【Eureka#08】魔法の技術!?ICカードの仕組みとは
前回のEureka→【Eureka#07】入試と実際の研究はこんなにも違っているんだ!
第8回のEurekaは物理記事の第二回目となります!前回の物理記事では虹のでき方について説明いたしましたが、今回は多くの高校生がほぼ毎日使っているであろう、SUICA,PASMOなどのICカードの仕組みを解説しちゃいます!
前回の物理記事→【Eureka#04】高校物理で虹の正体を突き止めよう!
電車通学の人は通学時改札を通るときにこのICカードを使っていると思いますが、よく考えるとこのICカード、すごいですよね。だって、電源も何もついているようには見えないのに読み取り部分に近づけるだけで作動するんですもの。いったいどういう仕組みで動いているんでしょうか。
上の図は、ICカードの中身を簡単に表したものです。ICカードの中にはコイル式アンテナがまかれており、さらにそのアンテナはICチップにつながれています。さらに、改札についているPASMOなどを近づける部分(リーダー/ライター)からは磁場が常に発生しています。ここまできたら、何となく仕組みがわかった人もいるのではないでしょうか?ぜひ一度ここで考えてみてください!大学受験でも出てくる、ある物理の法則が使われているんです!
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それでは正解発表です!
実は、ICカードにはファラデーの電磁誘導の法則が使われているのです!電磁誘導とは、コイル内の磁束が変化するとコイルに電流が流れるという法則です。どういう仕組みになっているのか、順に解説していきます。
①まず、ICカードをリーダー/ライターに近づけると、リーダー/ライターから発生している磁場がICカードを貫きます。そうすると、ICカード内部のコイル式アンテナを貫く磁束が変化するため、ファラデーの電磁誘導の法則に従いコイルに誘導起電力が発生します。
②そうすると、コイル内を電流が流れてICチップが起動します。
③また、コイル内に電流が流れることでリーダー/ライターから発生している磁場とは逆向きに磁場が発生して、リーダー/ライターに情報が転送されます。
このようにして磁場が行ったり来たりすることで、PASMOは通過した改札口が何駅のものかなどの情報を、リーダー/ライターはPASMOの残額などの情報を得ることができる訳です。
いかがでしたでしょうか!魔法とも思えるICカードには実は高校物理で習う電磁誘導の仕組みが応用されていたんですね!物理の勉強をするときに、その内容がなんの役に立っているかを考えながら勉強すれば物理がより一層楽しくなるかもしれませんね。
次回のEurekaは数学の記事です。来週もぜひご覧ください!
*この記事はEureka特集の記事です*
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