予備校に行けば成績が伸びるって嘘?成績アップのスピードを上げるための必要な考え方

土井万智(どいまさと)の編集室

今回は大学受験を行う上において、予備校やツールをどう使っていくかという問題について分析していきます。これまで通り予備校や家庭教師がある一方で、数年前に登場したスタディサプリや、オンライン予備校のようなシステム、個人が発信するブログサービスによって受験勉強の進め方は大きく変わりつつあります。

そのため、スマホで授業を受けたり参考書などを読んだりすることができなかった親や先生などの世代から、大学受験の方法は大きく変わりつつあります。そのため、今大学受験をしている世代は新しい大学受験の方法を探すことができるようになってきました。

かといって、大学受験を始めたばかりだと、どのようなサービスがあるかもわからないし、どんなことに注意すべきかもわからない人がほとんどだと思います。これまでネットでの大学受験サービスを展開してきたイクスタが、ネットをどのように大学受験に活かせるかをご紹介していきます!

その前に前提知識として、受験生が自分の今の実力より上の難関大学に合格するために必要な要素を覚えておいてください。

授業、情報、目標、場所、自己管理。

難関大学に合格するには上記5つの要素は欠かせません。イクスタではこれを5エレメンツ(ファイブ・エレメンツ)と呼んでいます。これらの要素が揃っているかを確認しながら、自分のレベルと第一志望校のレベルに合わせてどれくらい成績を伸ばす必要があるのかを判断していきます。

大学受験の5エレメンツ

授業

各科目のテーマや分野を分かりやすく解説する。未知のレベルから入試問題のギャップを埋めるためのプロセス。試験問題を解くための実力をつけることが主眼としておかれているが先生によっては情報やモチベーションアップのため激励をしてくれることも。ただ、授業以外の要素は先生によってバラバラのため、期待はせず、あればラッキーくらいの認識で良い。

情報

今の自分の状況から、志望校に合格するまでになにが足りていなくて、なにをどれくらい勉強する必要があるのかを明確にするためのもの。リアルな場で合格者に聞くのが一番効率が良い。ただ、合格者だからと言って全てが正しいわけではないので、冷静に自分の立場で受け取る必要がある。

また参考書情報や勉強法はインターネット情報で発信している人が多数。ただ、チューターのジレンマがあるため、これまでに3人以上の大学受験生を指導したことがある人からの意見を取り入れたほうがいい。

チューターのジレンマ

大学受験において、志望校に合格した大学生が、後輩の受験生を教える際に起きる問題。自分が成功した方法を信じすぎてそれだけが絶対の正解だと信じてしまう。実際は成績が伸びる方法は人によって色々なパターンがあるため、性格や環境によって最適なものを提案する必要がある。一方で大学受験生やチューター自身はチューターのジレンマに気付いていないことが多く、効果の低い勉強法を教える→信じるという関係性が固定されてしまう可能性も。このジレンマに陥らない解決法として、チューターのジレンマに気付いている指導者や、多くの指導実績がある指導者を探す必要がある。


目標

自分が大学受験をする上で目指すべき明確なゴール。大学や学部まで明確にする。その大学や学部を目指す理由が明確で、動機が強ければ強いほど勉強を集中して続けることができる。独学で大学受験を始めたばかりの人ほど、目標を明確にせずとりあえず始める、という状況に陥りがち。難関大学を目指せば目指すほど、身体的にも精神的に負荷がかかるため、目標が明確で理由が強くないと、途中でモチベーションが下がってしまう。

場所

勉強場所。平日は1日5時間、休日は1日10時間ほどの勉強時間を確保するための勉強場所。自宅、自習室、カフェなど、人によって集中できる場所は様々なので、自分にとって最適な場所をいち早く見つけることが重要。自宅は、移動にかかる時間や不測の状況がもっとも起きにくいため理想の勉強場所だが、実際のところ自宅で集中力を高め続けることができる人はそれほど多くなく、オススメは同じように受験勉強をしている人が多い学校や予備校の自習室や図書館。カフェやファーストフードショップでも勉強できる場所はあるが、一日中使うことは現実的には難しいため、気分を変えたり隙間時間に利用するくらいにとどめたい。

自己管理

受験勉強の計画や予定を立てるためのスキル。自分の現在の位置と目標の差を明確にし、それを埋めていくためはなにをすればいいかを計画していく。また成績以外にも自分の性格などを冷静に分析して、行動計画を立てることも求められる。


これらの5エレメンツのうち、自分はどの要素が足りていてどの要素が足りていないかを分析し、足りない部分があればすぐに改善するための行動をしてください。これを読んでいる時期が高3の5月だとしても遅くはありません。今日から改善してください。今からでも遅くないです。

予備校は授業を提供する場所

上記の志望校に合格する5つの要素のうち、予備校が提供するのはそのうちの授業・場所です。各科目に別れて、それぞれの科目で志望校の合格点をクリアするまでに必要なところを教えてくれます。

理解が難しい科目やテーマなどは分かりやすい先生からの解説によって、理解のスピードが高まることが多いです。また、自分でなにを勉強すればいいか分からない場合には、予備校のカリキュラムに沿って勉強していくことで、ある程度は安定して成績アップを狙えます。

ただ、リアルな予備校の場合には授業が行われる日時は決まっているため、自分の実力と予備校の授業日程が噛み合わないという事態が発生します。

オンラインや動画の授業であれば、自分の成績に合わせて授業を受ける間隔を開けたり、早めたりと柔軟に対応することができます。

リアルな予備校は先生のレベルに差があるため、自分にとても合う先生であれば様々な刺激を受けることができ受験勉強のモチベーションが上がりますが、そうでない場合もあるのでリスクがあります。

その点、スタディサプリは授業数こそ少ないものの、授業の質は安定しているので、予備校に授業のみを求める場合にはスタディサプリで主要科目に関しては難関大学の過去問演習を始めることができるレベルまでには持っていくことができます。

また、予備校はほとんどが自習室を持っているため、その自習室を利用するために入会するのもありです。ただ、予備校によっては自習室の満席率が高く、入学したものの実際は自習室が全然使えないという例も数多く存在します。自習室をたくさん利用することを想定している場合には、校舎のスタッフや現役の生徒に自習室の状況について念入りに確認してください。

また、予備校のスタッフとして志望校の合格者が在籍している場合には、各科目の勉強法や過去問対策など、多くのノウハウを聞くことができます。前述のチューターのジレンマが存在していることに注意しながら、合格者のノウハウを吸収することは、大学受験の効率を高める上でとても効果があります。

大学情報や参考書情報・勉強法はネットですぐ調べる

大学受験において調べてわかる情報も数多く存在します。特に大学・学部の情報は各大学がホームページで最新の情報を公開しているためぜひ参考にしていただきたいです。

また参考書情報も大学受験経験者がブログなどで公開していることも多いため、参考にすることができます。ただ、匿名であまり調べずに書いている場合も多いので、信頼できるメディアをいくつかに分けて、お気に入りのメディアから情報を取るようにしましょう。また、個人名を公開している場合は記事に責任を持っている場合が多いので特に信頼できるでしょう。

また、身近にいる大学生よりも大学受験サイトやブログの書いていることの方が正しいこともあります。

リアルとネット、どちらの情報も鵜呑みにするのではなく、どちらが正しいのかを冷静に吟味して、自分にとって正しそうな情報を見極めて行動計画に落とし込んでください。

術は自己管理こそが大学受験の結果を左右するもっとも大事な要素

大学受験の5エレメンツにおいて、もっとも受験生の成績アップに関わるのは自己管理の能力です。具体的には、目標と自分の差を冷静に捉え、その差を埋めるための勉強計画を立て、それを着実に実行できる、ということです。

自分が何を勉強すべきか、というのは意外と決めるのが難しく、多くの情報を集めないとなかなか答えを出すことができません。ほとんどの受験生にとって第一志望合格するための残された時間は少なく、余裕はないので、無駄な勉強はなるべく減らしたいです。合格するための最短の勉強量を見つける必要があります。

また最短の勉強法を見つけてもそれを実行していくには、日々不安定なモチベーションや気分をある程度安定させることが必要です。やる気がある時とない時で勉強時間や勉強の質に差が出てしまうと、伸びるべき成績にも差が出てしまいます。

多くの受験生や高校生(そもそも多くの人間)が不安定なモチベーションの中で生きています。そのような中で、メンタルを安定させる必要があるのが大学受験なのです。

自分はどのような時に気分が上がって、どのような時に気分が下がるのか。安定して勉強の質と量を確保するために必要なものはなんなのか。これらを毎日観察して、少しでも勉強量の質と量を確保できるように一日の過ごし方を改善してください。

イクスタは独学の大学受験生を応援しています。

独学の大学受験に対しての考え方はこちらも参考にしてください。

予備校に通わず独学するのが不安な受験生が知っておくべき4つの知識

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