埼玉大学工学部に現役合格した理系数学の入試対策と勉強法とは?

皆さんこんにちは!

埼玉大学工学部情報工学科に現役合格し、現在大学生として埼玉大学に通っている益子と申します。

この度は、そんな私の埼玉大学合格のための数学勉強法をご紹介したいと思います。

私はもともと筑波大学を第一志望として掲げており、センター試験を受けた結果、受験校を第二志望の埼玉大学に落として受験をしています。埼玉大学は、後期日程でとる人数が多いことから、都内の国立や関東圏の難関国立落ちなんて人も多く見られます。

今回は埼玉大学を第一志望に掲げている人にはもちろん、偏差値60前後の国公立大学受験を少しでも考えている方にも参考にしてほしい内容となっています。皆様のこれからの大学受験の参考になれば幸いです。

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埼玉大学の理系は配点の40%が数学!

埼玉大学理系の入試は少し特徴的で、センター試験(共通テスト)+二次試験数学でほとんどの合否が決まります。私が受けた工学部情報工学科では、二次試験が数学と小論文のみでした。ほかの学科を調べてみても似たような点数配分になっていると思います。

また、二次試験で行われる数学の配点は300点とかなり高く設定されており、共通テストの数学とあわせると500点ですね。埼玉大学は、共通テスト+二次試験の合計が1200点であるため、数学の配点が3分の1を占めているといったことになります。

二次試験の問題は例年すべて記述問題であり、数Ⅲの範囲がより多く出題されている印象です。この二次試験を戦い抜くには数学的思考力や数Ⅲに対する理解力が必要ですね。では、実際に私が行っていた勉強法や対策について以下でご紹介していきましょう。


共通テストと二次試験の対策の数学のバランスはどうすればいい?

早速二次試験の対策についてお話ししたいのですが、実際のところ共通テストで、どれだけ点数が取れているのかで戦略はだいぶ変わってきます。先ほども述べた通り、埼玉大学工学部は1200点中500点が数学なのですが、その一方で1200点中800点が共通テストでの点数となってきます。これはほかの国立大学と比べてもかなり高い配点であるといえるでしょう。

埼玉大学第一志望の方は共通テストの対策をとりあえず固めてもらう必要があります。高校3年の9月以降は基本的に共通テスト対策をしっかり行なって、取りこぼしのないように対策すべきだと考えます。

二次試験については数Ⅲまでが試験範囲ですが、学校によっては数Ⅲが夏までに終わらないということもあると思うので、そういう場合は先取りで高校3年の夏中には数Ⅲに多少でもいいので触れておきたいところです。

数Ⅲは教科書レベルの問題が全て解けるようにしておき、それ以外の時間をマーク模試の対策に当てると良いでしょう。

埼玉大学の理系数学の特徴

2022年の埼玉大学工学部の数学の問題です


埼玉大学の数学は大問4つで時間は120分あります。中には証明問題も出題されているため、記述問題への対策が必須であるといえるでしょう。

埼玉大学の理系数学 頻出分野は4分野

過去に出題されている問題を調べたところ、ベクトル・数列・微積・極限からの出題が多いようでした。ちなみに参考までに、私が受けた2020年以前の過去問10年分には、積分が13題、微分が8題、ベクトルが5題、数列が8題、極限(単体無し)が4題でした。ちなみに、極限は数列と組み合わされることが多いです。数列と極限を組み合わせたような問題に多く触れておきたいですね。

頻出分野に関しては、他の国立大学や私立大学でも多く出題されている分野であるため埼玉大学が特別であるというわけではないので、とくに注力して勉強することで併願する私立大学の対策にもなります。微積分の範囲はほかの分野と併せて出題されることが多いため、埼玉大学の二次試験を乗り切るには必須となってきます。

また、数Ⅲの分野に関しては問題演習量が鍵を握ってきます。というのも埼玉大学は典型的な問題を出す傾向が強く、特に数Ⅲにおいては参考書や問題集などで見たことのあるような問題が多く出題されています。そのため、大学の過去問や参考書をうまく使って実践的な演習を多く行うのが良いでしょう。

出題されにくい分野も

逆に出題されづらい分野については、まず数IAからの出題率が極端に低いです。特に集合・整数の性質・平面図形からの出題率が低くなっており、私が受けた2020年以前の10年分の過去問には一題もありませんでした。さらに私が受けた2020年の試験にも出なかったことを考えると11年間出ていないことになります。

それに次いで数Ⅲ範囲の式と曲線・複素数に関しても出題頻度が低いようでした。しかしこちらは、最近になって少しずつ出題されているようなので対策は必須です。ましてや数Ⅲの範囲なので、共通テスト範囲外です。そのため、基本的な問題は解けるようになっておく必要があるでしょう。

数学の時間配分は厳しい?

最後に、時間配分について。埼玉大学の数学は時間的にはそこまでタイトではありません。むしろスムーズに解いていけばかなりの時間が余ります。なので、試験が開始したら焦らずに得点できそうな問題を選別してそれらを先に解くことをオススメします。多少難しく見える問題も、典型問題の組み合わせみたいなものがほとんどです。じっくりと考えればわかることが多いため、そういった問題は後回しつつ解ける問題から解いて、最後にじっくり考えれば十分解ける問題ばかりです。

共通テスト後からの1ヶ月ストーリー

ここからは私自身のよりリアルな経験談をみなさんにシェアしたいと思います。共通テスト後から二次試験までのストーリーです。

共通テスト後の勉強

私自身は当時、当時のセンター試験(現在の共通テスト)に失敗して志望校を下げたのですが、その時のセンター試験の点数は630点(900点満点)でした。私が受けた年はセンター試験最後の年であり、翌年から始まる共通テストへの移行を警戒して、多くの受験生が志望校を落として受験すると言われていました。

センター試験の結果を受けて志望校を落とす決断をしたのですが、それでもセンターリサーチの結果は合格ボーダー以下でした。覚えている限りだと合格定員40人に対して50位台だったと思います。

志望校を落としてなお合格圏外というのはつらいものがありましたが、私は当時それほど落胆していませんでした。むしろ、絶対に受かってやるといった意気で残り数週間必死に勉強しました。

典型問題で得点できるようになるための参考書はこれだ!

当時使っていた参考書が『理系数学入試の核心 標準編』です。

この参考書は国立二次及び私立入試に向けたもので、さまざまな大学の入試問題のうち典型的な問題を多く乗せたような形でした。先ほど述べた通り、埼玉大学は典型的な問題を多く扱うため、それにピッタリであると感じこの参考書を購入しました。

しかし、皆さんに気を付けてほしいのはこの参考書は仕上げに使うべきであるということです。確かに典型問題が多く載っていて埼玉大学の入試対策にはもってこいですが、問題数がやや少ないので問題数をこなして慣れたいという人にはオススメできません。なのである程度の数学力をつけてから取り組むのがいいと思います。そういった点でも共通テスト後の勉強としては最適ですね。

過去問対策も忘れずに!

また埼玉大学の過去問対策も赤本を使って分析をしました。赤本を使って過去問を解くことはもちろんですが、私は主に問題の傾向分析のために使っていました。また、インターネット上にも過去問の情報が載っているものがあるので、それらを参考にして過去問分析を行うとより良いと思います。

共通テスト以前の数学の勉強法

最後に、私が共通テスト以前に行っていた数学の勉強法をご紹介します。

私は主に学校の教材を用いて数学の勉強を行っていました。使った教材として2年生の頃は、『青チャート』と『サクシード』、三年生の頃はそれに加えて『クリアー』という教材を主に愛用していました。

1,2年生の頃は学校の定期テスト満点を目指して勉強を続けており、それがのちの数学力につながりました。2年生の終わりごろに受けたマーク模試では数学IA ・IIB合計で169点(200点満点)を取っています。1,2年生の頃は学校の定期テストで高得点を目指すことが数学力向上の一番の近道になるかと思います。その方がモチベーションを保ちやすく、継続した勉強が期待できるかなと思います。

3年生になったタイミングで、『クリアー』という参考書に取り掛かりました。こちらは様々な大学の入試問題を集めた実践的な参考書となっており、入試の基本問題を抑えるためには十分な参考書になっています。これを夏休みを通して何回も繰り返し解き、入試の頻出問題を網羅していきました。

以上が私が行っていた数学の勉強法です。特に意識していたことは、記述問題に強くなるために解説を見るときに解説に書かれている記述部分と自分自身の回答を見比べることです。数学の記述は、仮に答えが合っていても計算過程が間違っていたり必要な条件が書かれていなかったりすると減点対象になってしまうことがあるので、必ず自分の答案が正しいかを確認するようにしましょう。

青チャートの効果的な使い方やレベルに関しては、イクスタの中のこちらの記事も参考にしてください!

> 青チャートを熟知する難関大学生が青チャートの特徴から効果的な使い方を伝授する - イクスタ

まとめ - 埼玉大学の数学は典型問題を落とさないこと!

繰り返しになりますが、埼玉大学の数学の問題は典型問題が多いです。そのため、点数を取るには典型問題の演習が必須になってきます。また、全問記述問題であり証明問題も出題されることから、答案の作り方も非常に重要になってきます。

各自で演習を行う際は、解答の答案と見比べて、条件の書きこぼしがないか、おかしな表現が使われていないかを確認するようにしましょう。

そのほか、数学の勉強法や伸びに悩んでいる場合はイクスタ内のこれらの記事もぜひ読んでみてください!

> 数学が伸びる気がしなくてヤバい受験生へ贈る、初心者が着実に伸ばす勉強法と参考書 - イクスタ

> 数学の点数を上げたい君へ!数学の勉強法はこれだ!!- イクスタ

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