チャラいと言われがちな慶應義塾大学商学部の実態とは?現役2年生が語ります!
こんにちは。慶應義塾大学商学部2年生の塚原です。
今回は、一部から「チャラ商」「バカ商」と言われてしまう商学部について、在校生の私が受験のことから大学生活まで、実情を皆さんにお話ししたいと思います。
入試
難易度
商学部は2通りの入試形態(A方式、B方式)があります。偏差値はA方式で78、B方式は77(Benesse マナビジョン)となっており、私文の中で最高峰ですが慶應の文系学部の中では法学部や経済学部より1~4ほど低いので、比較的入りやすい学部と言えます。
科目
前述の通り、商学部の入試にはA方式とB方式の2通りがあります。A方式は数学が必須、B方式は数学がない代わりに論文テストというこの学部独自の科目があります。定員はそれぞれ480人、120人。倍率はそれぞれ2.7倍、8.0倍です。こうやって見ると、文系学部なのにB方式の人にはちょっときびしいように感じますね。
勉強法
わたしはB方式の英語・世界史・論文テストで受験しました。この3教科について勉強法を少しご紹介したいと思います!
英語
商学部の英語はとにかく時間がないです。
800wordsレベルの長文の大問が3つ、文法・語法・単語力を問う大問が5つあります。
90分で合計8個の大問を解ききらなければいけないのです…
単純に計算しても、大問1つにつき10分ちょっとしかかけられないことになりますよね。でも、800wordsの長文で設問も8つある長文の大問を10分で解くなんて到底無理です。
私の場合は、最初の長文の大問に20分ずつ、合計60分かけていました。そのあとの5つの大問は各5分ずつにし、5分余るように時間設定をしていました。見直しの時間もなく、5つの大問を各5分で解くというのは無茶に思えるかもしれませんね。
しかし、大問が8つといっても、長文以外のものは頑張れば5分で解ききることができる分量です。設問の数は4~7問ですし、難解な問題でもありません。例えば、「80words位のパッセージをまとめると、どんなことを言っていましたか?」というように、きちんと文脈を追えていれば解ける問題などが出ます。
このような商学部の英語を解くうえで大切なチカラは速読力と文脈力です。
文脈を押さえながら、なるべく早いスピードで読んでいく。そして正確に設問に答えていく。それが慶應商学部から求められている英語力なのです。
世界史
世界史は、とにかく流れをつかむことと、事柄と事柄のつながりを理解することが重要です。
慶應商学部の世界史では、経済や社会などの「慶應商学部に入学する君に知っていてほしいこと」を切り口に、長いスパンで見たテーマ史について問われることが多いです。例を挙げると、”情報伝達”を切り口にルネサンス期から現代までの歴史全体を設問にしています。ここで注意したいのが、情報伝達を切り口にしていても、設問では「どのような出来事が起こり、それによって世の中でどんなものが必要になり、新しい発明がおきたのか。その発明で人々の生活はどう変わり、その影響はどのような出来事に結びついたのか」と、関係する事項からどんどん話が膨らんでいくということです。
確かに広く深い理解が必要なのですが、その反面、重箱の隅をつつくような細かい知識が問われる問題はほとんどありません。ですから、山川の世界史辞典でレベル5のものまでは覚え、正確に深く理解することが必要です。世界史が得意な人におすすめの勉強法としては、過去問などを解く際に出てきたキーワードの関連項目を思い出せる限り書き出して、それが全てどのようにつながっているかを説明するというやり方です。また、世界史があまり得意でないという人は、ある重要事項が次に起こる重要事項にどうつながっているかだけでも説明できるようにしてみましょう。過去問がぐっと解きやすくなりますよ。
また、もう一つ言える点としては、受験生がおろそかにしてしまいがちな1990年代から2000年以降からも毎年出題されるということです。商学部という学部の特徴としてどの大学でも古代よりは近現代以降が出題されやすいですが、2000年以降が出題されるのは珍しいと思います。見落とさないようにしておきましょう!
論文テスト
論文テストってなんだ?と思う人も多いと思います。小論文ではなく、論文テスト。内容が気になりますよね。
大学側からすれば、「論理的思考力を問う」狙いがあるようです。B方式では数学が課されないため、ザ・文系脳の受験生が集まります。ですが、慶應商学部からすれば「数学はできなくても論理的思考力は持っててもらわないと困りますよ」ということなのです。
試験内容は、毎年変動がありますが大問が2,3個あり、そのうち一つは数1Aの内容を絡めてきます。確率の分野から出題されることが多いので、復習しておくようにしましょう。大問の内容としては、商学部で研究されていることについての論文から出題されることが多く、対策しにくいのが現実です。ですが、基本的には筆者の言いたいことを簡潔にまとめる力や文を論理的に理解する力を問われており、国語に近い感覚で対応することができます。また、「30文字でまとめなさい」など短い文章でポイントだけを押さえて述べる設問が毎年出ているので、天声人語を段落ごとに要約するといった訓練をしておくと役立つと思います。
授業を受けていると、あの年の論文テストの問題この教授が作ったんだろうな、としばしば思います。こんなことを研究している教授がいるんだ、と楽しみながら過去問を解いてみることをお勧めします!
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学部紹介
何を勉強してるの?
まず、1・2年生は日吉キャンパス、3・4年生は三田キャンパスと、学年によってキャンパスが変わることは知っているでしょうか?日吉キャンパスでは基礎・外国語・一般教養、三田キャンパスは多くの教授が在籍していることもあって専門的な授業やゼミが行われています。皆さんも、入学したらまず2年間は日吉で商学部の勉強の基礎となる授業や英語・第二外国語、興味のある一般教養の授業を受けることになります。
では、商学部の勉強ってどんなものなんでしょうか?それは、主に「経営学」・「会計学」・「商業学」・「産業と経済」4つの分類に分けられます。1・2年生のうちに、必修科目・選択必修科目でこれら4つの分類の基礎を学びます。1年生のうちに4つの分類を全てかじることができるので、2年生の選択必修科目では興味のある分野を選んで履修することができます。
ゼミ
そもそもゼミとは?
一人の教授の下で、同じ分野に興味を持つ学生が
- 専門的知識を教わったり
- 自分なりの問題意識を見つけて研究をしたり
- プレゼンテーションやディベートを通して自分(自分たち)の意見や研究結果を発表する能力を高めたり
する場です。
どんなゼミがあるのか?
商学部の4つの学問領域に基づいて、約50のゼミが開講されています。
企業経営や会計論、消費者行動や経済学、公共政策や交通など、ゼミでできる勉強は多岐にわたります。ゼミによっては、常にゼミのことを考えてないと追いつけないほどハードなものもあれば、ゼミとサークル・アルバイトなどを両立できるようなものもあります。
どんなゼミに入るべきか
多くの教授が多様な学問を研究なさっているので、自分が興味のある分野の中からピンポイントに学びたい事をやっているゼミを見つけることができるでしょう。ですが、ゼミを選ぶ2年生の秋の段階では、そこまで自分の興味を絞り込めていない人が多いです。「何を学ぶか」ももちろん大事ですが、「誰とやるか」という点も活動をするうえで重要な要素だと思うので、自分に合う雰囲気のゼミというのも、選び方の1つだと思います。
授業
日吉での2年間で核となる以下の3つについて詳しくお話します。
第2外国語
ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語から選びます。例年、ドイツ語・フランス語は履修人数が少なく、スペイン語・中国語に人気が集まる傾向にあります。第2外国語に力を入れたい人は、インテンシブコースというコースを選ぶこともできます。
私自身スペイン語のインテンシブコースを履修して、宿題の量は多くて大変でしたが、周りの勉強への姿勢などに感化されたり得るものが大きかったです。
必修科目
1年生では「基本簿記と財務諸表の見方」「微積分」、2年生では「統計学」があります。文系なのに入試で数学利用の方式の募集人数が圧倒的に多い理由はここにあって、B方式(論文テスト)で入学した人や数学が苦手な人は苦しめられます。
選択必修科目
この選択必修科目でやっと商学部っぽい勉強をすることになります。経営学・応用簿記・商業学・経済史などが1年生で履修できるので、2年生では興味のある分野に絞って選択することができます。また、同じ「経済史」という授業でも、先生によって日本経済史だったり世界経済史だったりと内容に違いがあります。
ほかにも一般教養の授業では、自然科学系から最低6単位は取らなくてはいけなかったり、体育・社会学・法学など学部の垣根を超えて興味のある授業を履修することができます。
時間割
慶應はSFCを除いて、学年の初めに春学期・秋学期両方の履修を組まなくてはならず、秋学期になって変更することは原則できません。そこに気を付けて履修を組む必要があります。
商学部では1年生は忙しく、2年生は少し楽ができる履修体系になっています。
2年生では、組み方によっては全休(1コマも授業がない日)を作ることも可能です。
学費
授業料
私立大学なので、それなりに高い金額がかかります。昨年度は入学金が20万円、授業料が84万円、その他在籍料など合わせると初年度納入金は約130万円でした。
奨学金
上記の授業料を見て「高い…」と感じる人もいるでしょう。ですが、慶應は特に給付型の奨学金制度が整っています。学内の制度や卒業生の同窓会である“三田会”による奨学金もたくさんあるので、活用しましょう。
就職
大学全体の傾向として縦のつながりが強いので、OB・OGに相談しながら就活をしている人が多いようです。
どんな職に就く人が多いか
商学部を卒業した人は金融・保険、製造業、情報通信業に多く就職しています。また、出身大学別の公認会計士試験合格者数は36年連続で1位で、在学中に合格してしまう人も結構います。
留学
国際センター
慶應の国際センターのURLです。これを見ると、大学に入ってから留学するためにはどれだけの成績をとらなくてはいけないのか、どんな国、どんな大学に留学できるのかがわかります。大学生活にも交換留学という目標があると授業に一層集中できるので、入学後のイメージを膨らませてみてください!
留学の制度
1年間の交換留学や夏季、春季休暇を使った国際交流プログラムがあります。
交換留学の場合は休学をせずに4年間で卒業できますが、1年間の語学留学の場合は休学していくことになるので、卒業が一年間遅れてしまいます。
どれくらいの人がどんな大学に行けるの?
123校の海外のトップレベルの大学と交換留学の協定を結んでいて、毎年100人ほどの学生が交換留学生として留学しています。大学外の奨学金や私費での留学も盛んで、こちらでも200人ほど海外で勉強しています。
まとめ
慶應義塾大学の商学部について、皆さんのイメージは変わったでしょうか?
福澤諭吉先生の実学の教えに基づいた商学部での勉強は、社会に出る前に身に着けておきたいものばかりです。
慶應の中でも入りやすい学部なので、興味がわいた方はHPなど確認してみてくださいね!
参考ページ
【主要大学の基本情報】学部ごとの偏差値やセンター得点率、学費などを一覧でチェック。
*この記事は慶応学部特集の記事です*
慶応学部特集では早稲田の各学部について学部の紹介しています。
イクスタのどいまんです。早稲田大学教育学部、大手予備校、イクスタ創業、一般企業勤務を経て、2020年9月よりオンラインの家庭教師・コーチング・トレーナーを開始しました。
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