慶應義塾大学の文系全学部の入試問題徹底分析!出題レベルと必要な対策とは?
初めまして、私は現在青山学院大学に通うそがしゅんです。
自分は残念ながら慶應には合格できませんでしたが、自分なりにとても努力し惜しいところまでいけたので今回は私のお話できる慶應受験対策に関して、余すところなくお伝えできればと思っています。
簡単に自身の経歴をお話しますと、埼玉の自称進学高校から現役時は早慶上智のみを受験し慶應文学部のみ補欠合格で得点開示したらあと7点でした。
得点内訳でいくと、英語が120点(150点満点)・日本史が73点(100点満点)・小論文が50点(100点満点)の合計243点でした(合格最低点は250点)小論文に足を引っ張られてしまいました。
浪人時は、慶應(文、商、経済、SFC)、青学(経済)、学習院(法、経済)、獨協(外国語-2科目方式)を受けて、慶應以外は全勝し、慶應は商学部だけ補欠合格でした。もう浪人する気はなかったので得点開示はしてないですが、自己採点するにあと2〜3点だったと思います。
結局、慶應には合格できなかったのですが浪人時は慶應の過去問を各学部20年分程自分で対策しましたのでこれからの慶應受験生に向けて自分の知識を活かしてもらえたらなと思っています。長くなりましたが、では実際に慶應対策に入っていこうと思います!英語と日本史と小論文について、出題傾向と受験全体を見たときのレベル、合格点を取るために必要な対策について詳しくご紹介していきます!
◇目次◇
慶應義塾大学の入学試験の種類と対策法
慶應義塾大学に入学するためには様々な受験方法があります。一般受験はもちろん総合型選抜や指定校推薦などなど、複数の方式で受験することで慶應大合格にグッと可能性を近づけられるかもしれないので検討してみましょう。
私の個人的意見ですが、同じくらいの入学難易度である早稲田大と慶應大を比較した時に総合的に考えた時に倍率が慶應の方が低いのは、小論文があるからだと思います。文系だと、早稲田は基本的には英語、社会、国語、(または数学)で受験するのに対し、慶應には国語という受験科目がなく、代わりにほとんどの文系学部で小論文が必要となります。(商学部のみ英語、数学、社会で受験可能)
私自身は国語が苦手だからという理由で慶應受験を選んですが、少し痛い目に合うかもしれない(実際に合った一人です笑)ので小論文は甘く見ないようにしてください!
一方で、慶應大学の受験は小論文のせいで敬遠する受験生も多いので、うまく対策することができればチャンスになります。小論文は勉強するのが難しいとも言われるのでしっかりとした勉強法を行う必要がありますが、他の科目よりも短い時間で実力をつけることが可能です。後半でお伝えします。
そんなこんなで割とお得な慶應大学入試、しかしさらに驚きなのは総合型選抜の倍率の低さです。例えば慶應法学部のF I T入試は、2倍強程度の倍率で受けることが可能です。それも一般入試の時期よりもかなり前にあるので受験しやすいと思います。
長くなってしまいましたが、以上が慶應大受験の概要です。それぞれ個人にあった受験方式を検討してみてください!
慶應義塾大学の各学部の出題傾向とおすすめの対策法
文学部編
英語
文学部の英語はとても個性的であるのが特徴です。一つの(年によっては二つの年もある)いわゆる超長文が出題され、それに関して問題を解く形式です。超長文と聞いて驚くかもしれませんが、時間は2時間あるため、私的にはゆっくりと解ける印象です。
現役の時、英語は8割取れたのですが、それでも30分程時間が余ったのを覚えています。文学部の英語は、速読はあんまり得意ではないけれど、構文把握や少し時間をかけてもいいからちょっと高度な単語や文章を推測、理解するのが得意な方におすすめです。
文学部の英語の試験では、英語に関する辞書(紙辞書)を二冊まで持ち込めます。文学部の英語長文は難解な単語が時々使われていますが、それらはその都度辞書で調べられるので焦る必要はないです。しかし紙辞書を頻繁に使っている受験生は少ないと思うので、受験の数ヶ月前から紙辞書を引く練習もしておきましょう!(意外とここを見落としている人も多いです)
問題としては、英文和訳や要約問題が中心として出題されるので、0か10かという風ではなく、部分点が取りやすいので比較的根本的な英語の実力が試されている印象です。英文和訳時のコツですが、例えばこの問題ではこの構文を問いたいんだなーとかイメージしながらやると良いです。
超長文ですが、問題にあまり関与しなさそうな部分(比喩や喩え等)は時間が厳しそうならカットしてもいいと思います。とりあえず、すぐに点数が稼げる問題から取り組み、要約等で飛ばした部分の要素が必要になったらその都度戻る形でもいいのではないかと思います。
21年の文学部に出題された英語問題の一部
日本史
文学部の日本史は記述も出題されるのが特徴です。単純な単語記述がメインで毎年基本的には2題程、内容説明等の問題が出題されます。
出題難易度に関して、基本的な知識が6〜7割ほどで、残り3〜4割が応用的な知識を必要とする問題です。合格最低点の平均が6〜7割程であることから、基本的な問題をくまなく取ることができれば合格点には届きます。
私立文系に絞っている方は応用もある程度抑えて欲しいですが、国公立併願者は、基本は確実にして応用は重要項目のみ学習する等でもいいと思います。しかし、記述が多めに出題されるため、漢字が苦手な方は早めに対策しておきましょう。
内容説明等の記述問題は『記述』と捉えなくとも、日本史の重要項目をしっかり理解できていれば割と対応できる部分であると思います。後半2題が歴史資料からの出題となっていますが、これらの資料を暗記している必要はなく、軽く目を通しておく程度でいいです。資料中にキーワードとなる単語等があったりするので、そのキーワードから何の資料なのか推測できるような技術が必要です。
21年の文学部に出題された日本史問題の一部
小論文
文学部の小論文は割とオーソドックスな出題が多いです。やはり“文学部”ということだけあって多少高尚な文章ではあるとは思いますが、割と小論文の中では解きやすい方です。時間は90分で少し長めの文を読み、その文章の要約と、その文章の論点を抑えながら自身の考えを述べる問題の2題構成です。
要約問題は小論文というよりかは国語力を試されていますが、文章自体はそれほど読みにくい訳ではないですし、何度も過去問をこなしていけば慣れると思います。過去問以外だと、国立大の二次試験の国語の記述問題等で対策すると良いです。この要約問題は、小論文のベースとなる知識なので確実に抑えておきたいです。
二問目の自身の考えを述べる問題に関しては、文章の論点を抑えた上で自身の考えを述べる問題です。より良い発想や思考に基づいて論述できるかどうかについては、文章によって多少の差異はあるとは思いますがこれも演習量によって安定したものにできます。
「小論文なんて差はつかない」と思っている方が一定数いるかもしれないが、私は実際に現役時代は小論文で低い点数をとってしまいましたし、周りの知人でとても高い点数をとっていた人もいました。小論文なんてやっても意味ないと考えるのではなく、「小論文で差をつけてやろう!」と考えると合格まで近づいていきます。文学部の小論文は割と時間的制約が厳しいので、速読できるように心掛けることを大切にしましょう!
21年の文学部に出題された小論文問題の一部
商学部
英語
商学部の英語は文学部の英語とは対照的に、とにかく速読力を求められる試験です。年によって多少構成は違いますが、長文3題+文法問題+空欄補充+短文読解+単語変形のようにとにかくボリュームが凄い試験です。
しかもこれを90分で解かないといけないので相当時間的制約が厳しいです。長文速読はもちろんのこと、英語の総合力も要されるので結構対策することは多いです。
そしてさらにこれだけボリュームがあるにも関わらず、長文の難易度も別に低い訳ではなく、経済等の専門的な文章が出されることもあり、それらに対する最低限の知識もないと結構苦戦すると思います。
商学部の英語対策としては、とにかくまずは長文速読ができるようになること、それに+αで経済等の専門知識も軽く抑えておくことです。過去問で出てきた単語を復習したり、あとは参考書だと『リンガメタリカ』はとてもおすすめです!リンガメタリカは経済関係の知識だけではなく、受験において役立つ幅広い知識を兼ね備えているためやって確実に損にはならないです。
それができたら文法や単語変形等、個別で対策していく必要があります。短文読解や空欄補充は過去問をこなしていけば割と対策できると思います。文法や単語変形の対策で有効な参考書としては『英文法ファイナル問題集 難関大学編』がおすすめです。
単語変形に関しては、各々が使っている単語帳で名詞系、動詞の過去形、過去分詞形をしっかり確認するようにしましょう。私は、『システム英単語』を主に使っていたのでそれで対策していましたが、他にもターゲット1900や東大英単語鉄緑会等も良いと思います。
21年の商学部に出題された英語問題の一部
日本史
商学部の日本史は、英語が甚だ難易度が高く感じられるのに対し難易度はそんなに高くないと個人的に感じます。こういったら語弊があるかもしれないですが、個人的にはMARCHレベルの日本史(一概には言えないが)の方が難しく感じました。
商学部の日本史は基本的に空欄に入る単語を語群の中から選ぶというのが主であり、うろ覚えとかでも正解を語群から選ぶことができたりします。しかし、紛らわしい単語がいくつか入っているので二択や三択になった時に確実に選択できるようにする必要があります。
2〜3割は記述で解答する必要のある部分があるので、漢字で書けるようにしておく必要も大いにあります。でも全体的に難易度はそれほど高くはないのでしっかり教科書や単語帳の語彙を抑えておけば合格点以上を狙えると思います。単語帳に関しては、日本史では超王道の『東進の一問一答』をおすすめします。私もこれを使用していて日本史は自己採点でも9割以上取れた記憶があります。
東進の一問一答は過去何年かの日本史の受験を徹底的に分析しており、最初の方のページに記載されている難関大学のカバー率を見てもらいたいですが、ほとんどの大学で95%以上カバーしていることがわかります。商学部に関わらず、日本史を受験する際にこの東進の一問一答の参考書は欠かせない一冊です。
22年の商学部に出題された日本史問題の一部
論文テスト
商学部は他学部とは異なり、小論文ではなく『論文テスト』という科目を設けています。これは、経済学部や商学部に入学した後に勉強するような内容が盛り込まれており、いち早くそういった内容に触れておいて欲しいという大学側からのメッセージです。
問題構成としては、文章中に空欄が空いており、そこに適宜語群から単語を入れたり、適切な単語や文章を書かせたり、簡単な(時には少し高度な)計算をさせたりします。論文テストは基本的には高校の授業では扱わないような内容が多いので戸惑う受験生は多いと思います。逆に言うと苦手意識を持っている受験生は多いと思われるので差をつけるチャンスです。
私も何年か過去問を解きましたが年によって難易度が大きく変動する印象です。出題範囲もいってみれば膨大なので、対策するにも膨大な時間を要します。
論文テストの対策ですが、論文テストは商学部独自で実施されているので対策に時間をかけても商学部にしか活用できないので、商学部を第一志望や優先的に考えているのならばしっかり対策すべきであるがそうでないならば必要最低限に抑えたいです。
優先的に考えていないのならば、過去問を数年程度解くだけで良いと思います。出題形式に慣れることと、ここ数年どんな問題が出てるのか把握することができます。過去問を解いて著しく点数が取れなかったりする場合は適宜対策が必要ですが、ある程度抑えられていそうならその程度で問題ないと思います。
商学部を優先的に考えている方はとにかくこの形式に慣れるために数十年程過去問を解くべきです。繰り返しで申し訳ないですが、論文テストは商学部独自の科目なので参考書や他大学の過去問で勉強することは難しいです。なのでとにかく商学部の過去問を解きまくり、時間があれば2周、3周とこなしていくと良いでしょう。それと出題傾向を分析し、よく取り上げられている考えや内容等はインターネットや書籍でも学習しておくとなお良いです。
21年の商学部に出題された論文テスト問題の一部
経済学部
英語
経済学部の英語は私立大学とは思えない問題構成です。長文3題と和文英訳問題、英作文問題となかなかボリュームのある内容となっています。ただ経済学部の長文はそこまで高度な単語は出題されない印象です。もちろんそれなりの語彙は必要ですが、語彙力というよりかは長文のテーマとなっている事柄をあらかじめどれほど理解しているかということが重要です。話のテーマをあらかじめ理解できていると英文を読まなくても文章を理解しやすくなり、英作文問題に取り組みやすくなります。
経済学部の英語は英作文が最も配点が高いとも言われているので、あらかじめテーマを理解しておくことはとても重要です。長文のテーマとなるのは、最近の科学技術やトレンドとなっていることなど学問的に取り上げられそうな最近の内容です。そのため、ニュースをみることはもちろん、ネットニュースなどでも適宜情報収集しておくと心強いですね!
商学部の時と同じく、『リンガメタリカ』で経済系の単語に目を通しておくと尚良いと思います。基本的にはシステム単語帳やターゲット1900等の語彙レベルで突破できると思いますので、自身にあった単語帳を漏れなくカバーしましょう。
長文はそこまで対策しなくても良い反面、和文英訳や英作文があるので負担が大きいです。国公立と併願して受ける場合ならば記述対策が重複することが多いのでそこまで負担にならないと思いますが、私立文系にとってはやや負担が大きいので意識して対策しましょう。
和文英訳はテキストを一冊2〜3周し、英作文は実際に過去問を使って時間を意識してやると良いです。英作文は先生に添削してもらうのが一番いいですが、厳しそうならオンライン添削や、最悪知人でも良いのでとにかく他人から評価をもらう癖をつけるようにしましょう。発音アクセント問題も出題されているので頻出率が高い単語に関してはしっかり抑えておきましょう!
21年の経済学部に出題された英語問題の一部
日本史
経済学部は総合的に国立型の入試と近く、他の私立大入試と比べ記述問題が圧倒的に多いです。経済学部の日本史は近代(1600年以降)が中心的に出題されるため対策範囲としては多少少なくて済みます。
しかし短文記述問題がそこそこ出題されるためしっかり内容を理解していなければならないです。でもそこまで怯えなくても、高難度の問題は基本的に出題されず、日本史において重要事項をしっかり理解していれば対応できる内容となっています。
日本史の教科書や参考書を熟読し、重要項目に関しては丸暗記するような勢いで勉強しましょう。図や年代並び替え、資料問題等、幅広い観点から出題されるので個人的には日本史の資料集を趣味感覚で読んでいけるようになるのが良いと思います!笑
一つ一つを丸暗記しようとすると大変ですが、趣味のように資料集を読むことができれば自ずとこれらの問題に対応できるようになっています。これらの問題に関しても頻出率が高い問題は決まっていますので、それらを重点的に対策すれば短い期間での得点率アップが可能です!それと近現代範囲については情報量も多くなりますし、純暗記が難しくなってくると思うので、積極的に動画やネット等を利用して楽しみながら勉強していきましょう!
22年の経済学部に出題された日本史問題の一部
小論文
経済学部の小論文は他学部と比べてそこまで分量が多くないので比較的取り組みやすいです。しかし時間的制約はなかなか厳しいのでスムーズに解けるようにしておく必要があります。
経済学部の小論文は他学部と比べ、論理性が見抜きやすいと私は感じるので短期間でもしっかりと対策すれば得点率を上げられると思います。当たり前ですが、小論文もやったらやった分だけ実力に繋がるものなので、疎かにせず取り組んでほしいです。
『小論文では差がつかない』とか『小論文なんかやっても変わらない』と思っている受験生が本当に多く感じます。もちろん英語や社会科目の方が配点は高いですが、当然どの受験生も英語や社会科目は勉強しているに決まっています。そうした時に「差がつくのはどこか?」と言われたら言わずもがなです。
英語や社会科目で他の受験生よりあと数点上げるのはかなり厳しいように見えますが、小論文なら比較的対策している受験生が多くないように見えるので点数を上げやすいです。どうか小論文を甘く見ず勉強を頑張って頂きたいです。
22年の経済学部に出題された小論文問題の一部
法学部
英語
法学部の英語は個人的に最難関である気がします。私の意見も世間的な評価も慶應の法学部は最難関の1つだと思います。東大合格者でも半分は落ちる、とも言われる法学部ですが、その難しさは総合的な英語の語彙レベルの高さにあると思います。
1問目は年によって問題内容が変わるが発音アクセントや語彙一般問題等、対策すべきことは多いです。他にも文法正誤問題が出題されたりし、幅広い分野からの対策を必要とします。
でも逆に言えば、この幅広い分野をしっかり対策しきれる受験生はそこまで多くないと思うのでしっかり対策することさえできれば、合格可能性はグッとあがります。他にもかなり高難度の単語類推問題やインタビュー形式の問題等、法学部独自の問題がいくつか出題されます。
単語類推問題に関しては、受験で必要な語彙レベルをしばしば超えているようにも感じますが、パス単準1級等までやり、あとはひたすら過去問で類推力をつける必要があります。単語を全て暗記するのは甚だ遠い道のりなので、類推力で勝負する方が効率的です。
法学部を優先的に考えている受験生はTOEICの単語帳や語彙レベルの高い単語帳を少しやっておいても良いのかもしれないです。
インタビュー形式の問題も初見だと少し戸惑うかもしれないですが、しっかり過去問演習しておくことでどこに目をつけて判断すべきなのかが次第にわかってくると思います。
法学部の英語は他学部以上にとにかく何度も何度も過去問演習をし問題形式や難易度になれることが重要です。最後の長文に関してはもちろんそれなりの難易度ですが、しっかり長文対策をしておけば得点できる箇所です!
21年の法学部に出題された英語問題の一部
日本史
法学部の日本史も高難度です。問題形式としては商学部の日本史と少し類似するところがありますが、商学部よりも難易度が高い単語が多い印象です。語群選択問題もそれなりの難易度がある一方で、正誤問題や年代並び替え問題がなかなか骨のある内容となっています。
事細かく日本史の内容を理解していないと解けないような問題が多く、基本的な勉強だけだと法学部の日本史に対応するのは甚だ困難です。法学部の日本史を受験するにあたって圧倒的におすすめなのは、日本史用語集を徹底的に読み込むことです。
他学部の日本史受験であると少しオーバーワークでありますが、確実にマイナスにはならないので早め早めにこういった対策をしていきましょう。用語集でも片っ端からやるのではなく、頻出率の高い事項から確認していき、他は軽く目を通すだけでもかなり違うと思います。
あとは法学部で出題される日本史のレベルがどれくらいのものであるか適宜、用語集等で確認しそのレベルを徹底的に分析するとともにどういった問題が出題される傾向があるか分析するのもかなり効果的です。
こういった分析を行なっていくにつれて徐々に得点率は上がっていきます。日本史の場合、暗記科目という特徴が強いので地道に地道に繰り返し反復勉強を続けていくしか無さそうというのが個人的見解です。
21年の法学部に出題された日本史問題の一部
小論文
法学部の小論文もこれまた、かなり骨のある内容となっています。問題構成としてはそこそこ長めの文章を読んで、その文章の要約と自身の考えを1000字以内で書くというものです。
出題形式としては文学部の小論文と少し通ずるものがありますが、文学部の小論文の題材よりも法学部の小論文の題材の方が少し事前知識を要する印象です。もちろん文学部の小論文も高尚であるのに変わりはないですが、事前知識がそこまでなくとも容易に理解しやすい内容に感じられるのに対し、法学部の小論文は基本的な歴史や経済等の知識が前提にないと文章を読むのが難しいです。
仮に文章はある程度理解できたとしても、自身の考えを述べるにあたっての材料がとても希薄なものとなってしまいかねないです。なので私は、日々のニュースはもちろん経済や法律等、基本的な事柄について自身で予め勉強しておくことをおすすめします。
時間がある人は片っ端から図書館にある本やネットの情報を読み漁っても良いとは思いますが、この法学部の過去問を数十年分を、解くか解かないかは別として題材を研究すべきではあると思います。どういった内容が近年出題されているのか、実際に読んでみての疑問点の解消等すべきことはたくさんあります。
こういった基本的な知識の取得は、法学部の小論文に活きてくるのはもちろん他学部の小論文を解く際にも有効的です。それと、前にも書きましたが本当に自分の書いた回答を他人に見せることが重要です。私は現役生の頃、他人に添削してもらうことなく自身の答案と解答例を照らし合わせて終わりにしていました。
これだと主観的な判断しかできないですが、答案採点は採点官によってされるので客観的なものにしなければならないです。そのためにはできれば国語の先生(さらに言うならば複数人)に添削してもらうのがとても効果的です。人生の大先輩から得られる知識はとても多く、知識だけでなく勉強法や考え方等学べることはたくさんありますので、様々な意見を取り入れて考えられるようになることを強くおすすめします。
21年の法学部に出題された小論文問題の一部
SFC(湘南藤沢キャンパス:総合政策学部・環境情報学部)
英語
総合政策学部と環境情報学部に関してはかなり問題が類似しているので総括してまとめます。SFCの英語は、長文が3題出題され、文章中の空欄に当てはまる単語を選択したり文章に関する設問が数問あります。3題目の文章だけ少し分量が多いものとなっています。
個人的には、2時間でこの分量はそこまで時間的制約は厳しいとは感じなかったです。空欄補充選択問題がかなり出題されますが、一つ一つにそこまで時間を要さないので比較的解きやすいです。
しかし、SFCは英語・小論文で受験可能なことから、なかなか難易度の高い語彙が使われています。そのため『パス単準1級』等で難易度の高い語彙をカバーし、あとは品詞や文脈類推の力も必要となります。単語をある程度暗記したら、あとは過去問を何年分も解けば次第に慣れていきます。文章に関する設問に関しては、基本的な長文読解力で対応できます。
21年の総合政策学部に出題された英語問題の一部
小論文
SFCの一番の課題点は小論文で、SFCといったら小論文、小論文といったらSFCと言わんばかりに、SFCは小論文がとても困難となるものです。
慶應の他学部と比べてもSFCの小論文が最も色々な対策が要される学部です。年によって問題構成が変わりますが、総合政策学部は基本的に今の情勢や経済等の資料を与えられ、それらについて分析し解答していくという方式であるのに対し、環境情報学部は分析というよりも発想力を重視しているような気がします。
特に環境情報学部に関しては、変幻自在な問題が出題され戸惑う受験生は多いです。SFCを受験する受験生は、いち早く過去問に目を通すことをおすすめします。SFCの小論文は早期対策が本当に重要です。
総合政策学部は、事前の現代情勢や経済等の情報を得ておくことはもちろんのこと、それを前提として資料分析能力、そういった現状を踏まえた上での改善点の指摘やより良い未来にするための発想力が試されています。個人的見解としては、この内容は高校生レベルを逸脱しているようにも思いますが、慶應のSFCが求めている学生はこの水準なので、しっかり対策していきましょう。
他学部の小論文対策とも重複する点はありますが、日々のニュースや社会問題を確認するのはもちろんのこと、いちいちそれらに関して問題点と改善点、自分ならどうするか?等を試行錯誤すると良いと思います。経済、法律、社会問題等、様々な分野における基本的な事柄は抑えておく必要があります。過去問を通して、自身に足りない分野の知識を書籍やネットで収集するのをおすすめします。
今書いたのは、総合政策学部を受験するにあたって前提となる対策で、それを踏まえた上で、過去問での資料分析能力・発想力を高めていく必要があります。他学部の小論文ももちろんですが、SFCの小論文はそれ以上に他者からの評価を必要とすると感じます。必ず複数の方からの意見を仰ぎ、改善点についてはもう一度様々な方法で情報収集する必要があります。
それに対し、環境情報学部は事前的知識に関しては総合政策学部より必要にはならない印象ですが、その分発想力というのが試されています。「発想力は発想なんだから鍛えられない」と考える受験生もいるかもしれないですが、私はそんなことはないと考えています。
発想といっても今までの経験と知識の組み合わせに過ぎなく、それと自身がどれだけ今まで物事を分析してきたのか等々も関与すると思います。自身に発想力がないと考える方は、身の回りの問題に関して分析をし「改善点や代替案はないか?」ということを意識しながら対策を進めてみてください!
22年の総合政策学部に出題された論文問題の一部
22年の環境情報学部に出題された小論文問題の一部
終わりにー分析と努力でなんとか合格を...!
長くなりましたがこの度は記事を読んで頂きありがとうございました。私の経験が少しでも今後の受験生の為になれば幸いです。
慶應義塾大学は私立最難関とも言われ、なかなか一筋縄で合格するのが難しい大学ではありますが、今回私が書いた記事や努力によって必ず達成することができる壁であると思います。
私自身もあと数点のところまでいけましたが、決して地頭が良いタイプではないと思います。受験はトライアンドエラーをどこまでそれぞれができるかの忍耐勝負だと私は考えており全ての受験生に可能性はあると思っていますのでどうか諦めず頑張ってください!
おすすめの参考書一覧
私が使っていたおすすめの参考書です。もし教材に迷っていたらこの中から選べば、良いものが選べると思います。
英語
システム英単語
慶應に限らず難関大英語に取り組むにあたって土台となる単語帳、ターゲット1900でも代用可能です。
解体英熟語
慶應に限らず難関大英語に取り組むにあたってほぼ必須と思われる英熟語帳、解体英熟語のレベルが少し高いと思うのであれば、一段階下げた英熟語帳からやるのをお勧めします。
速読英単語上級編
私が現役時にやっておけばよかったと後悔している単語帳、シス単以上のレベルの英単語を網羅しています。
パス単準1級
シス単以上のレベルの英単語を網羅しており、位置付けとしては速単上級と被りますが私としては2冊やった方がいいと思います。
リンガメタリカ
慶應のほぼ全ての学部に応用がきく1冊。専門分野の基礎知識や専門分野の基本的な英単語を習得できます。特に経済学部や商学部受験する方におすすめです!
ポレポレ英文読解プロセス50
難解な英文読解技術を習得できます。全ての学部に応用可能ですが、特に文学部受験者にはおすすめです!
英文読解の透視図
ポレポレと同じく、難解英文読解の技術が習得できます。ポレポレと合わせて行えばかなり強固なものとなります!
やっておきたいシリーズ
私は、このシリーズの500、700、1000をやりましたが、長文問題集に関してはどれをやってもそんなに大差はないと思います。(強いて言うならば解説の質ですね)
英文法ファイナル問題集
難関大学の文法問題対策はこれがおすすめです!
日本史
日本史の教科書と資料集は購入しておきましょう!歴史資料集も持っておくとなお良いです!
日本史B一問一答
大手予備校の東進が出版している王道参考書です!正直、この一冊で日本史の相当量が対策可能です。
日本史B講義の実況中継シリーズ
日本史の教科書を噛み砕いたようなものです。難関大に出題されやすい事項等がまとまっているので効率的に勉強しやすいです。
考える日本史論述
日本史の記述問題が出題される大学を受験する場合はやっておきたい一冊です。日本史の重要項目が記述問題としてまとまっています。最初は解答を暗記して、着眼点等を学習するのがいいかもしれないです。