9月以降に過去問を始めるタイミングと何年分解くのが正解?

こんにちは、早稲田大学教育学部出身 イクスタ代表・イクスタコーチ/土井万智(どいまさと)です!

イクスタコーチの受講生に送るお守りを受験直前の12月に東京の学問の神、湯島天神に買いに行きます


難関大学の合格に必要不可欠な過去問演習。「過去問が大事なのは知っているけど、何をどれくらいやればいいのかわからない」という方も多いのでは?イクスタコーチの受講生にも毎年疑問を持っている人がいるので、改めてご説明しようと思います。イクスタコーチの指導方針をもとにお伝えしていきます。


過去問演習はそもそも何のため?意外な盲点

そもそも過去問演習はなんのためにやるのか、簡単に確認しましょう。

① 志望校の出題形式に慣れることでそのテストで求められる力を理解し、その問題形式で得点できるようにする

② 採点して得点を出すことで、合格に必要な知識や理解の程度を把握し、その後の勉強に生かす

大まかに、過去問にはこれらの意味があります。「過去問やるのは大事だと知っているけど、漠然とやっているだけ」の受験生も多いので、上記の点は改めて理解していただきたいですね。言葉で整理してみて始めて、では過去問はこれからどう進めればいいのかがパッと見えてくることもあるでしょう。イクスタコーチの受講生でも、それぞれのプロセスや意味を言葉で明確に定義してあげることで、それさえ分かればあとは自分で考えられる、という人も多いですね!

では、過去問演習のこれらの意義を生かした上で、合格に少しでも近づくためには過去問演習をどう進めていけばいいのか。

過去問はいつどれくらいやればいい?

過去問は9月からやるべき」「過去問は共通テストが終わってからでいい」過去問を始めるタイミングに関して、いろんな情報を目にして戸惑うこともあるでしょう。なぜ、意見が違うのか。それは成績によってやるべき時期や分量が違うからです。大学受験に合格した人でも意見は様々。その受験生がある意味たまたま成功した方法であって、確実に正しい時期に過去問ができていたとは限りません。betterな方法であっても、ベストな時期とは限らないんですね。こうした誤解を「生存者バイアス」と言います。

過去問を始めるタイミングの分かりやすい指標

生存者バイアスを出来る限り排除して、過去問の本質的な役割を発揮させるために志望校の過去問をいつから始めるべきか、分かりやすい指標をご紹介しますね。

志望校の難易度センター過去問の得点率で始めるべきタイミングが分かります。共通テストは出題の品質が安定しておらず、私大や二次で求められる力ともあまり相関がないのでセンター過去問を使用します。センター過去問は各予備校のHPで20年前くらいのものまで公開されているので印刷して解いてください。


旧帝大・早慶の過去問を始めていいタイミング→センター過去問で安定して80%得点できるようになったら

旧帝大以外の上位国公立・March→センター過去問で安定して75%得点できるようになったら

上記以外の国公立・上記以外の私大→センター過去問で安定して70%得点できるようになったら


個別試験で求められる力や合格最低点を考慮すると、過去問を始めるべき成績は上記のようになります。上記の成績を満たして、かつ理想は9月頭から過去問演習を始めることです。現役生の場合は、学校がある期間は多くて週に3-4科目解く&採点&復習が限界だと思います。浪人生や学校がない期間は週に6-7科目がマックスの分量だと考えましょう。


もし上記の成績を満たしていない場合、過去問ではなくこれまで使ってきた教材で各科目の基礎理解、基礎知識の勉強をした方が結局合格率は高くなります。

最終的に志望校のセンター得点レベルを達成することができなかった場合、1月以降に第1志望-第3志望の各2年分の過去問と解いて採点します。自分の得点と合格最低点を見比べてどれくらい足りていないかをチェックし、合格最低点を取るまでに必要な得点と「自分の実力からは正解しなければいけなかった問題」を明らかにして、本番で類似の問題が出題されたら得点できるようになるための勉強をその後続けていきます。

1月以降は、過去問を分析した結果必要だと分かった勉強と、これまでの総復習の両方をバランスよく進めていきます。

過去問の分析を反映した勉強に偏りすぎると基礎がおろそかになりますし(意外と最後に大事なのは基礎です)、これまでの総復習だけだと入試問題のコツや慣れを得ることができませんので、両方のバランスを取ることが大事です。もし迷ったらこれらを半々で進めるといいでしょう。


過去問は何年分解くべき?

ここまで、過去問はいつから始めればいいかをご紹介してきました。では志望校の過去問は何年分やればいいでしょうか。

理想は10年分ともう1周の復習です。上記の成績を早めに取れていれば、10年分+もう1周の復習をする時間は十分にあります。ただ、9月頭の時点で全教科センター80%を得点できている受験生は、全受験生の0.5%くらいなので、該当者はそれほど多くはありませんね。

第1志望 10年分 4教科

第2志望 5年分 4教科

第3志望 5年分 4教科

仮に上記の分量の過去問を解くとしたら、トータルで80科目分。9月-1月までの5ヶ月でトータルで23週間あるとしたら、毎週4科目と、共通テスト前は共通テスト対策に時間を割り振るとしてちょうどこなせるような分量です。

志望校が少なかったり、個別試験の科目が3科目や2科目の場合にはもっと余裕のある計画になりますね。

あくまでもこれは理想の分量なので、自分の今の成績と比べて、過去問演習かこれまでの総復習のバランスが取れるような計画を作成していってください。


過去問対策には、時間配分を整理したり、合格点を取る感覚を掴む意味もあります。それらについては下記記事でご紹介しているので参考にしてください。

> 過去問演習を進める上で知っておくべき過去問の意義3ヵ条 - イクスタ

> 共通テストと二次試験の過去問を始める時期はいつ?時期別スケジュール - イクスタ

> イクスタ代表・イクスタコーチ/土井万智(どいまさと)

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