自分の実力や志望校の合格可能性を測る手段は?模試はおすすめしません
独学で高校や予備校には通わずに高3から大学受験を本格的に始めました。MARCHといわれるところは全勝することができましたが、自分の成績を測る方法について悩んだことがありました。大学受験生のみんなが強く意識する模試の使い方や注意点についてまとめます。
受験期に力をはかる手段
① 模試(記述式、選択式)
② 共通テスト、センター試験の得点率
③ 過去問
④ 教材の進み具合
が手段としてありますが、それぞれ時と場合によって基準にできるかどうかは変わり、また使い方もそれぞれです。
それぞれの特徴と使い方をみていきましょう。
① 模試(記述式、選択式)
最初に説明する模試と共通テストの得点率は自分の合格の可能性を図るのによく使われますが、あまりあてにならないと思っています。
模試で何を測ることができる?
高校1年生から3年生で定期的に受験する模試。記述模試などはその時点で他の人たちと比べてどのくらい今までやった内容が出来ているか。
東大模試、共通テスト模試など何かの形式に似ている場合、その形式のテストで他の人と比べてどれくらいうまくやれるか。ただし、模試の成績を参考にできるのは問題形式を本番に似せている場合のみ。
模試の弱点
模試の場合、実際の自分の志望校の入試問題と形式が違うことがほとんどなので、模試の結果で出た順位で合格するとは限らない。東大模試や共通テスト模試なら、東大の試験、共通テストでそのままの順位になるだろうが、例えば私立大学など入試内容のほとんどが選択式の大学を受験する場合、記述模試の点数や順位はあてにならない。問題形式によって全然出来が違う。
自分は共通テストの英語は最後まで5-6割しか得点できなかったが、MARCHの英語ではほとんど毎回7ー9割得点できており、合格最低点を大きく超えることができていた。
模試の判定も同じ理由で、志望校の問題形式と違う場合にはその成績は合格に向けてあてにならない。
じゃあ模試はどう使えばいい?
普段の勉強の成果の定期的なチェックに使おう!
なるべく自分の志望校で出題される問題に模試を受けたい。例えば、国公立志望→記述模試、共通テスト模試。ちなみに自分の経験では私立文系にあった模試はあまりない。8月や12月の早慶模試くらいか。
模試の結果が帰ってきたら合格判定でなく、自分は志望者の中の順位が上位何パーセントかの数値の方が参考になる。倍率的に自分は合格圏内に入っているかどうか。
模試はあくまで今の時点のその模試の点数を他の人と比べているだけ。志望校の合格点を入試当日までに出せるかとは直接は関係がない。だからそこまで信頼できない場合も多い。私立文系は特に模試はあてになる場合が少ない。
② 共通テスト、センター試験の得点率
共通テスト模試や共通テストの過去問を受ける
共通テストレベルの得点率で何が測れる?
基礎が身に付いているか。ただ、センター試験から共通テストになって問題が変質したので、基礎力を図るのはセンター試験の方がおすすめ。特に英語、現代文が変わったと思います。
共通テストレベルの弱点
模試では、なぜか共通テストの得点率が共通テストが関係ない入試形式での合否予想にも使われることがある(笑)
模試と同じで、この学校に行った人はこの時期に平均このくらいの点数を取っていたというだけです。問題の傾向が違いすぎるので、当てにしない方がいい。
(自分はマーチ全勝でしたが、共通テスト英語リーディングは6割でした笑)
共通テストレベルをどう使うか
当然、国公立の人にとっては大事。ただ国公立の二次とはまた問題形式が違う。
私立の共通テスト利用に関して。私立大学を受ける場合は、一般よりも共通テスト利用のほうが大抵の場合難しいのでほとんどの場合使う価値なし。例えばすでに共通テスト利用で英語が満点になる検定試験の点数を持っているなど、共通テスト利用で受かる確率が特別高い場合のみ練習に使う。
ここまでご紹介してきた模試や共通テストレベルよりも、これから説明する過去問と教材の進み具合を基準にするのがお勧めです。
③ 過去問
過去問を解くことで何が測れる?
現時点で自分の受ける学校の試験でどのくらいの点数が取れるか。
(ということは合格できるかを直接測れる)
過去問の弱点
ほとんどの大学で得点調整があるので、公開されている合格最低点は科目によって数点上下している。その詳細は公開されていないため正確な合格ラインが不明。
答えが入手できない場合がある。
(問題や答えを探すときにおすすめの過去問サイトは東進の過去問。なければパスナビなどで探してみる。ICUの過去問はリベラルアーツ予備校のサイトで全て見られる。https://www.liberalarts.biz/icu)
過去問はどう使えばいいか
得点調整によってどうなるかを考慮に入れた上で合格点を予想して自分が合格できるかの判断に使う。
私立文系の場合、大体8割得点できれば確実に合格できる。6ー7割がボーダー(合格最低点)がある場合が多い。イクスタに過去問でどのくらいとっていたかの記録があるので、合否と合わせて公開します。それを参考にすれば合格確実のラインは分かると思います。過去問での測り方は最後に紹介します。
④ 教材の進み具合
ちょっと上の3つとは違いますが、かなり大事だと思います。色んな受験サイトで、このレベルの学校に行きたければ単語はターゲット1900(その下のレベルが出来なかったらその下をまずやる)という風にだいたいやらなければいけない勉強は決まっています。やらなければいけない教材はどれだけ終わったか、どれだけ完成度が高くできているかが自分の合格までの距離を図るのにとてもいいです。
過去問の合格ラインは?
得点調整は選択科目だけの場合と全科目の場合があって、中央値で計算するやり方が多いです。偏差値の場合もあります。
中央値計算のイメージ(全科目調整の場合)
調整後合格点 210/350(60%)
英語中央値 90/150(50%)
国語中央値 60/100
世界史中央値 60/100
この場合、素点は合格点ちょうどですが、国語、世界史は60点を50点にして計算するので全体的に点数が下がります。調整すると190で54パーセントになってしまいます。
英語はともかく、世界史や国語は点数がとりやすいので中央値が50より高く取ることが多いと思います。
自分の経験から、全体で合格最低点より10パーセントくらい余裕がある点数を目指すのがいいと思います。大抵英語は配点が高いので、特に英語で多く取れれば有利です。
私の過去問演習得点率を公開
私の過去問の得点率です。このうち受けなかったのが明治情報、中央経済。
受けて落ちたのが早稲田です。
それ以外は合格しています。
これは素点なので、合格した大学は素点で各科目と同じくらい取れれば合格ラインは超えていると思っていいと思います。
まとめ
過去問で点数が取れていればそれが全てです。その場合、他の基準は無視して大丈夫です。ただ、受験の途中では他の3つが勉強のペースを測るのに役立つでしょう。しかし、その場合信頼できるのは教材の進み具合、完成度だと思います。模試、共通テストはあくまで補助的に使ってください。それ単体では何もわかりません。
執筆:タイヨウ 立教大学社会学部→国際基督教大学、イクスタコーチ卒業生
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