2018年度大学別志願者数ランキングから紐解く〜有名私立大学は志願者数増加傾向!?〜
みなさん、こんにちは。
今回から不定期(週1くらい)で大学受験にまつわるニュースや記事を個人的な視点を含めて、覗いてみたいと思います。
私の簡単なプロフィールは、記事の最後に記載しておきますが、大学受験というものにかれこれ4年ほど関わり、今は企業経営に関わる仕事をしながら、このイクスタにも関わっています。
まだまだ不勉強な部分も多く偏った考えになることもあるかと思いますので、ぜひみなさんからの意見も含めて、いずれは議論できるような場になればと思っております。
本日は、東洋経済オンラインより「最新!「志願者数が多い大学」ランキング100」という記事から、現在の大学受験の実態を覗いてみたいと思います。
年々、上昇を続ける大学進学率は2018年度で57.9%に上っています。
(参考:2018年度の大学・短大進学率、57.9%で過去最高に/大学ジャーナルオンライン)
中でも近年志願者数が増加傾向にある私立大学。その原因として大きくあげられるのが文部科学省が打ち出した大都市圏の大学の合格者削減(定員に近づける)の施策。これによって、受験生は滑り止めとして受験校を増やす動きをとらざるを得ないという事象が起こっているようです。当然受験生の心理的には、これまでよりも合格者の母数が減るわけですから、1つでも多く受験をして、合格を勝ち取ろうとする動きは必然のように思えます。
ただその動きも少しずつ収束を見せており、早稲田大学でも新しく田中総長が就任し、就任時の記者会見で学生数の定員を減らす方針を見直す方向で検討していることを明かしました。
ですが全体を見渡すと、有名私立大学の志願者数は軒並み増加しており、入試方法の多様化もあと押しをする形で競争の激化は続きそうだとの見込みです。とくに早慶の滑り止めとしてMARCH、MARCHの滑り止めとして日東駒専クラスの私立大学は幅があるものの増加しており、偏差値分布でいくと50〜60クラスのいわゆる中堅大学は大幅な上昇傾向にあります。
各大学、もちろん最終的な定員割れは避けたい一方で、上位大学で合格者が減れば必然的に今までワンランク上の大学に流れていた学生を確保できるチャンスでもあり、うまく大学の魅力を発信することができれば、それだけ優秀な学生を確保できるという見方もできるでしょう。その意味ではここ近年、毎年出願者ランキング1位に入っている近畿大学の取り組みは注目すべきですね。
今の時代学歴が全てではなくなってきていますし、社会人になってしまえばあまり関係ないのは周知の事実です。なので受験校の出願にあたっては、滑り止めの大学でもしっかり調査をして、その大学の強みや特徴を把握し、ユニークな取組や挑戦を応援しているような大学を選ぶことはすごく重要になっています。
ですが社会人の視点から見ても、確かに就職活動上では偏差値が高い大学にいけば行くほど、有名企業に入れる確率は高まることは紛れもない事実ですし、企業側から見ても国際競争力が激しくなっているだけにできるだけ優秀な学生を集めたい意向が年々高まっていることもあり、それであれば確率論で有名大学の学生にアプローチしていきたいのも事実です。
学歴フィルターをかけているとは言わないですが、やはり企業側の視点に立つと数万件の応募すべてに目は通せないので、学歴でみていくケースは致し方ないと思います。実際、某超有名企業の人事責任者と話していて、大学の名前だけで優秀か決めるわけではないけれど、優秀な学生の比率が多いのでやっぱり上から順番に見ていかざるを得ないという苦悩もあるようです。
そのあたりのバランスも見極めながら、単純に世間の流れで出願校を増やしたり、安直に志願者数が減っている大学を穴場だと思うことなく、一校一校丁寧に調べてみることをおすすめします。あくまでも事象として有名私立大学の志願者数が増えているだけなので、自分のやりたいことや行きたい大学への想いはぶらさずに貫くことをおすすめします。
執筆者プロフィール:中央大学卒業。大手予備校にて毎年50名近い受験生を担当し、難関国立大学から有名私立大学の合格をサポート。現在は企業経営に関わる仕事として新規事業や経営改革に関わる仕事をする一方で大学受験に関わる仕事もしています。