東大A判定だった僕が教える東大地理を対策する上で知っておきたい勉強法や参考書
こんにちは。一橋大学3年生の宮本です。
今回は東京大学の地理について書かせていただきます!私は東京大学を「世界史」「地理」で受験しました。
入試問題の地理が好きで、楽しくかつ早く解くように心がけていました!
◇目次◇
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1. 東京大学の入試情報
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2. 東大地理の傾向と特徴
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3. 東大地理の勉強法
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5. 東大地理の過去問の使い方
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6. まとめ
1.東京大学の地理入試情報 | 東大の地理は試験時間150分で3題構成 | 高校範囲の知識で対応可能 | 地形図の読み取りやグラフの解釈が重要 | 知識の関連付けが重視される |
2.東大地理の勉強法 | 知識の蓄積と記述力の向上が必須 | 過去問演習が効果的 | 知識の関連付けと地図帳の活用が有効 | 記述力は過去問で磨く |
3.おすすめの参考書と過去問の使い方 | 「新詳資料 地理の研究」や「地理の完成」が有用 | 「村瀬の地理Bをはじめからていねいに」で基礎固め | 過去問演習で実戦力を養う | 実戦模試で記述力を強化 |
東京大学の入試情報
日本最高学府と名高い東京大学の入試は難易度が高いと言われていますが、知識偏重の問題で受験生を試してくる訳ではなく、高校までの学習範囲で充分対処できるものになっています。
また大学の入試案内によると「入学後の教養教育に十分に対応できる資質として,文系・理系にとらわれず幅広く学習し,国際的な広い視野と外国語によるコミュニケーション能力を備えていること」が挙げられ、「知識を詰めこむことよりも,持っている知識を関連づけて解を導く能力の高さを重視」すると明記されています。
受験生のみなさんは、一度入試案内を隅から隅まで読んでみてください!
各科目の配点
東京大学2次試験の配点は、以下の通りです。
共通テストは一般に5教科8科目900点満点を110点に圧縮したものです。外国語は「英語」のほかに「フランス語」「ドイツ語」「中国語」で受験できます。文系の地理歴史は「日本史」「世界史」「地理」から2つ、理系の理科は「物理」「化学」「生物」「地学」から2つ選ぶ形になっています。
試験時間
東京大学2次試験の試験時間は、文系の場合以下の通りです。
理系は国語100分、数学150分でそれ以外は同じような感じです。
東大地理の難易度
そもそも試験科目に「地理」がある大学自体がかなり少ないので、他の大学入試と比較しての難易度はよくわかりません。
ただし言えることは、地形図の読み取りやグラフの読み取り、多方面にわたる知識や高度な記述力が求められるため、難易度はトップクラスに難しいと思っていただければいいと思います。
東大地理の傾向と特徴
出題形式は3題構成
例年大問3題構成になっており、図表や地図の読み取りをしてそれに沿った記述をします。毎年必ず地形図の読み取り問題が出題され、そのほかはすべて図表読み取り問題とそれに関連した因果関係の考察問題です。
以下、平成28年入試を参考にしつつ、出題形式を簡単に示したものです。
各大問ABの2問構成になっていることも特徴ですね。大問内は統一されたテーマなので、Aで基本的なことを聞いてきてBで応用編というイメージでしょうか。
社会生活に関連した分野が頻出
大問1では五大陸や国といったかなり大きい地域設定で問題が出題されます。聞かれる内容は、例えば都市であったり人口であったりと、「社会」生活に関係した出題が多いイメージがあります。
大問2は選択肢があるとはいえ、図表の特徴から国などを特定し、それにそって記述をする傾向にあります。ですので、特定する国を間違えると大失点です。
ただし、図表の特徴はかなりわかりやすいものなので、幅広い知識を身につけておけば問題なくこなせるレベルです。主に穀物などの主要統計が出る傾向にあります。また経済活動に主眼を当てているイメージがあります。
大問3では地形図の読み取り問題が必ずと言っていいほど出題されます。それに関連して地形の名称や形成過程も必ずと言っていいほど出題されます。ただし、地形図の問題は練習を積めば難しくないので安心してください。
東大地理の勉強法
東大地理は私が知る限り専門の参考書がないため、地道に知識を蓄え記述力を向上させる以外道はありません。以下、東大地理対策の勉強法を詳しく書いていきましょう。
どんな参考書をどう使うか
過去問の研究をして傾向上わかることは、
図表読み取り力(つまり知識力)
地形図や地形読み取り力
記述力
の3点を磨く必要があるということです。ただし問題が東大に特化した参考書がないということですね。解決策としては先ほど述べたように、知識を蓄え記述力を磨いていくしかありません。参考書の効果的な使い方としては知識をひたすら蓄えていくということでしょう。
後程書いていきますが、ここで一番の参考書は過去問であると言っておきましょう!
東大地理を対策し始める時期
知識はあるに越したことはありません。ですので、早くから始めてほしいです。地理が得意(正確には知識がある)かどうかで、対策を始めた方がいいかなと思う時期を書いていきたいと思います。
地理が得意な(知識がある)人は高3の夏から
安定して30点以上取れる人は高3の夏から始めても十分です。知識の補充をしていくつもりで、他の科目に力を割くべきだと思います。知識と知識の紐づけを行う感じでやると得点アップしやすいです!
地理が苦手な(知識がない)人は高2の秋から
得意にしていきたい人もそうですが、高2秋から始めてもらいたいくらいです。最終的にどれくらい点数を取りたいのかにもよりますが、安定して30点以上取りたいのであれば、相当な知識量や地形図読み取り力が必要です。
特に地形図の読み取りは慣れないうちは場数が必要なので、早めに地形図を見て慣れていきましょう!
ここまで脅しましたが、高3で苦手な人も遅すぎるというわけではありません。これから共通テスト地理を勉強していくでしょうから、まずは共通テスト地理で確実に高得点を狙えるように知識を蓄え、図表をどうやって読んでいくべきか、どうやって記述していくべきかを共通テスト地理の選択肢から学んでみてください!それだけでかなり得点アップにつながりますよ!
ということで、いつやっても時すでに遅しということはありません。ただし、地歴は早めに手を付けて他の科目(英語や数学)に力を注ぐという方が得点アップにつながりやすいと思うので、早めに得意科目にしてしまいましょう
最初は知識を蓄える
最初のうちはひたすら知識を蓄えましょう!ただ知識を覚えていくだけだと忘れやすいので、関連知識と紐づけしていくと忘れにくいです。
私がやったこととして(時間がある方向けですが)、まず参考書を読んで知識を覚え、実際に出てきた地名を地図帳で眺めて知っている都市との位置関係などを確認し、ニュース検索して過去に話題に上ったことがないか調べてみました。
ここまでやると時間がかかるので、最後のニュース検索は興味ある都市だけでいいと思いますが、地図帳を活用して覚えていくと忘れにくいです!
記述力は過去問で磨く!
記述については、もう一方の地歴科目(世界史か日本史)で記述練習をしているはずなのでそこまで必要ないかもしれません。過去問演習など実際に問題を使って演習をしていくうちに記述力を磨くということでも、問題ないような気がします。
一番良い方法は、過去問演習をしてその記述答案を学校の先生などに見せることです!そのあとフィードバックをもらいましょう。
東大地理対策におすすめの参考書
新詳資料 地理の研究(帝国書院)
学校で地理の資料集が配布されていればそれで問題ないですが、筆者は追加で本書を購読しました。この参考書は図表と地図が多くて、直観的に理解しやすかったです。ただし、色合いが苦手な人もいるかもしれません。
地図帳(筆者は『新詳高等地図』帝国書院)
地理を選択した人は必ず地図帳を買ってください。そして暇さえあれば開き、新しい地名が出てきたら確認する癖をつけてみてください!もし地理を得意にしたい人は、マーカーや色ペンを使って地図帳に書き込みしていくといいかもしれないです!
地理の完成(帝国書院)
地理のマニアになりたいという人はぜひ読んでみてください。この参考書のいい所は、マニアックレベルの知識が多々見られること、そして地形図にかなりページを割いていることです。
村瀬の地理Bをはじめからていねいに(東進ブックス)
系統地理編と地誌編の2つがありますが、レベル的には共通テスト向きです。わかりやすく書いてあるので、地理を勉強しようという人には導入としていいかもしれません。
※この村瀬のはじめからていねいには最近絶版になってしまったので、中古を揃えるか、学研から出ている「村瀬のゼロからわかる」で代用することをおすすめします。地理は数年でデータが更新される科目なので新しいものを買ってください。
東大地理問題演習(東進ブックス)
東大地理に特化した唯一の参考書です。ただし東大の過去問をテーマ別にまとめたような参考書なので、過去問演習をする人にとっては少し物足りなくなります。
この参考書のいい所は、解答までのアプローチがしっかりと書かれているところで、どういう記述をしたらいいのか書いてあることです!
実戦模試演習東京大学への地理歴史(駿台文庫)
最新が2019年で止まっていますので、過去問が足りなくなったらこれを導入するという優先順位で良いと思います。
入試攻略問題集東京大学地理歴史(河合出版)
記述力を磨く参考書は本当に少ないので、問題演習を積むしかありません。実戦模試の過去問は解答がしっかり書かれているので、解答までのアプローチを学べます。また自分の知識の到達度を知るいい機会になります!
こちらも最新が2022年で止まっていますので、足りなくなったら中古で揃える意識でいきましょう。
東大地理の過去問の使い方
実戦模試を除けば記述力を磨く唯一の「参考書」です。
時間の区切り方をマスターしよう!
まず過去問演習では時間感覚を身に着けることが重要です。地理歴史は2科目まとめて150分なので、単純計算75分で3問終えなければいけません。筆者は世界史に時間を回したかったので70分で終える計算にし、大問1は20分、大問2は25分、大問3は25分という区切り方をイメージして解いていました。
図表の国推測と地形図は、ミスをしたら大問1つ落としかねないので、慎重に取り組んだ方がいいと思います!
ということで、自分の得手不得手を考えた上で75分以内に収まるよう時間配分を決めてください!
東大の過去問は高3の夏から!
高3の夏から始めるべきだと思います!なぜならば、高3の冬や直前期は英語数学国語に時間を回してほしいからです!
地理歴史を侮ってはいけませんが、やはり得点からして60点満点の科目よりも120点あるいは80点満点の科目を大事にしていくべきだと、個人的には思います。
高3の夏に過去問を少し解きはじめ、目安としては15年分ほど解いてみてください。そうすると何をやらなければいけないのかゴールが明確になるので、それを意識しつつ高3の秋から冬にかけて知識の補充を行ってください。
またこの時期は共通テストの勉強もあるかと思いますので、共通テスト地理にも生かせるように勉強しましょう!もしもっと過去問演習をしたいという人は、一橋大学の地理を解いてみてください。実は、東大地理よりも格段に難しいです(笑)
まとめ
最後に「地理」を勉強する人へ、アドバイスをさせていただきます。「地理」は現実世界に焦点を当てた実学です。ですので、できるだけ世の中のことに注意を向けてください。
今世界で何が起きているのか、何が問題なのか。見ようと聞こうとするだけでも知識の覚えは格段に違います。
「地理」を勉強するのであれば、せっかくなので現実世界の問題に注目して、受験勉強を「楽しんで」ください!
*この記事は東大対策特集の記事です*
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現在はWebサイトやYoutubeなどのメディア運営と、オンラインの面談で受験生の独学を支援。東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県など首都圏を中心に、愛知県や兵庫県など、北海道から沖縄まで全国の受験生がイクスタコーチで志望校に合格。MARCH受験者の90%以上がMARCHを確保。
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