大学の応用化学科ってなにを学ぶところなの?現役の東京理科大生が教えます!
こんにちは!HIroshiです。
化学系学科の専門科目の核となる科目は、物理化学、無機・分析化学、有機化学、化学工学です。それぞれの科目がどのようなことについて学習していくのか説明していきます。
大学で化学系に進みたいという受験生はそれぞれでどのような勉強をしているのか参考にしてくださいね!
物理化学
物理化学とは、化学の対象である物質、あるいはその基本的な構成を成している化合物や分子などについて、物質の構造、物質の性質(=物性)、物質の反応を調べるために、物理学的な手法を用いて研究する学問です。
理論的な基礎として熱力学と量子力学、およびこれら2つをつなぐ統計力学を大きな柱とします。物理化学が扱う分野は、熱力学、量子化学、反応速度論、界面化学、電気化学、分光学、計算化学など幅広いです。
高校ではあまり学習していないことが多く、また数学的知識を多用するので初めは大変ですが、化学をミクロな視点、マクロな視点からとらえる上では重要な学問となります。
無機・分析化学
無機化学は、高校で学習した無機化学の延長線上にあります。化学結合や結晶構造、各元素の性質や化合物について学習していきます。ただし、化学結合や結晶構造については高校のときよりも難しい理論が多数出てくるので、初めて学習するときには圧倒されるかもしれません。
分析化学とは、試料中の化学成分の種類や存在量を解析したり、解析のための目的物質の分離方法を研究したりする化学の分野です。試料中の成分判定を主眼とする分析を定性分析といいます。
入試によく出る陽イオンの分離なども定性分析です。また、試料中の特定成分の量あるいは比率の決定を主眼とする分析を定量分析といいます。中和滴定や、酸化還元滴定も定量分析です。研究では、光やX線などを用いた機器分析がメインです。
有機化学
高校では、メタンと塩素からクロロメタンと塩化水素が発生するというように、反応物質と生成物だけを示してきましたが、このような単純な反応でも実際は数段階の複雑な過程を経て進行しています。
この過程が反応機構と呼ばれ、この反応機構を中心に学習します。もちろん、高校では扱わなかった反応も大学では多数出てきます。
研究では、目的とする生成物が安全かつ安価で高収率で得られる方法を考えていきます。最近では、生体と関連付けた研究が多くみられます。
化学工学
AとBを混ぜると、Cっていう物質ができるというものです。化学工学は、そのCという物質を大量生産するにはどうすれば良いのかを考える学問です。反応装置に何を使うとか、反応器の体積や形状だとか、原料の仕込み料や供給量をどうするとか言う操作条件などです。
化学工学は化学工業を対象に誕生しましたが、現在その応用は、化学工業の他にエネルギー、地球環境、新素材、バイオテクノロジー、医療、資源、リサイクルなどなど、多くの分野にわたっています。
興味のある分野に進もう!
化学と一言に言ってもその分野は多岐に渡ります。それぞれの分野ではどのような勉強をすることになるのかを前もって知っておくことで、より自分にあった学科選びをすることができます。
大学受験で化学を使う受験生へ
この記事を読んでいる人は、大学受験を控えた人が多いと思います。
大学受験で化学を使用し、難関大学を目指している受験生向けに勉強法とおすすめの参考書をまとめています。ぜひ参考にしてくださいね!