2025年最新の生物参考書マトリクス すべての難易度を網羅するおすすめ18冊


理系にとって最も知識量の多い生物。日本史や世界史と同レベルの膨大な知識量です。


生物や知識をインプットする段階、計算を行う段階、実験考察問題の段階、それぞれで頭の使い方や適切な教材が異なります。

学校の教材や予備校のテキストでは十分ではない場合がほとんどなので、完璧に教材を揃える必要があります。

生物の教材はたくさんありますが、この中から使えば全てのレベルを網羅できる、私の10年のキャリアの中で最もお勧めできる参考書について、難易度や分量、解説の丁寧さなどを段階で判断しました。

生物の勉強で失敗しないように、自分の志望校や今の実力にあった参考書選びにお役立てください。


まず18冊の参考書のマトリクスをご紹介したあと、志望校ごとにこれらの参考書をどう組み合わせるべきかについてご紹介します。


網羅系問題集

学校で配布される検定を受けた問題集。用語の確認から難関大学で出題される発展問題まで幅広い問題が掲載されている。

大学受験の序盤から終盤まで長く使うことができる軸とすべき1冊。

問題の種類によって大きく3つのパートに分かれている。用語を確認する問題、簡単な計算問題や単語を記述する基本問題、入試で出題される長い記述や複雑な計算が必要な発展・応用問題の3種類。

計算問題や記述問題の解説が少ない場合があるので、教科書や資料集と併用して使用することがおすすめ。



リードLightノート生物

網羅系問題集の基本問題までに絞って掲載されている参考書。各分野の必須知識や計算問題をマスターすることができる。分量の多い問題集だと重要項目だけに絞ることが難しく、まず最重要項目だけを詳しくマスターしたい場合におすすめ。


生物が面白いほどわかる本

生物の各分野仕組みや知識が非常に詳しく解説されている1冊。教科書では省略されるような仕組みについても触れられており、この1冊で知識面は十分にカバーすることができるが、非常に分量が多く全編をマスターするには時間がかかるため注意が必要。「生物が面白いほどわかる本」「生物合格77講」「大森徹の最強講義126講」の3冊は出版社が違うものの、掲載量や目的が似ている参考書。


生物合格77講

生物の各分野仕組みや知識が非常に詳しく解説されている1冊。教科書では省略されるような仕組みについても触れられており、この1冊で知識面は十分にカバーすることができるが、非常に分量が多く全編をマスターするには時間がかかるため注意が必要。「生物が面白いほどわかる本」「生物合格77講」「大森徹の最強講義126講」の3冊は出版社が違うものの、掲載量や目的が似ている参考書。


大森徹の最強講義126講

生物の各分野仕組みや知識が非常に詳しく解説されている1冊。教科書では省略されるような仕組みについても触れられており、この1冊で知識面は十分にカバーすることができるが、非常に分量が多く全編をマスターするには時間がかかるため注意が必要。「生物が面白いほどわかる本」「生物合格77講」「大森徹の最強講義126講」の3冊は出版社が違うものの、掲載量や目的が似ている参考書。


生物重要問題集

難関大学の入試問題レベルのみに絞って掲載されている問題集。旧帝大レベルや早慶レベルの対策する場合に非常に有用。

厳選された良問で難関大対策!生物選択者なら「生物重要問題集」で演習を繰り返そう


実験・考察問題の解法

東京大学や京都大学、東京工業大学など二次試験で100〜400字程度の考察・論述問題が出題される場合におすすめの問題集。難しい実験問題を解く際の論述の方法が示されている数少ない参考書。



大森徹の最強問題集



知識の焦点


チャート式生物

学習指導要領に沿って掲載されている参考書。教科書を入手できない場合に使用したい。数研出版の「チャート式」シリーズ、シグマの「理解しやすい」シリーズ、学研の「よくわかる」シリーズは、出版社が違うものの掲載内容や目的は似ている。


理解しやすい生物

学習指導要領に沿って掲載されている参考書。教科書を入手できない場合に使用したい。数研出版の「チャート式」シリーズ、シグマの「理解しやすい」シリーズ、学研の「よくわかる」シリーズは、出版社が違うものの掲載内容や目的は似ている。


よくわかる高校生物

学習指導要領に沿って掲載されている参考書。教科書を入手できない場合に使用したい。数研出版の「チャート式」シリーズ、シグマの「理解しやすい」シリーズ、学研の「よくわかる」シリーズは、出版社が違うものの掲載内容や目的は似ている。



生物図録

生物の各分野を写真やイラストで深く学ぶことができる。生物の序盤での知識インプットの際に並行して活用したい。各出版社から同様の内容の資料集が出版されている。


最新図説生物

生物の各分野を写真やイラストで深く学ぶことができる。生物の序盤での知識インプットの際に並行して活用したい。各出版社から同様の内容の資料集が出版されている。

生物総合資料

生物の各分野を写真やイラストで深く学ぶことができる。生物の序盤での知識インプットの際に並行して活用したい。各出版社から同様の内容の資料集が出版されている。


生物の参考書・問題集コース

志望校や目的によって、おすすめの参考書・問題集は異なります。

パターンごとに参考書・問題集コースを4つご紹介します。



1つ目「時間がたっぷりある完全無欠の旧帝大」コース

志望校が旧帝大や早慶以上の難関大学で、独学でしっかり勉強したい場合の参考書コースです。入試まで最低でも12ヶ月程度の時間がある場合に使いたい参考書コースです。

難関問題集を使用することが特徴です。


2つ目「地方国公立に最速」コース

志望校が偏差値60程度までの地方国公立大学で、高3の春から夏にかけて本格的に受験勉強を開始した場合のおすすめの参考書コース。

教科書系と学校配布の網羅系問題集を中心に使用します。学校の授業の記憶が少ない場合には講義系参考書を使用します。


3つ目「基本から独学で丁寧にじっくり」コース

基本レベルを丁寧に進めるコースです。リードLightノートから新標準演習に進むのが特徴です。最後に重要問題集など難関問題集を使用することで旧帝大にも対応することができます。


4つ目「費用をできるだけ抑えるコース」

市販の参考書をできるだけ使用しないコースです。学校配布の教科書と網羅系問題集のみを使用します。ただ、学校の授業の記憶がない場合には中古等でも講義系の参考書を購入することをおすすめします。各参考書は旧課程版でも95%程度は同内容なので問題ありません。

生物の参考書・問題集の4つのカテゴリ

生物の参考書はその役割によって大きく4つのカテゴリに分かれます。

志望校や今の成績に応じてそれぞれのカテゴリから1〜2冊を選ぶことで抜け漏れのない配置をすることができます。

網羅系問題集…基礎知識から入試問題まで幅広いレベルをカバーする問題集。セミナーやリードαなど、学校配布のもの。

教科書系…学校で配布される教科書や、市販ではチャート式などの参考書。指導要領に沿って生物の全範囲の知識や説明、簡単な練習問題が掲載されている。

講義解説系…生物の各分野を分かりやすく解説した参考書。教科書等では理解しにくい分野が重点的に解説されている。一方で教科書には掲載されていない分野も見られたり分量が非常に多いなど、特徴を踏まえた使い方。

難関問題集…偏差値60程度以上の大学で出題される入試問題を模した問題が掲載されている問題集。旧帝大レベルや早慶レベルを受験する際に、過去問演習前の最後の問題集として使用する。


共通テスト・私立・国公立ごとの出題傾向と使用すべき教材

生物は共通テスト、私立大学、国公立大学や私立大学医学部それぞれで出題形式が大きく異なります。これは数学や物理では見られないことです。

志望校によって大きく異なるこれらの特徴を把握した上で受験勉強を始めることで教材選びに失敗せず効率的に受験勉強を進めることができます。


共通テストの出題傾向

共通テストの生物は非常に特徴的な出題傾向です。選択肢の正誤を判定する知識問題と、ある実験やグラフをもとにした読解問題が配点のほとんどを占めます。

知識問題に正解するためには、生物の各分野の単語や仕組みを十分にインプットすることが重要です。教科書や資料集、網羅系問題集の基本問題までを中心に固めます。

読解問題では基礎的な知識をもとに問題文の中からヒントを見つけて回答します。思考力が問われる考察的な要素が強く、網羅系問題集や難関問題集で出題される形式とは違った力が求められます。

共通テスト形式の問題集を解くことで対策する以外の方法はないでしょう。ただ、因果関係、相関関係、対立関係を見抜き推測するような本質的な思考力が問われるため、共通テスト形式の問題集は即効性のある対策とはならないため注意が必要です。

記述問題は出題されず、計算問題も少ないのが特徴です。


私立大学の出題傾向

私立大学は単語の記述や選択肢の正誤判定など知識問題の割合が非常に多いのが特徴です。大学のレベルを問わずほとんどの私立大学で知識問題の割合が非常に多いです。

教科書や資料集、網羅系問題集を使用して、単語や仕組み、機能に関する知識を効率的に定着させることが効果的な対策となります。

物質の反応や遺伝などの計算問題も出題されるため、網羅系問題集の基本問題や発展問題を十分に解いて慣れる必要があります。


国公立大学や私立大学医学部の出題傾向

国公立大学や私立大学医学部では多様な形式で幅広く出題されます。単語の記述や選択肢の正誤を判断する知識問題、物質の反応を計算する計算問題、ある機能の性質や働きを30文字から100文字で記述する記述問題がバランスよく出題されます。

特に記述問題で何文字程度の記述問題が問われるかは大学によって異なります。

性質や働きを30〜40文字程度で簡単に記述するものから、ある実験考察問題の中から反応の結果や因果関係などを80〜120文字で記述する長文記述までいくつかの特徴があるため過去問を確認することをおすすめします。

旧帝大や国公立医学部系(医学部・歯学部・獣医など)は教科書や資料集をもとに、網羅系問題集から難関問題集までを終わらせることを前提に計画することをおすすめします。


入試問題ごとに使用する教材は?

共通テスト、私立大学、国公立大学それぞれで出題されう問題形式が異なるため、使用すべき教材の種類は異なります。

共通テスト…網羅系問題集と教科書系は必ず使用し、必要に応じて資料集や講義解説系を使用する。

私立大学…網羅系問題集、教科書系、資料集は必ず使用し、必要に応じて講義解説系を使用する。

国公立大学と私立医学部…網羅系問題集、教科書系、資料集、講義解説系、難関問題集全てを使用する。



大学受験生物の構造

大学受験で生物を使用して、志望校の合格最低点を取るためにはどのような順番で勉強を進めていけばいいのでしょうか。

生物という科目の構造を事前に知ることで、無駄のない勉強を進めることができます。


生物にはまず分野ごとの仕組みやメカニズムがあります。その仕組みやメカニズムを構成する物質や特徴があります。もう一方で仕組みやメカニズムの反応を計算するステップがあります。

まずは仕組みやメカニズムを理解し、物質や特徴を覚え反応の計算方法をマスターすることが基礎力となります。


ここまでの基礎力は、共通テスト、私立大学、国公立大学全ての試験形式において必要になります。

ここまでの基礎力をもとに、難関大学では記述問題や実験・考察問題が出題されます。網羅系問題集の発展・応用問題や重要問題集など難関問題集を使用して対策を行います。


他にも生物の勉強法について詳しくご紹介しています。

【生物】1年で難関大に合格するレベル別参考書と勉強法とは?わかりやすく徹底解説!

生物選択の壁を乗り越えろ!独学で東京農工大学に合格した私の生物の勉強法と参考書!

【生物】国公立と難関私大に合格するために必要な生物の勉強法とおすすめ参考書

(土井万智/どいまさと/イクスタ代表)


【著書】

『独学で難関大学【理系】に逆転合格する』

なぜ、85%の受験生は予備校に通っても第一志望に合格できないのか。

ゼロから難関大学に合格するまでに必要な知識を徹底的に体系化しました。

誰も教えてくれない年間のスケジュールや勉強計画の立て方、各科目の効率的な勉強方法をマスターすることで、旧帝大をはじめとした理系の難関国公立大学に、15ヶ月で合格を目指します。

https://www.ikstudie.com/articles/2714


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欠席率、途中解約率0%!
イクスタの創業者、土井による論理的・戦略的な受験計画と戦略の作成

本気で合格するためにはどの教材を、いつまでに、どれくらい終わらせる必要があるのかを志望校データや教材のレベル別に全ての教科で洗い出し、明確に予定を立てます。
過去問に入る時期や基礎完成の時期などいつ何をやればいいか、完全にコントロールできるようになる必要があります。

イクスタコーチ

> 論理的で抜け漏れのない受験計画の立て方が分かる イクスタコーチ


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