数学の参考書はこの中から選ぶだけで大丈夫。イクスタコーチが受講生に本気でおすすめできる数学の参考書・問題集

「自分の今のレベルと志望校だとどの教材を選べばいいのか」分からない受験生も多いだろう。

書店に行けばこのようにたくさんの参考書が置いてある。

今回はイクスタコーチの土井としておすすめできる各科目で使ってほしい教材をリストアップする。

イクスタコーチは受講生が志望校に合格することが目標なので、イクスタコーチの成果とは受講生の合格結果や成績の伸びである。イクスタコーチが受講生に貢献するために本当に成果が出る教材を使ってほしい。受験勉強の限られた時間のなかで受講生の成果に貢献する教材選びは私にとっても重要なミッションだ。

本来イクスタコーチでは受講生ごとの状況や志望校、これまでに学び方などを丁寧にヒアリングしながら教材を選ぶが、イクスタコーチを受講できない方もいるので、改めて最新のおすすめ参考書を紹介する。

これまで私自身が10年間大学受験に関わってきて、受講生の成績の伸びと向き合ってきた経験から本当に結果が出た教材のみをリストアップする。受験生は色々な教材を使って様々な勉強法にトライする。試行錯誤したあと落ち着く勉強法は似ていることも多く、一方で乗り換える人が多い教材もある。そんな受験のリアルから、イクスタコーチでもおすすめする教材をリストアップしたい。

今回はMarch・関関同立には余裕を持って複数学部で合格できるをテーマとする。難関国公立志望でも早慶志望でも「できれば第一志望に合格したいけど、最低でもMarchのどこかには合格したい」という受験生が多い。Marchのどこかでさえ倍率は高く十分に難関大学なのだが、今回はこんなMarchは複数合格、できれば国公立か早慶も合格したいという期待に応えられる教材を紹介していく。ちなみに私自身も高2の2月には「無」の状態から明治大学2学部と青山学院大学、早稲田大学に合格した。

参考書や問題集はいろいろなところでおすすめが紹介されているが、あくまで自分ひとりの例しかなかったり、どんな人におすすめなのかが明確でない場合が多い。そのため、今回は

①どんな状態の人が使うとおすすめなのか

②なぜおすすめなのか

③その教材を完成させるとどうなるのか

についても紹介する。

イクスタコーチでは、関連させて理解できること再現性のある応用が効くことが重要だと考えているのでこれらの目的が達成できる教材を選んでいる。

また、これらの教材は2-5ヶ月以内に完成させる必要がある。イクスタコーチでは完成とは、土井がその教材のどのページをクイズに出しても90%以上正解できる状態としている。「なんとなく終わった」は絶対に避けたく、「もうこれ以上できない」くらいスキなく完成させた方が合格点を取るためには結局近道

数学の参考書・教材 イクスタコーチのおすすめ

理系や二次試験で数学を使う文系の場合、受験勉強を本格的に始めて半年くらいは勉強時間の4-5割は数学に使うことになるくらい数学は合格点を取るために重要な科目。一方で数学はどこから始めてどこまでやればいいか分かりにくい科目なので、教材選びには十分に時間をかけてほしい。

数学は英語や国語系の科目と違って「ノリ」で解けて点数になることは少ないので、ちょっとでも疑問があれば説明系の教材で分かるまで、人に聞かれても説明できるレベルまで細かく穴を埋めていきたい。丁寧に、丁寧に、ていねいに。

数学IAIIBの参考書

数学は数多くの参考書が出ているし、数多くの勉強法が語られている。他の科目より注意すべきなのは、元々数学が得意だったり学校で真面目に授業を受けている人の勉強法は大事な基礎の部分を端折っていることが多いということ。

ほとんど学校で授業を受けていない場合には説明ができるだけ丁寧な教材を選ぶ必要がある。学校で青チャートやフォーカルゴールドを配られることが多いが、これらの教材は独学には難しい。完璧にできればこれらの教材と過去問だけでどこの大学でも合格点を取れるが、いきなり青チャートやフォーカスゴールドを独学で進めてもなぜその解説になるのかわからないことがほとんど。

イクスタコーチの受講生でも青チャートやフォーカスゴールドを学校で配られて持っていてこれから始めようとすること受講生がたまにいるが、悪くはないもののあまりおすすめはしない。ただ、学校で配られて他の選択肢を知らないとまずこれらをやるのが正しいと思ってしまうのはしょうがないかな。学校で詳しく伝えてあげてほしいところ。

では、ほぼ独学で始めて最低でもMARCHに複数合格、できれば難関国公立や早慶の合格を目指す場合にはどの教材から進めればいいのか

「初めから始める」シリーズ マセマ

画像は初めから始めるの演習用教材、初めから解けるシリーズ

学校の授業も受けていない(受けてたけどほぼ聞いてなかった)、独学でこれから始める場合には「初めから始める」シリーズから始めよう!公式や定理、代表的な問題に対する解説が丁寧なので、これらの説明を理解するように学んでいってほしい。

この参考書に出てくるレベルの簡単な問題は解法さえ覚えてしまえばほぼ作業のように解くこともできるのだが、難しいレベルになってくると作業だけで覚えていただけだと解くことが出来ないレベルの問題が出てくるので、「言葉で理解する」ことを重視したい。時間はかかってしまうが言葉で丁寧に理解して丁寧にしすぎることはない。

また、これより難しい教材を進めて、もし分からないところが出てきたらこの教材に戻って辞書のように使うのもあり。

セットとなる「初めから解ける」シリーズを3-4周してどちらに掲載されている問題でもほぼ即答できるようになれば、青チャートやフォーカスゴールド、レジェンドの標準レベルの問題も少しずつ解けるようになっていて、本格的に数学を勉強し始める準備が整い始めたといってもいい。ここからご紹介するマセマシリーズは1冊150問程度。次の日、1週間後、1ヶ月後に復習をして3-5周して完璧にしてから次の教材に移ろう!

「初めから始める」と「初めから解ける」のどの問題も即答できるようになっていれば共通テスト・センターレベルで40-50点は安定して取れるようになっている。

> 京大生が使ってた!?マセマの「初めから始める」で伸ばした数学の勉強法 - イクスタ

「初めから解ける」シリーズ マセマ

上記で説明した「初めから始める」の演習用教材という位置付け。もし学校の授業などで記憶があって「初めから始める」がほぼ分かる場合には一発目にこれから始めて、「初めから始める」は困った時の復習用だけに使うのもあり。1冊150問を3-4周して完璧にして次に移りたい。

< blockquote>初めから始めると初めから解けるが受験学年の6月末までに完璧になっていれば、MARCH複数合格は十分可能なレベルのラインに乗れている。

「元気が出る」「元気の伸びる」シリーズ マセマ

「初めから始める」「初めから解ける」シリーズのお兄さん的立ち位置。さらに入試問題に近いレベルの教材。ここまでの「初めから始める」「初めから解ける」「元気が出る」「元気に伸びる」のそれぞれIAとIIBまでで合計10冊ある。ここまでが全部完璧になっていれば、いわゆる日東駒専レベルは合格点を取れるくらいになっている。

基礎問題精講 旺文社

各分野の考え方を理解し、簡単なレベルの問題を一通り解けるようになったら、もう1ステップ難しい問題に進む。この中間のステップが終われば次は入試問題レベルに進むことができるので頑張ってほしい。基礎問題精講を3-4周して解けない問題がなくなれば、MARCHより少し簡単なレベルの入試問題でも5-6割くらい取れるようになっている。基礎問題精講とMARCHの過去問だけで合格点を取れる学部もある

レベルは「元気が出る」「元気に伸びる」と重なっている部分もあるので、どちらか選んでもいい。本屋さんで直接確認してみよう。自分が直感的に学びやすそうだと感じる方を選びたい!

青チャート(コンパス3まで)

青チャートの扱い方は注意が必要だ。全くゼロから勉強を始めるのであれば青チャートはおすすめしないことが多いが、学校で配られたりして持っている受験生が多いので活用法をご紹介していく。

青チャートを使うのであれば「初めから始める」の内容を理解した上で、コンパス3までを完璧にしよう。数学IAのコンパス3までで約250問、数学IIBのコンパス3までで約350問。合計約600問ある。1問あたり15分で終わらせるとして1周するのに150時間必要で、3周するのに450時間が必要だ。

もし仮に毎日青チャートだけに3時間かけられるとしても150日、5ヶ月は時間が必要。分量としてはとても多いが、青チャートを3周してコンパス3までを8割くらい解けるようになっていれば、MARCHの複数学部で合格点は取れるようになっている。国公立大学でも数学が特別に難しい一橋や東大じゃなければ4-5割は取れるようになっているレベルだ。一方で早慶の理系学部はここまでではまだ合格点を取れるようにはなっていない。早慶や東大、京大、東工大など国公立最難関で合格点を取れるようになるためには、例題だけではなく練習問題とExercise問題も完璧にして次の教材に進みたい。

MARCH、上位国公立志望であれば黄色チャートを極める

青チャートを使うのは、早慶や最難関国公立大学を目指す場合。それ以外はtoo muchになってしまう可能性が高いので、MARCHや上位国公立大学合格を目指す場合には黄色チャートの方がおすすめ。基礎は同様に「初めから〜」シリーズで理解して、そこからは黄色チャートを10月末までに極めて過去問演習に入るのが一番シンプルで無駄のないおすすめの進め方。

「面白いほど」シリーズ 黄色本 KADOKAWA

上記の教材を使っても分野によっては考え方がうまく掴めないところが出てくる。そういう場合はさらに詳しく説明している教材を使ってすぐに理解したい。特に「整数」や「確率」はどうして解説に書いてあるような考え方になるのか分かりにくいので、丁寧すぎるほど丁寧に考え方を学んだ方が結局近道。センターや共通テストの過去問で半分取れない大問で勉強法に迷っている分野はこのシリーズを手に取ってみよう!

プラチカシリーズ

早慶や東大、京大、東工大など数学の最難関レベルで合格点を目指すにはプラチカがおすすめ。ここまでの青チャートが終わっていれば、あとプラチカを何周もして完璧にして過去問サイクルに入れば数学の対策は万全だ。2021年のイクスタコーチ受講生でも、青チャートの全てとプラチカを完璧にしたことで早稲田大学理工学部の数学で75%、早稲田大学教育学部の数学で86%得点できるようになった受験生がいた。

数学IIIの参考書・教材

理系のほとんどで必要な数学IIIの分野でも、実は必要な考え方と教材のレベルや種類は数学IAIIBまでとあまり変わらない。初めから始める、基礎問題精講、黄色チャート、プラチカを今のレベルと志望校に応じて活用する。

注意すべきは数学IAIIBで共通テスト・センターレベルで最低でも60%を取れるようになってから数学IIIを始めること。

完全に独学の場合には「初めから始める」から始めて曖昧なところは細かく穴を埋めながら進める。

受験学年の7月末に上記の条件を満たして数学IIIを始めることができていればMARCH合格も十分に見えている。早慶や最難関国公立を目指すのであれば高2の3月末には数学IIIに入っていないと難しい。

MARCHの複数学部に合格するための参考書ルート

ここまで参考書ごとのレベルや使うべきタイミングをご紹介してきた。ほぼゼロから独学でMARCHの複数学部に合格するための参考書の順番についてご紹介する。

パターン1

① 「初めから始める」シリーズ 数学I、数学A、数学II、数学B

②「初めから解ける」シリーズ 数学IA、数学IIB

③「元気が出る」シリーズ 数学IA、数学IIB

④ 「基礎問題精講」数学IA、数学IIB

ここまでで合計1300問。1周目に1問あたり15分、2周目に1問あたり10分、3周目に1問あたり5分かかるとすると、

1周目は325時間、2周目は215時間、3周目は110時間。合計650時間かかる計算になる。もし毎日数学に3時間使えるとすれば220日、つまり丸7ヶ月くらいかかるので、4月から始めれば10月末には終わって過去問へ。毎日2時間使えるとすれば320日、つまり10ヶ月半くらいかかるので高2の1月から初めて10月末には全て終わらせて過去問演習の準備ができている。

週末や夏休みなどはもっと時間が使えるので、さらに早いペースで終わるだろう。

パターン2

① 「初めから始める」シリーズ 数学I、数学A、数学II、数学B

② 黄色チャート

黄色チャートを進める場合には、「初めから始める」で全分野を概念から理解してから黄色チャートを終わらせよう!黄色チャートも3-4周して完璧に終わらせるとなると最低でも5ヶ月間はかかると思った方がいい。

過去問演習の正しい進め方とタイミング

秋以降は志望校の過去問演習を進める。過去問演習とは聞いたことがあるものの正しい進め方を知らないまま進めてしまうこともあるので、改めて過去問の進め方をお教えしよう。

過去問演習の目的は、自分の受験校が出題しそうな問題を得意にすること、だ。大学によって求められる分野や計算量、複雑さが異なる。どんな大学の入試問題でも余裕で合格点が取れるほど実力があれば過去問演習は必要ないのだが、99%の受験生が時間がギリギリない計画で勉強を進めている。そんな中で合格点を取るために何を勉強すればいいのか、効率的な勉強の進め方を見つけるために過去問演習を行う。

数学の過去問では、まず上記でご紹介した教材のパターンを終わらせる。するとMARCHの過去問を解いて採点してみると4.5-6割くらいは得点できているだろう。そこで間違えた問題で、合格点を取るために正解しなければならなかった問題を正解するためには、どのような知識や理解が足りなかったのかを正確にまとめる。中には難問もあるので、あくまで、合格点に届くためにはどの問題を解けなければならなかったのかだけをまとめればいい。

過去問演習後に、正解すべきだった問題を解けるようにするのは、どのような教材をどれくらい学んで仕上げばいいのかの計画を立てる。ここが過去問演習のポイントだ。

数学に関しては、分野ごとの得意不得意が出る科目なので早めに過去問演習を始めて、その補強をする期間を3ヶ月は取りたい。そのため10月末には上記のパターン1、パターン2の教材を終わらせてMARCHのいずれかの学部の過去問を3回分解いて、弱点や解けるはずだったが抜けていた範囲を見つけよう。

これまで使ってきた教材で忘れていたところがあればそれを埋める。逆に今まで使ってきた教材の復習だけでは合格点が取れるようにならなそうであれば、補強するための教材を仕上げる。

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独学で難関大学【理系】に逆転合格する』 土井万智(どいまさと)著 - BCCKS

土井万智

土井万智(どいまさと)イクスタコーチ 逆転合格したい受験生専用のサポーター

早稲田大学教育学部出身。2014年の早稲田大学教育学部社会学科在学中に「大学受験業界の情報格差」を解決するためのサイト、イクスタを創業。累計2000万アクセス。
IT系スタートアップ企業で法人営業、Webエンジニアなどを務めたのち、2018年からイクスタに復帰。
現在はWebサイトやYoutubeなどのメディア運営と、オンラインの面談で受験生の独学を支援。東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県など首都圏を中心に、愛知県や兵庫県など、北海道から沖縄まで全国の受験生がイクスタコーチで志望校に合格。
著書に「独学で難関大学に逆転合格する」シリーズ
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イクスタとは?

イクスタとはYouflex株式会社の土井万智(どいまさと)がほぼ1人で運営する、はじめての大学受験を成功させるためのプラットフォームです。普通に予備校にいって普通に勉強するだけでは難関大学に合格できないという現実を、どう打破するか。第一志望に合格する15%に入るためには、どう違いを作るか。毎年、1年間一人一人の受験生に毎週の面談で密着すると、実際の事実と世間で理解されている情報の乖離がある。このビジョンをもとに、Webの記事、Youtube動画、書籍、オンラインコーチングという4つの柱で独学の受験生を支援します。

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