【Eureka#06】三毛猫の話 ~猫で遺伝を科学する~
第6回ですね!今回は理系メンターの”みーた”が生物の2回目の今回は猫の話をしていこうと思います。
前回のEurekaの記事は
【Eureka#05】そろそろ、トランプで遊びませんか?
です!
みなさん、「三毛猫」を知っているでしょうか?「三毛猫」の説明をしておくと、体毛が白・黒・茶の3色の猫のことです。
こんな感じの猫です。猫でどんな話をするのかというと、嫌いな方が多い『遺伝』の分野の話です。実は、三毛猫のほぼ100%性別がメスなのです。
その理由が『遺伝』にあります。
まずは、性染色体と常染色体については理解しているでしょうか?
性染色体は雌雄の性決定に関係する染色体で、常染色体は性染色体以外の雌雄共通の染色体になります。
猫は1対の性染色体と18対の常染色体をもち、全部で19対の38本の染色体をもっています。
性染色体を雄がXY、雌がXXというようにもちます。そして猫の体毛の色を決める茶や黒の遺伝子はX染色体にのっています。そして1つのX染色体では1つの色しかもつことができないため、雄の場合にはX染色体を1つしかもたないため、茶か黒のどちらかの色しか発現できません。白の体毛は常染色体にあるため、雌雄関係なく発現します。1つ例を挙げて図でまとめると以下のようになります。
このように三毛猫の雌は生まれてくることが多いのですが、雄に産まれてくることは基本的にありません(今回は父猫を茶色、母猫を黒色の例を挙げましたが、父母の色を逆にしても雄に三毛猫が産まれることはありません。また、親猫に白色が発現していても常染色体上の遺伝なので遺伝には関係しません)。
では、どのような場合に雄の三毛猫が産まれてくるのか。クラインフェルター症候群という場合です。これは本来、XYという染色体の組み合わせをもたなければならない雄が、染色体異常によってXXYという性染色体の組み合わせをもって産まれてくる異常です。この場合には雄でもX染色体を2本もち、茶と黒2つの体毛の色を発現できることになり、常染色体の白色が発現した場合に雄でも三毛猫となります。雄の三毛猫が産まれてくる確率は大体、数万匹に1匹くらいの確率といわれており、相当珍しいことがわかります。
ただ、このクラインフェルター症候群となってしまった猫には染色体異常により繁殖能力がない場合が多く、さらに短命な場合も多いようです。
実はこのクラインフェルター症候群というのは犬や馬、さらには人間もなることがあります。人間がかかってしまうと、病気がちであったり、声変わりをしない、筋肉がつきにくいなどの症状が出ることもあるようです。
さらに、クラインフェルター症候群では染色体の組み合わせとしてXXYだけでなくごく稀にXXXYやXXXXYとなる場合もあるようで、このXの数が増えるほど病状が深刻になる傾向があるようです。
いかがでしたでしょうか?学校ではなかなかこのようなことは教えてくれないとは思いますが、教科書の勉強だけでなく雑学なども知り、興味を持つことで生物の勉強効率というのは飛躍的にアップします!
ぜひまた勉強の息抜きなどで読んでいただければと思います☆
生物を使って難関大学を狙っている人は以下の記事を参考にしてみてください!難関大学に対応するための生物の勉強法とおすすめの参考書をご紹介しています!
*この記事はEureka特集の記事です*
Eureka特集では科学の面白ニュースを受験に関連させてまとめています!