早稲田大学政治経済学部-私立大学最難関学部のリアルを在学生が紹介

みなさん、こんにちは!!

現在、早稲田大学 政治経済学部 政治学科に通ういぶきです。

突然ですが、早稲田の政経と聞いてどんなイメージを持ちますか??

早稲田の看板学部とか早慶の最難関学部とかいったところなんじゃないでしょうか。

受験生の時代の私もこの学部に対して「とりあえずめちゃくちゃ難しい学部」という印象を抱いていました。

私が受験勉強を始めたのは高校2年生の夏と秋の間あたり。

当時の学力は偏差値でいえば50に満たないという状況。早稲田の他の学部を第一志望としていたものの、「早稲田の政経は絶対に無理。自分なんかが目指していいところじゃない」とさえ思っていました。

ところが、コツコツと勉強を続けた結果、思った以上に成績が伸びたため、

やるからには一番難しいところがいいという軽い(?)気持ちも後押しし、

高校3年生の4月あたりに第一志望校を政治経済学部に変更しました。

やはり目標が高くなればその分やる気はでるもので、絶対うかってやる!と燃え上がったことを覚えています。

 

しかし一方で、具体的な志望動機もないまま受験勉強をしていくことに

何か物足りなさを感じてはいました。

本当にこのままでいいんだろうか、本当に明確な理由もないまま勉強していていいんだろうか

という思いが沸々と自分の心の中に湧き上がっていたのです。

 

そんな悶々とした気持ちを抱えていた高校3年生の7月、転機が訪れました。

安全保障関連法案が非常に話題になっていた時です。今何かすごいことが起こっているんだ、

とテレビの前で呆然としながらも、実際に何が起こっているのか詳しいことはわからないこと自分に

強いもどかしさを覚えました。

政治学を学ばなければ!

これが私が大学で政治をしっかり勉強したいと思った瞬間です。

その後、改めて早稲田大学のパンフレットを見ると、

まさに今学びたいと思っている分野の授業を受けることができることに気づいたのです。

他の大学でも、早稲田の他の学部でもなく、

「俺は早稲田の政経に行くしかない。」と思えたのは、この時が最初でした。

 

そこから合格体験記にも書いたようにひたすら勉強し、

結果的に第一志望校の合格を掴み取ることができました!


参考:偏差値50の高校から早稲田大学政治経済学部に合格できたワケ - イクスタ


受験生の時は、単なるイメージを抱くにとどまっていた政治経済学部ですが、

実際に入学してみると思った通りのことや、意外だったことがいろいろと見えてきました。

今回はそんな早稲田大学政治経済学部について、在学生の視点から綴っていきます。

今回の記事で気になったらぜひ公式HPを覗いてみてください。合格して在学生になったらという目線で学部ニュースを見てみるとメラメラと燃えてくるはずです。

参考:早稲田大学 政治経済学部 - 早稲田大学公式HP

政治経済学ってなに?

では、そもそも学部の名前にもなっている政治経済学とは一体何なのでしょうか??

例えば、同じく最難関私立大学の慶應義塾大学においては、政治を学ぶのは法学部の政治学科ですし、

その他の多くの大学でも政治学科は法学部の中に存在し経済学部とは切り離されていることがほとんどです。

 

政治経済学はというと、理論経済学に対する批判から生まれました。少し難しい話になりますが、この理論経済学とは人々の経済活動を、例えば数式などを用いて理論化することを目的とする学問です。

著名な理論経済学の学者には世界史でも登場するアダム・スミスミルトン・フリードマンなどがいます。

 

この批判のというのは、人間の行動というものは合理性だけで成り立っているわけではないというものです。

その例としては、選挙において有権者一人の一票が実際の政治に与える影響はごくごくわずかなものにも関わらず、有権者は時間と労力をかけて投票に行くといった行動が挙げられるでしょう。

 

よって数式だけで人間の行動をすべて説明しようとしてもいつかは限界がきます。そして理論と現実は離れていき、最終的には机上の空論に過ぎないものとなってしまう可能性が生じてきます。

 

まさにこの理論経済学の問題点を指摘したのが政治経済学です。

政治経済学では、現実の政治と経済が相互に影響を及ぼしあっていると考え、実践的な経済理論を構築することを目指します。つまり、経済現象を政治制度・社会制度と合わせて分析する経済学ということです

 

そして、この政治経済学を学ぶために日本で最初に作られたのが早稲田大学の政治経済学部なのです。

また早稲田大学の創設者が計2回の総理大臣を務めた政治家、大隈重信だったということもあり、政治経済学部は早稲田大学の看板学部となり今に至っています。

◯ イクスタでは早稲田の在校生が他の学部についても紹介しています!◯

参考:【早稲田教育学部】12種類の専修紹介から入試対策まで。教育学部なのに実は先生にならない?

参考:早稲田国際教養ってどんなところ?現役学部生が徹底解説!

参考:早稲田大学文化構想の謎 ~ 一体何やってるのか現役の在籍生がご紹介 ~

参考:自称進学校に通い、予備校なしで早稲田社学に受かった話する。

【政治経済学部の学科について】

この政治経済学部には以下のように3つの学科が存在します。

◯ 政治学科

◯ 経済学科

◯ 国際政治経済学部

この学科は、出願の時点で決定します。つまり本番の入試は政治経済学部全体で、というわけではなく、自分が選択した学科に出願した受験生間での戦いとなります。そのため毎年学科毎に合格最低点が変動します。

 

私が受けた年度は政治学科の合格最低点が最も高かったと言われていますが、

毎年、各学科間での合格最低点の差は誤差程度ですので、自分が一番行きたいと思う学科を選ぶようにしましょう。

 

政治学科の概要とカリキュラム紹介

まずは私の通う政治学科についてです。

政治学科は、学問の独立と自律的な市民社会の確立という建学の精神を今に受け継いでいます。その精神は、経済学との密接な連携により、生きた政治現象を分析し、日本から世界に発信できる学問をめざすという高い理想に反映されています。制度や理論・歴史や思想・地域や国際関係など多くの領域にまたがる複合的な学問領域としての政治学にふさわしい段階的・体系的カリキュラムを準備し、セミナー等の少人数教育を組み合わせることで、政治現象を専門的かつ主体的に考えることのできる人材を育成します。建設的な批判精神をそなえ、国際・政治・経済・言論・公務など多様な分野で冷静に、献身的にそしてグローバルに活躍できるリーダーの養成をめざします。(早稲田大学政治経済学部HPから一部抜粋)

というのが、この政治学科の建前になります。

 

1年生から4年生までの授業体系は主に下の画像のようになっています。

一年次は基本的にこの入門科目や基礎科目を学び、2年生以降により深く政治学を学んでいくという流れです。

 

他学部の授業も比較的自由にとることができるのが早稲田の魅力でもあります。

 

上にも紹介した必修の授業の一つに「政治学基礎文献研究」という授業があるのですが、

使用するテキストが辞書のように分厚い(!)英語の政治学のテキストで、おそらくほとんどの学生は

最初に手に取ったときに軽くびびると思います。

 

イギリスの大学生も同じテキストを授業で使っているらしいですが、一般試験で早稲田の政経に入ってくる学生であれば問題ないはずです。

早慶の英語に対応できる力があれば、英語を使うその他の授業のほとんどについていけると思うので安心してください。

経済学科の概要とカリキュラムについて

次は経済学科です。

主に授業で扱う分野このような感じになります。

政治学科とは異なり、例えば、ミクロ経済学や経済数学等の必修の授業で必ず数学を使うことになります。

数Ⅲの範囲も当然出てくるので、数学が苦手な文系の受験生は注意が必要です。

ここでの数学はレベルが高いものは相当高く、数学受験で入ってきた友達も相当苦労していました。

国際政治経済学科の概要とカリキュラム

最後に国際政治経済学科です。

この学科の定員は3学科で最も少ないため学内で出会う頻度はなかなか低いです。

この国際政治経済学科では学科名に”政治経済”と銘打たれているだけあって、政治学、経済学、両方の授業を必ず受けることになります。これは他の2学科とは異なるところです。

 

この意味で最も”政治経済”学部らしいのはこの国際政治経済学科かもしれません。

政治と経済の授業を取らなければいけないこともあり、必修の授業数が最も多く、自由に組むことのできる授業があまり多くないです。

 

この3学科の学部内での関わりですが、普通の大教室で受ける授業で関わりを持つことはほぼないです。

一方で英語の授業や第二外国語の授業は学科関係なくクラスが組まれ、その上少人数制なので、比較的濃い関わりを持てると思います。私の場合も学内での最も仲の良い友人たちはドイツ語のクラスで知り合った人たちです。

【政治経済学部での授業について】

実際のところ授業はどんな感じなのかと疑問を持たれる方もいると思います。

授業の大まかな傾向としては主体的に勉強する意思がなければ何も学べないが、その意思さえあればいくらでも学ぶことができる、といった感じでしょうか。

 

参考:早稲田は何も教えてくれない。でも、やりたいことがあれば何でもできるところだ - イクスタ


大学では高校までの授業と違って、教えられる内容というのが決まっているわけではないので、教授の加減によって授業の内容・難易度が大きく変わってきます。

早稲田ではは教授が学生の能力を認めていることがほとんどですので(やればできんだろこいつらみたいな感じです)、レベルの高い授業が多いです。しっかりやればちゃんと勉強できます。

 

他にも授業で課題となった本を読むことや、レポートを書くことで得られる知識やノウハウも結構大きいです。

なかには週2回の授業でレポート提出4回、小テスト4回(当然テストもある)が課題として出される授業もありました。

 

授業の面白さに関して言えば、事前に情報収集して選ぶということが大切です。

すでに大学に通っている先輩から話を聞いたり、ほとんどの授業の評判が網羅されている「マイルストーン」という雑誌などを基に調べるなどして授業について調べておくといいと思います!

 

【学部内の雰囲気について】

早稲田には多くの学部がありますが、文系学部に限って言えば真面目に勉強している人が一番目立つのが政治経済学部という印象があります。

東京大学などの難関国立大学に落ちてこの学部に来る人も多く、本当に優秀な人がゴロゴロしてます。

 

もちろん勉強一切せずに遊び呆けている人も、自分の趣味に全力で取り組んでいるひともいて、これが早稲田大学の多様性に繋がっていると言えると思います。

やっぱみんながみんな勉強だけしてたらつまらないですよ。

学生がそれぞれ違った方向を向いて行動している点も早稲田大学のいいところだと思います。

【政治経済学部の校舎】

早稲田大学では、学部によって使う校舎が分かれています。そのため各学部生は自分の学部の校舎に誇りを持っています(笑)

 

政治経済学部がメインで使うことになる3号館は2014年に改装され、めちゃくちゃきれいになりました。

オープンキャンパスで初めてこの校舎を見た時は、絶対ここに受かって勉強するんだ!と決意したのを覚えています。

いまだに校舎に入るだけでテンションが上がります!

【政治経済学部からの留学】

早稲田大学は、日本で最も海外の大学に留学する学生数が多いと言われています。

周りにもすでに留学に行ってきた先輩や留学を考えている同級生が多いです。

 

基本的に留学するための選択肢としては①交換留学②私費留学の二つが存在します。

交換留学の仕組み

①の交換留学はTOEFLの点数や大学での成績を基に校内選考を行い、それに選ばれた学生のみが留学先の大学にアプライできます。

 

この留学方法の大きなメリットは授業料を留学先の大学に払うのではなく、通っている大学に授業料をそのまま払い続けるだけでいいので、②の私費留学よりも圧倒的に安く留学に行けるというところにあります。

学生側が負担するのは基本的に滞在費のみとなります。

 私費留学の仕組み

一方、②の私費留学は校内選考を経ずに留学に行くことは出来るのですが、授業料は留学先の大学に払うことになるため、アメリカやイギリスといった授業料の高い地域の大学に行く場合は、非常に重い金銭的負担を強いられます。

また私費留学で留学に行く人は、もともと所属している大学を休学して留学に行くことになるため、4年で卒業できなくなる可能性が高くなります。 

多くの大学では、卒業時に必要な単位数とは別に一年間で取れる単位数の上限が決まっており、基本的には3年間で卒業に必要な単位を獲得することができないようになっています。

そのため、長期の、例えば一年間の留学に行く場合には留学先の大学でとった単位をもともと通っていた大学の単位に変えてもらう必要があります。 

この単位変換のしやすさにも各学部によって差があるのですが、政治経済学部は国際教養学部に次いで単位変換がしやすいということも言われており、留学をしやすい環境が整っていると言えると思います。

【早稲田といえばわせめし!】

ここでちょっと話は変わりますが、早稲田大学の周辺は安くて美味しい食べ物に溢れています。

早稲田駅の周辺でも油そばの店が何軒もあったり、その隣の高田馬場駅では有名なラーメンの店や安い居酒屋が、神楽坂駅ではおしゃれなカフェやフランス料理の店が軒を連ねています。

早稲田に来たら間違いなく太りますよ。(笑)

【最後に】

私が受験勉強を始めたのは、高校2年生の夏でした。

当時の自分にとって早稲田大学は雲の上の存在で、ましてやその最難関学部である政治経済学部は志望することすら考えていませんでした。

 

結局、政治経済学部を第一志望学部にしたのは3年生になる直前だったと思いますが、絶対に早稲田で、早稲田の政経で勉強するんだという強い気持ちが自分を非常に駆り立ててくれました。

 

通学時の電車で単語帳を開いていない時間はなかったですし、駅から高校までの歩いていく間も参考書を片手に登校していました。

学校の授業の間もそのほとんど時間を内職に割き、学校が終われば直行で予備校に向かい閉館まで勉強するという生活を受験が終わるまで続けました。

 

こんなに勉強できないよと思う人もいるかもしれません。

 

しかし、私自身も勉強することが決して得意だった訳ではありません。

中学時代は定期テスト前日すら勉強せず、高校受験の勉強もほとんどしていないようなもので、結局行ったのは早慶の合格者が毎年一人もいない偏差値50の高校でした。

 

そんな自分でさえも早稲田に受かるという夢を抱くことで、自分でも驚くくらい勉強ができるようになったのです。

 

たとえ今の学力がはるかに足りていなかったとしても、

本当に行きたい大学があるのなら全力で目指してください。

 

その大学に受かる、受からないは関係なく、必ずその経験はあなたの人生を変えるはずです。応援しています。

 

冒頭でも紹介した私の合格体験記「偏差値50の高校から早稲田大学政治経済学部に合格できたワケ」も

是非読んでみてください!模試の成績や試験本番の雰囲気についても詳しく書いてあります。


参考:偏差値50の高校から早稲田大学政治経済学部に合格できたワケ - イクスタ

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