鎌田の理論を最大限活用する方法
大学受験化学において「鎌田の理論」は非常に人気の高い参考書です。理論化学の標準レベルの市販参考書として最も有名なもののうちの一つではないでしょうか。
この記事では、独学の受験生が鎌田の理論を使って化学を効率的に伸ばす方法をご紹介します。
上位国公立以上の大学を目指している受験生を想定しています。
鎌田の理論の特徴と魅力
「鎌田の理論」は理論分野の講義と本書の中での「必須問題」の解説に特化した参考書で、理論化学を得意分野にしたい受験生にとって最適な一冊です。
化学において理論分野は最も重要かつ差がつきやすい分野であり、この参考書は学校の授業や他の参考書よりも分かりやすく学べるよう工夫されています。
特に以下のような受験生におすすめです:
◯ 授業は一通り受けたが記憶が曖昧になっている
◯ 復習しながら入試レベルに進みたい
◯ 理論化学のメカニズムをしっかり理解したい
◯ 上位大学を目指す上で必須問題を確実に解けるようになりたい
この参考書を使いこなせば、理論分野の共通テストレベルで3〜4割程度のところから6割程度まで実力を伸ばすことが可能です。
構成とレベル
「鎌田の理論」は理論分野のみに焦点を当てた参考書です。理論化学を最難関レベルまで高めるには以下の4つのプロセスが必要ですが、この参考書は特に①と③の役割を果たします:
◯ メカニズムの理解
◯ 知識の暗記
◯ 典型問題の再現
◯ 初見応用問題への対応
化学はメカニズムの理解なしにパターン暗記だけで解けるようにはならないため、メカニズムをしっかり理解することが非常に重要です。
参考書の概要:
◯ 全320ページ、必須問題95問収録
◯ 1・2章(110ページ、26問):比較的簡単な内容、知識中心
◯ 3〜6章(200ページ、70問):酸塩基以降の難しい内容が充実
学習時間の目安:
◯ 1・2章:1周15〜20時間、3周で計40時間
◯ 3〜6章:1周50時間、3周で計120時間(メカニズムや計算が複雑で時間がかかる)
他の参考書と比較した優位性
「鎌田の理論」の最大の強みは以下の点にあります:
◯ 教科書では分かりにくい反応の仕組みや因果関係の流れが分かりやすく解説されている
◯ 「結局何が重要なのか」が言葉と図で時系列に沿って明確に示されている
◯ 特に難しい酸塩基以降の分野の解説が充実している
◯ 電池、反応速度、気体、化学平衡などの難解な分野を何度も分かりやすく復習できる
◯ 共通テスト60点以上を取るために不可欠な問題が厳選されている
教科書の説明が固くて分かりにくい場合や、セミナーなどの参考書で「なぜそうなるのか」の説明が省略されて理解しづらい場合に特に効果を発揮します。
効果的な使い方
「鎌田の理論」は以下のような使い方がおすすめです:
◯ 授業を一通り受けた後、全体の重要ポイントを復習しながら入試レベルに進みたい場合に最適
◯ 完全な初学者には難しいため、初学者は他の参考書と並行して使用することをお勧めします
◯ 知識系の問題は必ず教科書やセミナーなど他の教材で補完する
◯ 共通テスト75%以上を目指す難関大学志望者は、理論をしっかり学び直す目的でこの参考書を使い、終わらせた後に標準レベル以上の問題を別の参考書で解いていく
化学を入試レベルに仕上げるために併用すべき参考書
理論化学マスターのための4ステップに合わせて、以下のように併用するのが効果的です:
◯ メカニズムの理解
教科書(レベル3-7)
「宇宙一分かりやすい」(レベル1-5)
「化学の新研究」(レベル2-10)
◯ 知識の暗記
教科書
セミナー系問題集の知識確認問題
◯ 典型問題の再現
セミナー系問題集の基本問題・発展例題
新基本演習
新標準演習
◯ 初見応用問題への対応
重要問題集
セミナー系問題集の発展問題
鎌田の化学問題集
化学の新演習
「鎌田の理論」はメカニズム理解と典型問題再現の役割を担っているため、他の参考書と組み合わせることで、理論化学を総合的にマスターすることができます。
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