【理系必見】土木学科とは?専門領域と進路を紹介します!#街づくり #災害対応
受験生の皆さん!「土木」という理系の分野をご存知でしょうか?ご存知ない方も多いかと思います。また、なんとなく聞いたことがあっても、
「工事現場できつい仕事をしているイメージがある」
「建築との違いがよくわからない」
かもしれません。今回は土木についてあまり良く知らない方に、現在大学で土木を勉強している私がその素晴らしさをお伝えし、土木にワクワクしていただこうと思っております!
名古屋工業大学 工学部に通うイクスタ卒業生がご紹介します!
実は、世界は”土木”であふれている
外の世界は、建築と土木で構成されていると言っても過言ではないでしょう。上の写真を見てください。番号で示したものが、土木の対象のものです。それ以外の、ビルやマンションなどの建物は建築の人たちが作っています。工事現場だけが土木ではないんです。
土木で扱うものは河川、堤防、橋梁、ダム、鉄道、道路、空港、街、電力・水道の供給網など多岐に渡ります。土木は私達の生活の基盤となる部分を整備する役割を果たしているのです。
土木学科がオススメな人
土木学科は様々な人にオススメです。
📚 構造物や土、水、コンクリートなどのメカニズムを解明する、理学に近い面白さがある
👉 物事のしくみを解明したい人にオススメ!
📚 現実の制約条件を考慮しつつ、最適な解決策を考える面白さがある
👉 工夫して問題を解決するのが好きな人にオススメ!
📚 身の回りの生活の利便性や安全を高める、その担い手になれるやりがい・面白さがある
👉 世の中を便利にしたい人、災害などへの危機意識が強い人にオススメ!
土木学科で学ぶこと
3つの力学-災害に強くする
土木構造物は土や水、骨組み、コンクリートなどで構成されています。地震や豪雨、津波、高潮などの災害が起こると、これらが異常な挙動を示したり、異常な外力にさらされたりします。このような脅威から私達の命や財産を守るために、土木分野では地盤力学、水理学、構造力学、コンクリート工学をはじめとする様々な力学を学びます。また、災害時以外にも、平時や施工中に安全が確保されるかどうかを判断するのにも用いられます。
地盤分野
地盤分野はこんなところで役立ちます。
「岩屑なだれシミュレーション」3D・VRシミュレーションコンテスト - Youtube
◎ 大雨が降ったときに山の斜面が崩れるのを防ぐ
◎ 河川の水位が上がったときに堤防が決壊するのを防ぐ
◎ 軟弱な地盤にトンネルや橋梁を安全に建設する
水工分野
水工分野はこんなところで役立ちます。
津波により被災した橋梁附近の津波シミュレーション - Youtube
◎ 河川の形状を改良して、氾濫しにくくする
◎ 津波による外力を抑制する
◎ 大雨のときに河川各所の流量をうまく調整する
構造分野
構造分野はこんなところで役立ちます。
◎ 地震や強風で構造物が崩壊するのを防ぐ
◎ 老朽化に強い構造物を作る
街づくり-暮らしをより良くする
インフラを構築・改良していく上で、数ある選択肢の中から安く、便利で、効果的なものを選んでいくことは不可欠です。土木の「計画分野」では、統計学の手法を用いて最適な選択は何かを考えます。統計学を用いると因果関係や要因同士の影響を推測したり、制約条件のなかでコストを最小にする方法を見つけたりすることができます。
「交通分野」でも、計画分野と同様に統計的手法を用いるなどして、鉄道や道路などの交通システムの改善を図ります。
また土木の「景観分野」では、空間の心地よさや人々の賑わいを醸成するために、公共空間のデザインを考えます。
構造物の”一生”を支える人たち
土木学科を卒業した人は、官公庁、地方自治体、建設会社、建設コンサルタント(後述します)、鉄道会社、電力会社、研究機関などに就職する人が多いです。それぞれ様々な形で建設業界を支えています。
官公庁や地方自治体は土木構造物の企画・発注を行います。それに際して助言を行うのが「建設コンサルタント」です。建設コンサルタントには、土木の各分野に詳しい技術者が集まっており、企画、施工、運用の各段階において支援を行います。また、自治体などが発注する前に、建設コンサルタントが設計を行います。
自治体の発注をゼネコンなどの建設会社が受注して施工を行います。
土木分野の研究機関には大学、国交省所管の研究所(土木研究所、海上・港湾・航空技術研究所など)、ゼネコンなどの研究所があります。
土木のこれから
土木分野も、ICT技術を活用して危険な作業を機械を用いて遠隔で行ったり、自動化によって施工を効率化したりなど、どんどん進化しています。近年機械学習などの技術の進歩が目覚ましいですね。土木もこれにあわせてまたさらに面白くなっていくでしょう!
また、土木技術者の需要も近年高まってきています。南海トラフ地震、首都直下地震といった大地震、激甚化する水害など、様々な自然災害への対応が求められてきています。
また、インフラの老朽化も非常に大きな問題となっています。2032年度には建設後50年の橋梁が約59%に急増するとされており、国土交通省は平成26年に「最後の警告」という提言において、事態の危うさについて警鐘を鳴らしています。
このようなことから、土木分野はこれからの時代にも必要とされる分野となるでしょう。
土木が気になっている方はぜひ名古屋工業大学のHPを覗いてみてください。興味に合う分野が見つかるかもしれませんよ。