りの受験生の早慶志望はほとんど不合格。たぶん合格率は10%に届いていない。早稲田に入ってからも周りは東大志望か一橋志望ばかり。
膨大な情報を扱ってその中から正しい戦略を決め、かつ努力し続ける、これをいかに高いレベルで維持し続けるか。それが大学受験の本質で、時間とお金を投資すべき領域はここなのではないかという考えのものにイクスタを運営しています。
1つめのボトルネック「自分が難関大学に合格するためには、今何をやるのが正解なのか分からない」について。
今の時代、ネットやYoutubeで調べれば勉強法や参考書情報は色々出てきます(かくいう私たちイクスタもそのメディアの1つですが、、)。
ただ、その情報が本当に今の自分に合っているのかを見極めるのは難しいです。何にどれだけ時間がかかるのか、どのくらいが妥当なのかは、初めての大学受験だと、先輩や兄弟がいて詳しかったりしないと分かりにくいのが現状。
(東進案内のデータの写真)
志望校のレベル、今の実力、その人の感覚、この3つによって合っている勉強法や参考書は千差万別なので、調べるだけでは本当に自分に合っている情報には辿り着けないのが実態だなと感じています。
勉強法と参考書をいかに調べても、それは部分最適であって、全体最適にはなっていないんですね。
これが1つめの大きなボトルネック。
2つめのボトルネック「毎日のやるべきことをしっかりとやり切るのが難しい。やる気がでない」
「やんなきゃヤバい」を見える化する
1人で勉強していると、どうしても甘えてしまいます。
「今日はこれくらいでいいかな」これが甘いとずるずると終わらせるべきものが終わらないんです。
例えば、社会人でも会社に入ると360度評価というものがあって、上司や部下などから普段の仕事っぷりを評価される機会があります。こうした他者からのフィードバックがあると普段の働きぶりに緊張感が生まれてそれが質の向上に繋がります。これがないと社会人でさえ、期限ギリギリになるまで仕事に手をつけられない。
これは受験生でも似たような状況。
受験生活は長い期間勉強することになりますが、それを細かく分けて、1つずつに期限をつけて、常にその期限に間に合うように頑張る、この小さな積み重ねを仕組みにするべきです。
また、同時並行で進めなければならない教材が多いので、例えば今日はどれをどんなバランスでどこまでやればいいのか、今日はどの教材をどれくらいやるべきなのか、それらを管理するの本当に大変です。
期限を作ることなく曖昧にしていると、なかなかやる気が出ません。やる気が出ないのは適切な危機感を感じることができていないからです。
志望校ごとに「この時期にこれくらいの実力があればラインに乗っている」という明確な評価軸があります。このラインを知らないと今の自分がいかにやばいかが分からないんです。
例えば私から見たらこれまでの経験上、「今の時点でその実力は相当やばいよ」と内心思っていたりします。でも本人は気付けていなかったり。受験学年の秋になって「思ったよりもやばかった」と気付くようなことになってしまいます。はじめての大学受験だとなかなかそれを知る機会がないからしょうがない面もあります。
「自分が難関大学に合格するためには、今何をやるのが正解なのか分からない」
「毎日のやるべきことをしっかりとやり切るのが難しい。やる気がでない」
大学受験ではこの2つが最大のボトルネックになりうるということをお伝えしてきました。人生で二度とチャンスが来ない大学受験。入試日という明確な期限があります。絶対に失敗しないように対策を立てるべきです。
2つのボトルネックを解決する3つの対策
この2つの大きな課題を解決するために、何を準備してどんな対策をする必要があるのか。
私は次の3つの視点から科学的に準備と対策をしていくことが正解の近道だと考えています。「なんとなくこんな感じ」では現実は厳しい。
1つ目の対策は年間スケジュールを点数ベースで立てること
2つ目の対策は教材、参考書のロードマップを立てること
3つ目の対策は毎日を本気で頑張ること
この3つを解決して大学に合格する一連のプロジェクトは、家を建てるイメージにも例えることができます。
設計図をもとに、木材など材料を使って、毎日本気で努力して1つの家を作り上げる。
1つめの対策年間スケジュールを点数ベースで立てること
「自分の志望校に合格するためには、今の自分の実力からどれくらい伸ばしていけばいいのか」を数値で明確に把握しておく必要があります。
だから、年間計画とスケジュールを立てることが必須です。
A 自分の今の実力と、
B 志望校の合格で求められる実力
があって、その差を残り時間で埋めるかを整理するために自分だけの年間計画・スケジュールを作ります。
以下のような標準的目標得点率を参考に、2ヶ月おきに自分だけの目標点リストを作成して、長期的な目線で達成できるようにします。
受験は数値の戦いです。数値を把握しておく必要があるのです。点数ベースでの目標をしっかりと明確に立てて、それを埋めていくというプロジェクトです。
自分の志望校に合格するためには、12月にはこれくらい、8月にはこれくらい、じゃあ今はこれくらいってイメージできれば目指す目標にもなりますし、逆に、「この時期にはこれくらい取れていないと合格は厳しい」と前もって気付くことができるので、適切な危機感を持つきっかけになります。
やる気の中心は危機感です。
計画を立てることで、このままではいかにヤバいかが分かる。
計画を立てないと、今の自分がいかにヤバいかも見えてこなくて危機感を持てない。
人間のこんな性質を見据えて、自分をやる気にさせる計画を作ります。
2つめの対策教材、参考書のロードマップを立てること
1つ目で立てた年間計画と目標をどう達成するかという視点から、どのような手段を使うかを選びます。
手段として、授業や参考書をどう配置してポートフォリオを組んでいくか。予備校の授業もあくまで手段の1つです。実際のところ、参考書1冊に書いてある内容と予備校の15回の授業の情報量はほぼ同じです。口頭で説明する方が分かりやすいか、テキスト情報で学ぶかの違いです。
このように、年間の計画を作成して、合格点を取るための要素を分解してそれを埋め合わせるような教材を抜け漏れなく配置していきます。
イクスタではこれまで1500本ほどの記事を書いてきました。各科目の有名参考書のレベルや特徴、使い方を紹介しています。ここ数年、受験生目線の良い参考書が増えてきました(10年前はあくまで先生目線の教材が多かったのですが)。
特に学研、Z会、旺文社から出ている参考書は良いものが多くおすすめできますよ。(一度これらの出版社に入社してみたい!)
ここでの注意点は今の実力と志望校に合っているかです。避けたいミスは、志望校に合っているという視点だけで選んでしまうことです。今の実力に合っていない難しい参考書を選んでしまって、長い間停滞してしまうようなことも多いです。初心者ハイカーくらいの実力で、エベレスト(難しい参考書)を登り始めようとしてしまっているんですね。
初めてお話しする受験生に使っている参考書を聞いてみると「ちょいとお待ちー!」と言いたくなることも。
このようなミスマッチを起こさないためにはどうすればいいのか。
センター試験の過去問を解いて得点をじっくり分析したり、経験者から細かくヒアリングしてもらうことで今の実力はしっかり分かるので、その実力に合わせた教材を選びます。
特に英語、数学、物理、理論化学は自分の実力にぴたりと合わせた教材を選ばないと危険です。
教材選びを間違えると難しすぎる&つまらないで大幅な時間ロスに繋がり、年間スケジュールも狂ってしまいます。
「みんなやっているから〜」「合格者が〜」「評判がいいから〜」で選びがちです。毎年数十人そうやって選んで失敗する姿を見てきています。
皮肉なことに、偏差値が高い高校ほどその風潮に流されることが多く、手遅れになってしまう現象が起きます。
3つめの対策毎日を本気で頑張ること
ここまでで、年間目標点と教材ロードマップをしっかり立てることをご紹介してきましたが、一番大事なのは、やっぱり1日1日を本気で頑張ること、これが本当に大切なことです。
どんなに卓越した計画があっても、山ほど参考書を揃えても、何百万円も予備校の授業をとっても、今日絶対に終わらせないといけないことを、1日1日地道に終わらせて、3〜4ヶ月かけてやっと伸びていく。
年間目標点と教材ロードマップと毎週の計画を立てれば、「何をやればどうなるか」がはっきりとイメージできるようになっているので、やる気も出ているはずです。
「この1年は本気で大学受験に打ち込む」
この覚悟を持って、毎日終わらせるリストをしっかりと管理して、1歩ずつ情熱的に進むのみだと思っています。
ここまでご紹介してきた、2つのボトルネックとそれを解決する3つの対策が私の大学受験に対して最も大事だと考えているビジョンの軸です。
この一連の流れを解決するために、様々なものを活用します。人によっては参考書だったり、スタディサプリだったり、予備校だったりするわけですね。
私なりには3つのメディアと1つのオンライン予備校という形でサポートできたらと思っています。
メディアに関して言えば、このイクスタというウェブサイト、Youtubeとインスタの動画メディア、それと書籍の3つ。
メディアに加えて、オンライン予備校イクスタコーチという陣容でサポートします。
3つのメディアに関しては、必要に応じてご活用いただければ、と思います!
オンライン予備校であるイクスタコーチでも、この2つの課題と3つの対策を軸に、私が直接受験生を合格に押し上げるものですのでぜひ受験生活にご活用いただけると嬉しいです。
イクスタコーチでは週に一度の60分の面談で、入学試験の前日までサポートします。
面談では、2ヶ月ごとに年間計画を立て、それをもとに毎週の計画を立てます。面談の最後に、来週の面談までに終わらせることリストを一緒に作成し、次の面談ではその進み具合を確認します。
他にも、定期的に教材ごとの定着確認テストを行い、教材を進めた内容が実力に反映しているかを確認します。
イクスタコーチでは、私から日々の変化に関してフィードバックを行いますが、理想の形はセルフコーチングできるようになることです。1週間を振り返って、自分の中身、環境の変化、何を変えるべきかを言葉にする時間を取ります。
3つのメディアとイクスタコーチ、それぞれご自分のニーズに合った形でご活用いただくのが一番嬉しいですが、やはり最もおすすめなのはイクスタコーチです。私が直接受験本番まで指導するので、年間計画や教材の抜け漏れはほぼなくなります。
詳細は以下からご覧ください。無料体験も承っています!
戦略不足と計画不足で負けるなんて悔しくないですか?正しい戦略と間に合う計画を本気で教えます!
イクスタを立ち上げてから記事を書いたり書籍を作ったり動画を作ったりと色々な媒体を作っているので、ここで改めてまとめてご案内していきます!
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イクスタの創業者、土井による論理的・戦略的な受験計画と戦略の作成
過去問に入る時期や基礎完成の時期などいつ何をやればいいか、完全にコントロールできるようになる必要があります。
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