慶應の物理で8割を取るためのおすすめの参考書と理解の手順とは?
みなさん、こんにちは!竹内です。
今回は慶應義塾大学の物理で合格点を取るための攻略法を紹介します。
理系受験の中では物理選択をする受験生が多いかと思います。ということで、物理を選択し慶応大学を受験する方向けに慶応大学理工学部に現役合格した私の体験談も併せて紹介していこうと思います。
慶應義塾大学 物理はどんな問題が出題される?
慶應の物理は大問3つ、得点は100点満点で試験時間は理科2科目合わせて120分です。そのため物理の時間を55分や60分にするという風に調整できます。出題分野は力学、電磁気、波動、熱力学、原子です。慶応大学の物理の大問別の特徴を以下に載せます。
大問1:力学が出ることがほとんど。振動や惑星の運動など様々な問題が出る。2つの物体に注目することが多く状況が複雑。
大問2:電磁気が出ることがほとんど。電磁気の中でも電気が流れている導線レール上で導体棒を動かす問題が頻出。
大問3:波動、熱力学、原子の中から1つ出る。
全体の難易度は標準だが計算がとにかく多い
全体としての難易度はそこまで高くなく、頻出分野であることが多いです。しかし、計算量が多く理科2つ合わせて120分なことから物理にかけられる時間が60分前後なため素早い問題処理能力が必要です。また、文字がたくさん出てくるため文字を間違えたり書き忘れたりしないようにすることも大事です。それぞれの大問は最初の方は基礎的な問題で、すぐ答えが出ることが多いので大問1~3の最初の小問をまず解き、残りの時間を解けそうなところから解いていくというやり方がおすすめです。
力学は中でもやや難しめです。2つの物体に注目して解くことが多いためそれぞれのエネルギーや速度などを考えなければならないのでとても複雑になります。力学はやはり運動方程式、エネルギー保存則、運動量保存則を用いて式にして整理していくことが大事です。
電磁気は標準~やや難しめです。電磁気には抽象的なものが多いですが、電磁気の公式を使えるように練習をし、それぞれの物理的意味を理解すればかなり解けるようになります。
波動、熱力学、原子は標準ぐらいの難易度で頻出問題がほとんどです。そのため頻出問題を解けるように練習すればほぼ解けるようになります。
問題量が多すぎて初めはほぼ解ききれない
先述の通り慶應の物理は計算量が非常に多いです。さらに時間もあまりかけられないため時間に追われます。
私は10月あたりに慶応大学理工学部の過去問を解き始めたのですが、最後まで解ききれませんでした。素早く解かなければならないのに1つ1つじっくり考えてしまい時間配分を間違え、化学に使う時間も少し減ってしまったりしていました。さらに計算力があまりなかったため文字を処理しきれずに計算ミスをよくしていました。
物理は結果のみで点数が決まることが多いため計算ミスをしたら即間違いで部分点なしなので点数が低く、4割以下しか取れないことがほとんどでした。もともとは物理が得意なわけではなかったので模試でも5〜6割ほどの点数で、判定は高1から高3の真ん中あたりまでほとんどE判定でたまにD判定という感じでした。
慶應の物理で合格点を取るための対策とおすすめ参考書と勉強法
まず対策したことは様々な物理の状況に対応でき物理の公式を使えるように、問題演習をたくさん行いました。物理には様々な状況があり(特に力学)柔軟に対応できればできるほど入試物理でも有利に戦えます。そのため、問題演習をたくさん行うことで問題に対応できる力が上がるので初見の問題が減り、もし初見の問題を解くときでも引き出しが多いためかなり解けるようになります。
物理の公式はたくさんありますが、ただその公式を覚えるだけでは点は取れません。実際に問題を解きながら公式の使い方を学習する必要があります。さらにその公式が物理的に意味していることを理解することでさらに問題が解けるようになります。
例えば、エネルギー保存則は力学や電磁気学など様々な分野で出てきますが、ただその式を覚えるだけでは意味がありません。変化前のエネルギーの総和と変化後のエネルギーの総和は等しいという物理的な意味を問題を解きながら理解することで応用の幅がとても広がります。
慶応の物理の過去問を解けるようにするためにした対策としてはとにかく解くスピードを速くすることと計算ミスをしないような計算力をつけました。
先述の通り理科2科目で120分で化学は数値計算が多いことと、私がどちらかというと化学の方が苦手だったことから物理には50分〜55分しかかけることができませんでした。ただでさえ計算量が多い慶応物理なので時短は大変でした。問題演習をするときは制限時間を設定して解くことで解くスピードを上げ、計算ミスに関しては「次元解析」というものを使って減らしました。「次元解析」とは簡単に言えば等式の両辺の単位が必ず等しくなることを使って計算ミスを確認することです。
計算ミスを減らすための次元解析とは?
例を挙げると、速度の単位は[m/s]です。したがって速度を求める問題の際は必ず単位が[m/s]にならなければなりません。極端な例としては速度を求める問題で答えがMg(Mは質量[kg]、gは重力加速度[m/s²])と出たらMgの単位は[m/s]にならないため計算ミスをしているとすぐわかります。これを使うことで慶応の物理だけでなく共通テストなどの物理でも計算ミスしていないか確認ができます。
これらの対策の成果もあってか、4割ほどしか取れなかったのが過去問でも7割はほぼ確実に取れるようになり、本番では8割取ることができました!
点数の推移 4割→5割→4割→7割→7割→8割
模試ではB判定が取れるようになり、偏差値60を超えるようになりました。
この時使った参考書は「物理のエッセンス」、「良問の風」、「名門の森」です。
物理のエッセンスは基礎的な物理の参考書として有名な本です。物理の基礎的な知識がとてもわかりやすく載っており、例題や問題が乗っているため得た知識をすぐアウトプットすることができます。さらに公式の物理的意味も丁寧に解説してくれています。そのため初めて物理の勉強をする方に強くおすすめできます。私がこの参考書を使ったのは、物理が苦手科目であった高2の最初あたりでした。しかし、この参考書を3周ほどじっくりやることでどんどん物理ができるようになっていき、偏差値が50後半取れるようになりました。
良問の風は標準〜応用あたりの問題を解けるようになるのに適した参考書です。この参考書は問題演習をするための参考書で、問題がたくさん載っています。物理のエッセンスなどの基礎知識をインプットした人がこの参考書を使うことでそれらの知識のアウトプットとともに標準以上の問題と戦えるようになるためとてもおすすめの参考書です。この参考書を2周ほどすることで物理がだんだん得意科目になり偏差値60前半取れるようになりました。
名門の森は応用〜発展の問題を解くための参考書です。この参考書も問題演習をするための参考書で、良問の風よりレベルの高い問題(旧帝大、早慶レベル)が載っています。この参考書は物理を得意科目にしたい人におすすめの参考書で、あまり見たことないような複雑な問題が多いです。また、問題のすぐ後に解説が載っているため答え合わせがしやすいという利点もあります。この参考書を使うことで早慶などのハイレベルな問題も有利に解けるようになりました。
また、これら3つの参考書は同じ人が書いているため物理のエッセンス→良問の風→名門の森の順番でやることで知識を整理しながら進めることができるかと思います。良問の風や名門の森でわからないところがあったら物理のエッセンスで復習するというやり方もとてもおすすめできます。
慶應の物理で合格点を取るためにチェックし続けて欲しい3つの着眼点
慶応大学の物理の問題は計算量が多く大変です。しかし、しっかりとした段取りを踏んで対策をちゃんとすることで必ずできるようになります。ここで私が実際に行い、おすすめしたいことをまとめます。
①計算力をつけ、問題を解くスピードを上げる
②物理的な意味を理解する
③様々な状況に対応できるようにする
の3点です。このほかにも自分の課題などを見つけた場合は個別に対策してください。
物理の成績を伸ばすための記事やノウハウはこちらもご参考に!
> 物理の成績を着実に伸ばすおすすめ参考書と3つの勉強法を現役東大生が解説! - イクスタ
> [物理]ゼロから難関国公立に合格できる物理の勉強法を現役東工大生が伝授します - イクスタ
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土井万智(どいまさと)イクスタコーチ 逆転合格したい受験生専用のサポーター
IT系スタートアップ企業で法人営業、Webエンジニアなどを務めたのち、2018年からイクスタに復帰。
現在はWebサイトやYoutubeなどのメディア運営と、オンラインの面談で受験生の独学を支援。東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県など首都圏を中心に、愛知県や兵庫県など、北海道から沖縄まで全国の受験生がイクスタコーチで志望校に合格。MARCH受験者の90%以上がMARCHを確保。
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