【Eureka#11】有機化学反応ってどうやって起こっているの?例題を元にプロセスを追ってみよう!
こんにちは!今週はメンターのHiroshiが担当します。今回は化学について書いていきます!
高校化学では有機化学反応に関して、どのように反応が起こるかまで触れないこともあります。今回は例題を用いながら実際の反応プロセスを確認してきます!具体的なプロセスを知ることで、反応がイメージしやすくなると思いますよ!
前回のEurekaの記事は…
実は…5億年生きたクラゲが存在するんです!!人間に応用することで、、もしかしたら!?
気になる人は
を読んでみてください!
今回の問題
以下の反応によって得られる化合物の名称と構造式を答えよ。
①シクロヘキセンに臭化水素を反応させる
②臭化鉄(Ⅲ)触媒下、ベンゼンに臭素を反応させる。
解答
①ブロモシクロヘキサン
②ブロモベンゼン
解説
今回の問題は入試問題ではなく有機化学の基本的な問題です。教科書レベルの問題なので分からなかった人はよく確認しておきましょう。
有機化学の反応ってどうやって起こっているの?
以前有機化学の記事で、「どの部分が」「どのように反応して」「どんな化合物を生成するのか」を見るのが有機化学のメインとお話ししました。(有機化学は丸暗記じゃない!得点源にするためのアドバイス 参照)
しかし、大学入試では「どのように反応して」の部分はあまり触れられません。今回はどのように反応しているのかについて詳しく見てみましょう!
有機化学反応は以下の4つに分類されます
・付加反応
…エチレンに臭化水素が付加してブロモエタンになるような反応
・脱離反応
…酸触媒により(H+存在下で)エタノールから水分子が脱離してエチレンになるような反応
・置換反応
…紫外線照射下でメタンと塩素を反応させてクロロメタンを得るような反応
・転移反応
…1-ブテンを酸触媒で処理すると2-ブテンになるような反応
おそらくどれも知っているはずです。
次に反応がどのように起こるのかについて考えてみましょう。反応がどのようにして起こるかを全体にわたって記述したものを反応機構といいます。反応機構は電子のやり取りで議論します。
反応機構としてラジカル反応と極性反応というものがあります。結合が切れる際に結合が電子的に対称的に切れ、生成する2つの成分に電子が1個ずつ残る場合をラジカル反応といい、電子的に非対称に切れ、生成する2つの成分のうち一方が結合電子を全てもつ場合を極性反応といいます。
簡単にいうと電子を2つもつ共有電子対のうち、1つずつが使われて反応するのがラジカル反応であり、2つともが反応するのが極性反応です。
具体的な反応機構をいくつか見てみましょう。
①の反応は以下のように表されます。
上図のように反応機構は電子の流れを矢印を用いて表します。
②の反応は以下のように表されます。
簡単に説明すると、まず臭化鉄(Ⅲ)により臭素を活性化させ、活性化した臭素とベンゼンが反応してブロモベンゼンが生成します。
終わりに
このように有機化学の反応は電子のやり取りで議論されます。高校では反応物と生成物しか見ないので、一見単純に見える反応でも反応機構を考えると複雑なものも多くあります。また、電子が実際にやり取りをするので、どういう理論さえわかれば丸暗記をしなくても反応が覚えられます。
どうしても覚えられないという人は簡単ではないですがぜひチャレンジしてみてください!大学で化学や生物をやる人は有機化学は必ず学習するので、参考にしてみてください!
今回この記事を書くのに東京化学同人のマクマリー有機化学(上)という本を使いました。この本は大学で化学をやる人に知らない人はいないくらい有名な本なので、有機化学が大好き!って人で興味ある人は持っていてもよいかもしれませんね。
今回は導入として化学の基本問題を例題として出題しましたが、難関大学を目指す場合にはもっと難しい問題を解けるようにならなければなりません。難関大学を目指すための化学の勉強法や参考書がわからない場合には以下の記事を参考にしてください!
*この記事はEureka特集の記事です*
Eureka特集では科学の面白ニュースを受験に関連させてまとめています!
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