【化学】1年で難関大に合格するレベル別参考書と勉強法とは?わかりやすく徹底解説!

化学を最速でマスターするために知っておいて欲しいこと

理系で数学の次に重要なのが化学です。共通テストではほぼ全員の理系受験生が化学を使用しますし、国公立二次試験や個別試験でも化学を使う受験生はとても多いです。理系ではほぼ必須であるにも関わらず、一方で化学が苦手で克服できずに受験勉強が行き詰まってしまう受験生が多い科目です。

独学でも難関大学に逆転合格する合格のために、どのように対策すればいいかわからないという受験生も多いことでしょう。

化学は覚えるべき知識が多く、その知識がさらに計算に結びつくことで複雑になる科目です。理論、無機、有機、それぞれの分野によって求められる力が異なり、対策すべき頭の使い方が異なります。

化学を伸ばすために自分は何をすればいいか」を分野ごとに整理しないと、共通テスト30点のレベルから共通点70点のレベルでも迷子になってしまいやすい科目です。

化学をゼロから始めていち早く難関大学の合格レベルまで仕上げるために知っておいて欲しい全体観スケジュール分野ごとのポイントをご紹介していきます。

大学レベルごとの時期別目標点

難易度
レベル
大学例 1月 4月 8月 12月
国公立 最難関 東大・京大・東工大
一橋・国公立医学部
65% 75% 85% 90%
国公立 難関 旧帝大
筑波や横国など
60% 70% 75% 80%
国公立 地方一般 地方国公立上位 55% 65% 70% 75%
私立 最難関 早稲田・慶應 65% 75% 85% 90%
私立 難関 MARCH
関関同立など
55% 65% 75% 85%
私立 有名 その他の有名私立 50% 55% 65% 75%

理論化学から始めれば効率がいい

化学は理論化学、無機化学、有機化学の3分野に分かれます。分野によって特徴があり、理論化学は計算が多く無機化学と有機化学は暗記が多い分野です。

教材や参考書を進めているだけだと一見気付きにくいのですが、化学という1つの科目でも分野によって特徴が大きく異なります。つまり入試レベルに仕上げるための頭の使い方が異なります。

化学で難関大学で合格点を取るためには、これらの3分野それぞれを分けて理解と定着を進めていく必要があり、その中でも最も優先順位が高いのが、まず理論化学のベースを固めることです。

理論化学なくして化学は制せず。

これには、しっかりと理由があります。

まず、共通テストや国公立大学、私立大学での入試問題の配点のうち50%程度は理論化学から出題されます。また、無機化学や有機化学でも理論化学の理解が求められます。

無機化学、有機化学の最初の段階では理論化学の知識が必要ない分野もありますが、難易度が上がっていくにつれて理論化学の計算と融合した問題になっていきます。

例えば、無機分野だと最初は化学反応式を覚えれば点数が取れるものの、難易度が上がるにつれて、化学反応式は覚えている前提でさらに物質量の計算や圧力計算などが絡む問題が出題されるようになります。だからこそ理論化学は重要なのです。

理論化学での理解の上に無機化学・有機化学があるというワケです。

初心者
(0〜3ヶ月)
中級者
(4〜7ヶ月)
上級者
(7ヶ月〜)
入試直前
共テレベル 〜40% 40〜70% 70%〜
課題 理論化学の仕組みから始める 理論は定着し始めて、無機と有機はこれから 典型的な文章題を解く 理論の複雑な計算と有機の構造決定
克服のプロセス 講義系の参考書もしくは授業 理論の演習と無機有機のインプット 演習を通して計算と定着を確認 過去問など入試レベルの演習
対策内容 理論分野の主要な仕組みと計算 理論は問題集、無機有機は仕組みから理解する 標準レベルの問題集を解く 難問を解く手順を整理する
おすすめ参考書1 宇宙一分かりやすい理論化学(学研) 宇宙一分かりやすい無機化学(学研) セミナーなど網羅系問題集 重要問題集
おすすめ参考書2 ゼロから劇的にわかる理論化学 宇宙一分かりやすい有機化学(学研) 鎌田の理論化学の講義 化学の新研究


化学は大学のレベルによって出題される難易度が異なります。志望校に合わせて、到達しなきゃならないレベルを把握してから勉強することをおすすめします。


難易度・レベル 大学例 理論 無機 有機 構造決定
国公立 最難関 東大・京大・東工大
一橋・国公立医学部
思考力が求められる最難関レベルの問題 全ての反応式・理論との融合問題 全ての化合物の構造式 重要な問題として出題される
国公立 難関 旧帝大
筑波や横国など
難関レベルの問題 全ての反応式・理論との融合問題 全ての化合物の構造式 一部出題される
国公立 地方一般 地方国公立上位 典型的な問題 主要な反応式 主要な構造式 あまり出題されない
私立 最難関 早稲田・上智 思考力が求められる最難関レベルの問題 全ての反応式・理論との融合問題 全ての化合物の構造式 重要な問題として出題される
私立 難関 MARCH
関関同立など
難関レベルの問題 全ての反応式・理論との融合問題 全ての化合物の構造式 一部出題される
私立 有名 その他の有名私立 典型的な問題 主要な反応式 主要な構造式 あまり出題されない


三分野ごとのポイントを分解

では、理論化学、無機化学、有機化学それぞれ分野でどのような力が必要なのでしょうか?

まずは、理論化学からです。

理論化学は大きく分けて以下の単元に分かれています。

物質の状態変化

溶液の性質

気体の性質

固体の構造

熱化学

電池・電気分解

反応速度と化学平衡

理論化学は物質の性質を元にして、化学反応の法則を当てはめて計算し、反応の結果を求める分野です。数学が得意な受験生はすぐに得意にできる傾向があります。

しかし、それぞれの理論化学の中でも単元によって性質が異なります。例えば、熱化学では物質量の計算が少なかったり、電池と電気分解では暗記の側面が強かったりと様々です。

電気分解が苦手

化学平衡が全然できない

など、苦手な分野がはっきりと分かれるのも理論化学の特徴です。

それぞれの分野で求められる知識や理解を分けて把握して勉強する必要があるのが難しいところです。もちろん、全ての分野が難関大学合格には必要不可欠。どの分野を出されても難なく答えられるような力が求められます。


理論化学は法則や現象をイメージで理解することに時間をかける!

その力をつけるには、まず化学の基本になる法則や現象について理解するところから始めていきましょう。法則や現象とは、気体の分野ではヘンリーの法則、化学平衡の分野で言うとルシャトリエの原理のようなものです。

これらの法則や現象を学ぶ上でとても危ないのは、公式を暗記するだけで次に進んでしまうことです。法則や現象を表す公式は何がどうなっていることを示すのかを自分の言葉で説明できるくらい整理しておく必要があります。

例えば気体の状態方程式はPV=nRTは、PV=(w/M)RTP=dRT/Mと変形することができるのですが、なぜこうした変形をすることができるのかを物質の性質を理解した上で自分で説明できるくらい理解しておくことで、どんな難関大学にも対応することができます。

意味を把握せずに文字上だけで暗記してしまうと標準レベル以上の初見の問題だとお手上げになってしまうので、法則や現象は「なぜ」に注目して仕組みをイメージで理解できるように何度も繰り返します。

講義系の参考書を読み込む

この理解には講義系の参考書など分かりやすく詳しく説明している参考書を選びましょう。学校の授業の記憶がほとんどないのであれば、化学基礎の講義系の参考書がおすすめです。例えば、「宇宙一わかりやすいシリーズ(学研)」などがおすすめです。この段階に丁寧に時間をかけることで、化学の根幹である理論化学の基本が固まっていきます。

この化学の根幹となる部分をしっかりと理解せずに問題集だけでパターン暗記しようとすると、土台が不安定のまま積み上げる事態となってしまいます。簡単な計算問題ならば解けますが、入試問題のレベルとなるとお手上げです。

仕組みを理解してから演習するという流れを守ることで、化学の本質的な部分を固めることができます。

理論化学は演習を通して標準レベルまでを固める

物質の性質や現象の仕組みを理解できたら次は演習に入ります。

「理論化学が出来るようになったな」と感じられるのは、仕組みを理解した上で問題を解けるという感覚を持てるようになってからです。

初めは簡単な問題集や基本問題と言われるレベルの問題を単元ごとに進めていきましょう。基本レベルが8割方固まったら次のレベルに、という流れで積み重ねます。

注意するべきなのが、今の実力に見合っていない難しい問題を無理やり解説を読んで覚えようとすることです。

化学においては、難しい問題から理解しようとすると圧倒的にコスパが悪くなります。というのも、化学では難しい問題は基本問題の延長線上に存在しているので、難しい問題から始めてしまうと基礎的な部分の解説は省略されているので、なぜその解説になるのか分からなくなってしまいます。基本的な理解が定着しているかどうかを確認できなくなってしまうので注意してください。

あくまで、基本の理解からの演習問題という流れを崩さずに。


演習は定番の網羅系参考書から始めよう!1冊が本当に万能!

ここまでご紹介してきた演習のステップでまず間違い無いのが、セミナー化学エクセル化学などの網羅系問題集です。

網羅系問題集では、基本的な用語や性質を暗記しているかどうか問う入門問題から必須レベルの計算問題、そして入試でも出題されるような応用レベルの文章題までステップごとにこなしていくことができます。

こうした教材ごとの特徴を踏まえた上で化学の王道の進め方をご紹介します。

まずは初学者向けの分かりやすい解説スタイルの参考書から始め、その次にセミナー化学など網羅系の問題集に移るという流れです。

これらのステップを踏みながら、教材に書いてあることと問題の7〜8割を他人に説明できるくらい理解できた状態で単元ごとに進めることができれば、理論化学の基礎は大丈夫だと言えるでしょう。

コラム 理論化学の覚えるべき僅かな知識とは

理論化学は無機化学や有機化学に比べて暗記量が圧倒的に少ないです。そんな理論化学でも絶対に暗記しなければいけないことがあります。

それは元素の周期表です。共通テストで80%と難関大学の合格最低点を取るためには、4周期目までは全て即答できるレベルが求められます。

周期表の暗記はさまざまな語呂合わせが開発されており、それらを使えばサクッと覚えることができるのでネットで調べてお気に入りを見つけましょう!

他にも酸化剤、還元剤の種類やイオン化傾向など暗記すべきものはあります。無機有機に比べれば少ないにしても、理論化学は必ずしも暗記が無い訳ではなく、覚えるべきことはあります。しっかりと見極めて覚えていきましょう。

理論の基本までがマスターに近づいたら無機と有機を始める

セミナー化学などの網羅系問題集の理論分野の基本問題までがおおよそ全体的に7割程度定着したタイミングで無機分野・有機分野を始めます。無機と有機どちらから始めても構いません。高校の授業に合わせるのが良いでしょう。

覚えれば得点源、覚えなければ爆死。諸刃の剣な無機化学のコツ

無機化学では、金属や非金属の性質について学びます。無機では物質や化合物の反応の性質などを覚えていく必要があり、その暗記量が多いため抜け漏れなく定着させるための工夫が求められます。

例えば、鉄の分野であれば、

鉄の酸化物(FeOなど)

鉄イオンの性質(色や沈殿など)

鉄の化合物の反応

鉄の工業的製法について

など、鉄関連だけでも覚えることが非常に多いことが分かります。

数学や物理などの理系科目ではこれほど暗記が求められる分野は少ないので、無機化学での大量の暗記に苦しめられるわけです。

他にもイオンの関連では水溶液の色などただ単に覚えるしかない事項もあり、特定の分野でしか出てこない分野は理論化学の公式などと比べて見る回数が少なくなってしまうため記憶を維持するのが難しいと感じます。こうした単純暗記の抜け漏れを確認しないまま受験に臨んで爆死してしまう、ということになるわけです。

一方で、無機の分野は一度覚えてしまえば化学の中で最も点数を稼ぎやすい分野に変化します。

共通テストでは毎年30点分前後が無機分野から出題されており、化学で高得点を狙うためには無機の分野は落とせない範囲です。覚えるべきものを覚えるだけでほぼ3割前後は死守できるので、努力が点数に繋がりやすい分野です。

無機では覚悟を決めて覚えるべきものを覚え切りましょう。

有機的に覚える有機化学

有機化学は、構造式を用いて物質の構造を理論的に学ぶ分野です。有機に入るタイミングは無機を学んでからの場合が多いですが、どちらから始めるかは学校の授業に合わせれば問題ありません。

有機化学では物質ごとの性質や反応の流れを掴みながら進めます。そのため、無機と同様に暗記すべき内容が多いです。

有機では無機ほど細かな暗記は出てきませんが、全体像を把握しながら暗記していく必要があります。例えば、教材に載っている芳香族の反応経路は、難関大学志望の場合には最終的には全部覚えることが求められます。有機化学ではある物質からある物質を作るという形で反応が進んでいき、その物質の性質がアルコールやカルボン酸なのかを判断する力が求められます。加えて、全体的に繋がりを持った暗記が必要になります。

まずは有機化合物の構造の基本となる脂肪族化合物から学び始めます。名前や構造を覚えるというステップはいずれ必要になりますが、まずマスターすべきなのは化学式から構造を考える力です。

典型的な基本問題として「C5H12Oで表される異性体を書き出し命名せよ。」と問われます。こうした問題に即答できるように有機化合物の命名方法などをしっかりと定着させる必要があります。このステップをクリアしたあとに、官能基ごとの性質や反応を覚えていきます。

例えばアルコールであれば弱酸性を持っていること、カルボン酸とアルコールのエステル化の反応などが定着させる必要がある知識です。

まず代表的な有機化合物の構造を覚えた上で官能基ごとの反応を覚えていくことでだんだんと有機化学全体の知識が繋がってくるわけです。

暗記が多い無機・有機の知識を覚えるための工夫

ここまで繰り返し無機・有機分野の重要性や暗記のハードルが高いことをお伝えしてきました。特に無機分野の定着に苦しむ受験生が毎年数多く発生します。覚えようとして一度は頭に入れたものの、それを長期間覚えてい続けるのがとても難しいと感じる受験生が多いようです。

これには無機化学の特徴が関連しています。有機化学は全体として繋がりがあって分かりやすいのですが、無機化学の暗記は多い上にそれぞれの反応式が孤立しているパターンが多く、他の単元に移ってしまったら二度と出て来ないのです。だからこそそれぞれの分野で見る回数が少なくなり、定着までに時間がかかるのです。

そこで考えられる対策は「孤立している知識」に触れる回数を意識的に増やすことです。

例えば、無機の参考書でこれから知識をインプットするとします。2〜3周触れたら、定着度によってそれぞれの知識を仕分けます。

①忘れることはないだろうという知識②覚えたけど忘れそうな知識③そもそも覚えられていない知識の3種類に分けます。自分の好きな印で構わないので、◯△×の印などで記録するのが良いでしょう。

このように仕分けておくことで自分が覚えていないものだけがひとめで分かるので、重点的に復習すべき内容にすぐ取り掛かることができます。

難関大のみで頻出!有機の構造決定

有機化学の応用問題として、構造決定に関する問題は難関大学で頻出です。構造決定の問題は化学の他の問題とは異質な難しさがあるので要注意です。

有機化学の官能基の性質や反応、反応の決まり(マルコフニコフ則、不飽和度など)など、ここまで学んできた様々な理論や知識を組み合わせて解く問題で、本質的な深い理解と細かい暗記が同時に問われ難易度が高く、難関大学受験者の中でも差がつく問題です。

旧帝大はもちろん、筑波大学や横浜国立大学以上、早慶などの難関大学では構造決定は頻出です。

構造決定専用の参考書が出版されるくらい難易度が高く特別な分野なので、理論・無機・有機化学の標準レベルまでが完成したら、夏から秋にかけて構造決定だけを得意にする時間を確保してください。

化学の全体スケジュールと時期ごとの作戦

化学の受験勉強を始めてから難関大学の合格点を取るレベルに到達するためには、どの時期に進めていくべきなのでしょうか?国公立の二次試験、または難関私立大学の個別試験で化学を使用する場合を想定してお伝えします。

高2の12月前後から本格的に化学の勉強を開始します。まず、理論化学のインプットから始めます。学校の授業内容を覚えていれば教科書の復習から始めるのがよいでしょう。もし授業の記憶がほとんど無いようであれば「宇宙一わかりやすい」シリーズや「ゼロから劇的に分かる」シリーズがおすすめです。

インプットの参考書で各単元の仕組みや性質を理解しながら、単元ごとに同時並行でアウトプットも進めます。単元ごとにインプットとアウトプットを同時に組み合わせて進めましょう。演習は、セミナー化学やリードアルファ化学など、学校で配られる網羅系問題集が必要十分で最もおすすめです。用語を答える簡単な問題から基本問題までを分野ごとに進めます。

理論化学は化学の半分程度を占めるので、理論化学の基本問題までを7〜8割解けるようになるまでに短くとも2〜3ヶ月はかかるはずです。基本問題までを定着させたら無機か有機を始めます。

無機化学や有機化学もインプットから始めて、理論化学と同じく網羅系参考書の基本問題までを7〜8割自力で答えられるまで繰り返します。ここまでで高3の夏休みに終わっていれば、旧帝大や早慶などの難関大学の合格最低点を十分に狙える状態です。


化学のスケジュールを立てる上であらかじめ気をつけておきたいのは、無機・有機の暗記を後ろ倒しにしてしまい、秋以降にまだ定着していない知識が大量に残っている事態になることです。

秋以降は重要問題集など難しいレベルの問題演習をはじめとして、志望校の過去問演習や共通テスト対策に多くの時間が割く必要があるので、遅くとも夏終わりまでには基本問題レベルまでを即答できるような状態が求められます。

こうして逆算してみると、インプットや演習だけに集中できる期間は9月までです。9月以降は知識の確認を定期的に行いながらも、国公立や難関私立大学の本番で出題されるレベルの問題や過去問を進めます。

おすすめの問題集

難関国公立やMARCHレベル以上の大学で合格最低点を取るための問題集は、重要問題集(数研出版)、標準問題精講(旺文社)がおすすめです。網羅系問題集からの移行にぴったりの問題集で、ちょうど次のステップとなる問題が揃っています。

大学のレベルごとの対策

共通テスト対策

夏以降に共通テストの過去問を解き始めてみると、点数が取れなくて対策方法に迷うかもしれません。実際、共通テストの過去問を繰り返しても思うように点数が伸びないパターンにハマる受験生も数多くいます。

学校や予備校などで「共通テストの基礎レベルを仕上げれば8割くらい取れる」と聞いたことがあるかもしれません。実際に共通テストの点数を予想するための基準はあるのでしょうか。

ここまで繰り返しお伝えしてきましたが、化学での基礎レベルとは理論・無機・有機の各分野で網羅系参考書を8割ほど理解・定着していることが目安となります。この水準まで達することができれば、各分野の理解や知識レベルでは共通テストでも80点を取れる力がついていると言えます。こうした各分野の理解と知識の定着に加えて共通テスト独自の方式に慣れることで共通テストならではの形式で求められる答え方を身につけます。

共通テストは正誤問題が特徴的な形式で、最近ではグラフ問題や実社会での化学の使用例なども出題されます。こうした共通テスト独自である、初見の状況に対して思考力が必要な問題は共通テスト対策以外で対策しにくい形式の問題です。

そのため、共通テスト模試の復習や共通テストの実戦問題集に掲載されている問題を解きながら慣れていくのが良いでしょう。

共通テストで高得点を取るためには、網羅系問題集で各分野の理解と知識を定着させてから共通テスト形式の演習で慣れる、という流れが王道です。

スケジュールとしては、11月中旬から12月頭から共通テスト専用の対策を開始します。

MARCH・関関同立など有名私立大学レベルの難易度と対策

MARCH・関関同立など有名私立大学の化学で合格最低点を取るためには、網羅系問題集のみで合格点を取るには少し足りないので、網羅系問題集に加えて難易度の高い問題集も使用しましょう。

例えば、明治大学理工学部では溶解度積や気体の溶解度を計算させる問題が出題されています。こうした問題はセミナー化学やリードライト化学など網羅系問題集では扱われていない範囲です。

そのため、重要問題集などの応用レベルの問題集のうち、難易度が低めの問題のみに絞って演習を積み重ねればMARCH・関関同立など有名私立大学でも合格点を取ることができます。例えば重要問題集であればA問題までで十分です。

MARCH・関関同立など有名私立大学の化学の特徴として、用語問題が多く出題されます。国公立大学の二次試験では用語系あまり出題されず穴になりがちなので、定期的に復習する機会を設けてください。

マーク形式だからといって侮ってはいけないのがMARCHの化学です。記述でも対応できるくらいにまで仕上げることを目指してください。

国公立大学の対策

国公立大学の二次試験では、ほぼ全ての問題が記述の回答形式です。

旧帝大志望の場合、理論化学分野では応用レベルの問題集(重要問題集など)の8〜9割は理解して定着している必要があります。それ以外の国公立大学では応用レベル問題集の半分ほどが取れていれば十分です。

無機化学に関しては、旧帝大志望であれば、反応式や物質の性質は隅々まで覚えておく必要があります。有機化学では、旧帝大志望であれば、ほとんどの大学で構造決定問題が出題されます。

有名な問題集の問題レベルが基準になるものの、その問題集の問題が解ければ十分という訳ではなく、例えば無機化学であれば教材に掲載されている化学反応式を8割ほど覚えていること有機化学であれば各官能基の性質や反応などをしっかり覚えて解けるような状態を目指すべきです。

また、計算問題では途中式を書く必要があるので、普段から誰が見てもわかりやすいように計算式を書く習慣をつけておく必要がある訳です。こういった対策も必要になります。

ここまで、難関大学の化学で合格最低点を取るための勉強法やスケジュール対策についてお伝えしてきました。化学は計算が多い科目でもありますが、暗記すべき内容も多い科目です。

分野ごとに求められる理解・知識と自分の定着度を常に比べて把握しながら勉強を進めていけば、難関大学の合格点を取ることができるのが化学です。

憧れの大学に合格するために、全体のイメージを持ちながら進めていきましょう!



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無機 宇宙一分かりやすい無機化学 セミナーなど網羅系問題集 福間の理論化学の講義 化学重要問題集
有機 宇宙一分かりやすい有機化学 セミナーなど網羅系問題集 化学重要問題集 化学の新研究


早稲田・慶應に合格するイクスタおすすめ参考書コース

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有機 宇宙一分かりやすい有機化学 セミナーなど網羅系問題集 化学重要問題集 化学の新研究


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土井万智

土井万智

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Youflex株式会社代表取締役。早稲田大学教育学部出身。2014年早稲田大学教育学部社会学科在学中に「大学受験業界の情報格差」を解決するためのサイト、イクスタを創業。累計2000万アクセス。
IT系スタートアップ企業で法人営業、Webエンジニアなどを務めたのち、2018年からイクスタに復帰。
現在はWebサイトやYoutubeなどのメディア運営と、オンラインの面談で受験生の独学を支援。東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県など首都圏を中心に、愛知県や兵庫県など、北海道から沖縄まで全国の受験生がオンラインのセッションに在籍している。
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理系の大学受験生はほぼ必ず大学受験の使用科目になる化学。理系の受験生にとって数学の次に重要な科目です。今回は大学受験の化学について、分野別の勉強法とおすすめ参考書を大学で工業化学を専攻...
イクスタ理系編集部     148 役に立った 
     記事更新日 2024.10.1