大学受験を始めたらまず何よりも先に志望校の過去問を開きましょう
これから受験勉強を始めるという君たちにまず言っておきたいこと、それは今すぐ赤本を開け、ということだ。たとえまだ4月であったとしても、まだ基礎勉強の段階にあったとしても、まずは第一志望の大学の赤本を開いて中身を見てもらいたい。
受験勉強の最終目的はもちろん志望校に合格することだが、より具体的に言うと「志望校の入試問題を解けるようになること」だ。だからまず初めにやるべきことは、「自分が何を解けるようになっていなければならないか」を知ること、そして「解ける自分になる」ことを強く決意することだ。
受験に必要とされる勉強量はかなりのものになる。大手予備校では、一日の授業時間が約5時間あり、それに加えて授業の予復習などで3時間以上の自習が求められている。入試直前の2ヶ月間は毎日12時間以上勉強するのが当たり前になる。一人で勉強する場合もこれは変わらない。
ここまで勉強量が多いと、日々やることが多すぎて目の前の問題を解くのに手一杯になる。すると何をどこまでやればいいのか分からなくなり、やる気を失くしたり、無駄な勉強を繰り返したりしてしまう。
なぜ赤本を早いうちから解く必要があるのか?
受験勉強の早い段階で赤本を見ることで、何をすればいいのか、何のために今この勉強をしているかの具体的なイメージが掴める。赤本の問題は、言わば受験勉強の完成図だ。完成図の具体的なイメージは日々の勉強の指標となり、モチベーションと効率を高く保つのに非常に有効なのだ。
受験に失敗する受験生のパターンとして、「まだ過去問を解くレベルまで学力が達していないから」という理由で赤本を開くのを先延ばしするというのがある。「勉強していれば、いずれ学力が高まり過去問を解けるようになる」と考えているのだが、これは大きな間違いだ。赤本を解かずにして赤本を解けるようになることなど絶対にない。解けなかった問題を確認して自分に何が足りないかを知り、そこを重点的に復習することで、赤本は解けるようになるのだ。
確かに過去問を解けるレベルになるのは受験勉強の終盤になるので、実際に赤本を解きこなすのは本番の2ヶ月前からでも良い。しかし、2ヶ月前に初めて赤本を開いて、その時まるで赤本を解けないということに気づいても手遅れだ。だから、赤本を解く前に、まずは過去問を解けるレベルを知るために赤本を開いた方がいい。受験勉強を始めたばかりで、まだ基礎的なところを勉強しているという状態でも、とにかく赤本を開いてみよう。この時期ならば、まだ問題は解けなくて当然であり、また解く必要もない。どんな問題が出題されているかを見るだけでいい。
早いうちから自分のゴールを見定めておく
重要なのは、本番に解かなくてはならない問題のレベルを知り、「その問題を解ける自分」をイメージすること、受験勉強のゴールをはっきり認識することだ。これから始まる、もしくはもう始まっている長い勉強はそのイメージに近づくための作業なのだ。
長く苦しい受験勉強では、何をしたらいいか分からなくなり、モチベーションが下がる時が必ずある。その時は赤本を開いてゴールの場所を確認するといい。はじめの決意も蘇ることだろう。赤本は、受験勉強のゴールであると同時に、立ち返るべきスタート地点であるのだ。