【物理・力学編】公式一覧とその覚えるコツまで、これでアナタも力学マスター
「公式を覚えるために来ました!」という人、もしかしたら物理の勉強法を間違えてるかもしれませんよ!
どの教科でも勉強法を間違えたままだと思うように点数が上がりません。この記事は公式一覧とともに、その勉強法の入り口である物理の公式の本質についても書きました。
どのサイトの記事にもない内容だと思うので最後まで読んでいってくださいね!「勉強法なんてもうあるよ!」という人はド忘れしたときの「物理公式辞書」のように使ってくれても構いません。自分に合った使い方をして物理をマスターしてください!
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♢目次♢
公式一覧とその意味 | 公式の背後にある理論を理解することが重要 | 例として等加速度運動や遠心力の公式の成り立ちを説明 | 公式を単に覚えるのではなく、その意味を理解することが大切 | 基本的な運動方程式やエネルギー保存則の紹介 |
公式の覚え方とアプローチ | 公式を単に暗記するのではなく、その意味を理解することが重要 | 問題を解くことで公式の使い方を覚えること | 図を描くことで視覚的に理解することが推奨される | 公式の変化と組み合わせの理解を深めるための具体的な方法の提示 |
おすすめの参考書 | 「物理のエッセンス」など、具体的な参考書の紹介 | 参考書の特徴と、それぞれのポイントに関連する部分の説明 | 効率的な学習のための参考書の使い方 | 物理の理解を深めるための追加のリソースの紹介 |
直線上の運動
等加速度運動
v=v0+at
s=v0t+(1/2)at2
v2-v02=2as
自由落下
v=gt
s=(1/2)gt2
鉛直投げ上げ
v=v0-gt
s=v0t-(1/2)gt2
aから見たbの相対速度u
u=vb-va
運動の法則
運動方程式
ma=F
最大静止摩擦力
F=μN
動摩擦力
F=μ’N
フックの法則
F=kx
円運動と万有引力
等速度運動の速さ
v=rω
円運動の加速度
a=rω2=v2/r
角速度
ω=2πf=2π/T
周期Tと回転数f(振動数Hz)
T=1/f
向心力
mv2/r、mrω2
遠心力
mv2/r、mrω2
万有引力
F=GmM/r2
万有引力による位置エネルギー
U=-(GmM/r)
面積速度一定の法則
(1/2)rv=(1/2)r’v’
ケプラーの第三法則
T^2=ka3(楕円の長軸の半分a、惑星の公転周期T)
単振動
単振動の変位(振幅A、角速度ω)
S=Asinωt
単振動の速度
v=Aωcosωt
単振動の加速度
a=-Aωsinωt
単振り子の周期
T=2π√l/g
バネ振り子の周期T
T=2π√m/k
円運動・単振動の深い理解はこちら↓
仕事W
W=Fxcosθ
仕事率P
P=Fv=W/t
運動エネルギーK
K=(1/2)mv2
エネルギー原理
(1/2)mv2+W=(1/2)mv’2
重力の位置エネルギーU
U=mgh
弾性力の位置エネルギーU’
U’=(1/2)kx2
運動量と力積
運動量P
p=mv
力積
I=mv’-mv=F⊿t
運動量保存の法則
mv+MV=mv’+MV’
反発係数e
e=—(v’-V’)/(v-V)
e=1:(完全)弾性衝突
0<e<1:非弾性衝突
e=0:完全非弾性衝突
剛体と重心
力のモーメント
N=rF
重心の位置
x=(mx+MX)/(m+M)
圧力と浮力
圧力p(面積S)
p=F/S
浮力(水の密度p)
F=pVg
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物理の公式を覚える前の注意点!!
公式を覚えるだけでは意味がない!
高校物理は公式をただ覚えれば点数が伸びる!と思っている学生が何と多いことか…。上記の公式を全て覚えただけで問題が解けるほど物理は甘くないです。覚えるには覚えるのですが、語呂合わせや英単語の暗記のような覚え方ではありません。
例えばma=Fって、この形そのままで使った事なんてありませんよね笑
Fには人の押す力があったり、摩擦が働いたり、バネに引っ張られていたり…Fには複数のいろいろな力が入り、複雑になる事がほとんどです。
そこが英単語の暗記法と同じにしてはいけない理由です!
具体的に英単語の暗記と比較して説明していきましょう!
公式による覚え方の違い
いきなりですが自分は中学時代、buy-bought-boughtの不規則変化の暗記にとても苦戦していました…
最初にこれを見たとき、buyがboughtの過去形だ!なんて予想がつかなかったからです。「なんでこんなに変わっちゃうんだよ…」これ、すごい覚えにくかったです。さらに、いざ問題に取り掛かろう!と、boughtを空欄の穴埋めで使おうとすると難しいこと難しいこと。文を読んで原型か過去形か選び、スペルを思い出して書くだけなのに。ちょっとの変化なのにそれを使いこなすとなると一気に難しくなります。
ここでいうbuyは公式ma=F。原型というべき形です。そしてboughtはma=色々。作用する力によって、式の形が原型から変わります。英語は「原型,過去形,過去分詞」の3つで終わりですが、物理は「ma=F,ma=kx,ma=F-μ’N,ma=mg-pVg…」と挙げればきりがありません。ほぼ無限に上げることができる変化のパターンを丸暗記は不可能です。さらに、立式した運動方程式を等加速度運動の式などと連立して問題を解くので「boughtの穴埋め」よりも使いこなすのに難易度が高いです。以上のことより、物理の公式は英単語の暗記方法と同じではいけません。すべてのパターンの変化に対応し、自由に使いこなすにはその式の根本的なところを理解することが大事なのです。
だから
物理らしい公式の覚え方
があるのです。
では根本的な理解をするためにはどの点を意識して覚えなければいけないのか、3つのポイントに分けて説明していきます!
物理の公式を覚える際に意識してほしい3つ
①すべての公式には意味がある
それぞれの公式にはちゃんと成り立ちに意味があります。そこを理解しないことにはどの式を使っていいのか、最初につまずいてしまいます。速度の式を例に理解してみましょう。
v=v0+at(加速度a一定)
とあります。これは初速度v0加速度aの物体が
速度vはt秒後には
どれくらいですか?
という式です。
加速度とは1秒あたりの速度変化です。簡単に言うと1秒でどれくらい加速するかということ。a=2ならば、1秒で2(m/s)加速、2秒で4(m/s)加速…t秒後には2t(m/s)加速するのか!と。
これを一般化するとt秒後にはat加速するという意味になります。さらに物体は加速する前に、もともと速度を持っているかもしれません。だから初速度を考慮してv=v0+atという形ができあがります。これで「速度vはt秒後にはv0+at」という式ができあがります!加速度aの意味、初速度v0を持っているかもしれないということをしっかり理解していれば、公式を暗記せずとも自力で公式を導くことができます。
もう1つ例を挙げてみましょう。
遠心力の式mv2/r、mrω2の意味を読み取っていましょう。mv2/r?mrω2?なんで力に速度とか半径とかででくるの?今まで習ったことと違うじゃん!疑問が多くあると思うのですが、少し基本に帰って考えましょう。
遠心力とはいわば、円運動の最中にはたらく見かけの力です。「力」ということはma=Fで表せるはずです。質量mは問題で定義してくれるから、あとは円運動の加速度がわかれば、力として表せそうだ!円運動の加速度ってどこかであったような…a=rω2=v2/rだったなぁ。あっ!代入したらmv2/r、mrω2になった!そういう意味だったのか!このように「力であれば運動方程式ma=Fという形になる。」という根幹を押さえておけば、なぜ遠心力の式がmv2/r、mrω2になるのか説明できます。また、遠心力の式と円運動の加速度の2つの式を別個にして覚える必要もなくなります。しかしこう見ると、なぜ円運動の加速度aはrω2、v2/rとなるのか、すごい気になりますね…。その探究心goodです!今度は調べたり、先生に質問したりして自分の力で意味の理解にチャレンジしてみましょう。学校・予備校の先生たちや無料質問サイトは自力での理解を手助けするために存在するのです。思いっきり活用しましょう!
語呂合わせで覚えようとすることは、この重要な意味を無視して覚えようとしています。入門として語呂合わせで覚えることはいいのですが、それでは物理の本質にも点数にもつながりません。それぞれの物理量を理解して、その公式が何を言いたいのか、意味をしっかり理解しましょう。
意味の説明しづらい公式も
万有引力Fの公式などは意味があるというよりは、様々な実験数値や仮説から「こうすると力が表せるぞ!」と立てられた公式です。「なんでrの2乗で割るの?」「なんで質量の積なの?」など考えても高校物理では答えは出ません。必ずそうなると決まったものなので、ここは割り切って覚えましょう。
②変化する公式をとらえろ!
さきほどお話しした通り、物理公式の変化はまさに無限大です!
ma=FのFには押す力、摩擦、バネ、浮力、遠心力などなど…Fには複数のいろいろな力が入り、複雑になる事がほとんどです。また、aも等加速度の式と組み合わせたりして求めるのにも出すのにも一筋縄ではいかないかもしれません。公式を覚える段階、つまり「入門で」公式の意味を余すことなく理解し、無限の変化に対応できるというのはできなくはないと思いますがかなり無理な話です笑
つまり、無限の変化を自力で想像するには効率が悪い。ということです。
では効率よくするためにはどうすればいいのか?それは問題にたくさん触れる事です!問題の力を借りることで「この公式、こんな使い方もあるのか」と新しい式の変化、考え方が身につきます。新しい考えを何回も復習することで自分の考えのように定着させます。これが何回も同じ問題集を解く意味にもなります。問題集を使うことで想像出来る範囲を効率的に伸ばすことができます。貯めた知識を生かし、さらに変化を想像して難問へと立ち向かっていきます!
③組み合わせてできた公式
実はv2-v02=2asって
v=v0+at
s=v0t+(1/2)at2
の2つを使って作られたものなのです!v=v0+atをt=になおしてs=v0t+(1/2)at2のtに代入すると簡単に出すことができます。
少しレベルの高い応用式だと、2つの物体の衝突後の速度v’={(m-eM)/(m+M)}vという公式があります。これは運動量保存則と跳ね返り係数の連立方程式で出せます!
この複雑な公式を思い出し、vの符号を考えたり、どっちがどっちの質量か問題に合わせたり…と複雑な式を無理に使おうとするよりも、運動保存則と跳ね返りをそれぞれ立ててから連立して出す方が覚える手間も省けると思います。
ただ闇雲に覚えるのも辛いですし、たくさん覚えてもどれを使っていいか混乱していまいます。そのため自分で作れる公式は覚えない方がいいです。(でも覚えられて使いこなせる方は、覚えた方が効率的です!)
それでは物理公式の覚え方は
この3つを意識した上で公式を覚えていけば、単語帳のように覚えるよりはるかに点数が伸びます。それでは肝心な覚えかたはというと…ズバリ!
「問題を解きながら覚える」
ことです。使用するものとしては、教科書や物理の入門書を使うといいと思います。
1.公式を見て意味の理解に努める。
2.公式を使った簡単な問題を解く。
3.数日後(3日後ぐらい)同じ問題を、公式を見ずに解く。
4.解けなかった場合は公式を見て、また数日後チャレンジ!
「公式を覚えてから解こう」よりも「問題を解きながら公式を覚えよう」の方が問題を通して①②を自然に意識することができるので断然オススメです!
また、問題を解く時に図を書くことも大事です。①のような公式の意味を理解する時に、視覚的に理解できるだけでなく、今何が起きているか、わかっている証拠になります。今何が起きているか理解していれば、あとはそれにあった公式を使うだけです。この図を描くことは公式を覚えることだけでなく、力学の問題を解くコツでもあります。ぜひ参考にしてみてください!
また3つのポイントを使って自分で全てを理解をしようとするのは時々、辛いところがあります。自分で考えることももちろん大切なんですが、本当にわからない時は学校の先生など人に直接わかりやすく教えてもらいましょう。自分にはない考え方を教えてくれるはずです。
物理の成績を伸ばすおすすめ参考書
力学を進めていく上でオススメの参考書を紹介したいと思います。( )の中はさっき述べた3つのポイントどこを意識できるか、書いておきました!
物理のエッセンス
> 物理のエッセンス 力学・波動 (河合塾シリーズ)(Amazon)
物理のエッセンスについてもっと詳しく特徴や使い方を知りたい受験生は以下の記事を読みましょう!
やまぐち健一のわくわく物理探検隊NEO
リードα (①②)
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良問の風(①②)
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物理の重要問題集(②③)
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名門の森(②③)
名問の森について詳しく特徴や使い方を知りたい受験生は以下の記事を読みましょう!
最後に
このようにして理解した公式はきっと物理の難問に立ち向かう基盤の力になります。ただ覚えるだけ、というのは絶対やめましょう。最初にも言った通り、この記事は確認のための辞書のような感覚で使ってください!
最後まで読んでくれた人は、きっと物理入門者や勉強法に不安があった人だと思います。その人たちは、この記事を読んだ今日がスタートです!!頑張っていきましょう!
問題を解きながら公式を覚えていくスタイルで、
力学マスターを
目指しましょう!
東大生が力学の単振動分野について解説しています。実力アップのためにぜひ目を通してください。
物理の重要な分野の公式と勉強法は以下の記事を参考にしてください。
大学受験生で物理を使う受験生におすすめの動画
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現在は横浜の事務所でWebサイトやYoutubeなどのメディア運営と、オンラインの面談で受験生の独学を支援。東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県など首都圏を中心に、愛知県や兵庫県など、北海道から沖縄まで全国の受験生がイクスタコーチで志望校に合格。MARCH受験者の90%以上がMARCHを確保。
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