【地理】現役北大生による地理講座第2回 地理攻略のカギは教科書の利用⁉

こんにちは!現役北大生の高岡です!今回は「現役北大生による地理講座」シリーズの第2回ということで、前回も少しお話しした「教科書の利用法」についてより深く書いてみようと思います!地理だけではなく、社会科科目全般にも応用できる教科書利用法をお伝えするつもりですのでぜひ最後までお付き合いください!


はじめに:なぜ教科書なのか?

この記事をご覧の皆さんの多くは、塾や予備校の力を借りることなく、自力で受験勉強をがんばっていると思います。そういった人たちに非常に多いのが、教科書を読むことなく参考書をたくさん買っているケースです。もちろん、科目によってはその方が良い物もあると思いますが、社会科目に関しては、「教科書が最強の参考書」です!これには以下の2つの理由があります!


①入試問題の作成者は教科書を参考に問題を作っているから!

地理に限らず、受験勉強にあたっては作問者のことを考えるのは大事な視点です。作問者は各大学の先生や研究者であることが多く、共通テストも大学入試センターに任命された学者達が中心となって問題を作成しています。彼らは当然、その分野について大学入試レベルを遥に越えた知見を持っています。彼らがもしそのスペックをフル稼働させてしまったら受験生が誰も解けない難問が生まれてしまいます。

それでは当然入学試験としては不適当なので、作問者は「受験生がきちんと勉強して知識と考える力を身に着ければ解くことができる」レベルに手加減をする必要があります。その時に参考とするのが教科書です。教科書に載っていることやそれを応用すればたどり着けることであれば出しても良いと判断できるのです。


➁すべての主要分野が網羅的に載っているから!

参考書というのは執筆する人が「ここが大事だ!!」と思ったところを重点的に書いて、そうでないところを端折る傾向があります。もちろんその重点が置かれている箇所は入試でも重点的に取られる分野なので、参考書を使うな!というつもりはありません。参考書のみを頼りに勉強し、教科書を疎かにしているとその参考書で手薄となっている分野でつまづいてしまう可能性があるということです。


以上2つの理由により、教科書を上手に使った勉強法を私は皆さんにオススメします!

地理の教科書のおすすめの使い方

STEP1:何周も読む‼

では、具体的な教科書の利用法についてお伝えしていきましょう!まずはとにもかくにも何周も読みます。ほとんどの方は他の科目の勉強もあると思いますし、面倒くさいと思うかもしれませんが、繰り返しこそが定着への最大の近道です。ここで重要なのは、読むたびに読み方を変えていくことです。私のおすすめする読み方を紹介します!


⚫︎1周目:サクッと読む。一度に全てを暗記しようと思わないことが重要です。どの単元で何について学ぶのか、主要な情報は何かを確認する程度で良いです。


⚫︎2周目:じっくり読む。1日1単元で良いので、じっくりと読んで行きましょう。本文を読みながら、注や図表にも目を向けて、憶えるのではなく理解できるように読んでいきましょう。資料集と見比べたり、重要だと思うところにマーカーを引くのも良いし、時間が許すのなら音読も大変効果的な方法です。少し脱線しますが、音読というと小中学校の授業の丸読みなどを思い出して無意味だとバカにする人もいますが、音読というのは「目で読む」「声に出す」「自分の声を聞く」という3種類の刺激を脳に与えることができるので、長期的な定着に繋がりやすく受験勉強との相性は大変良いのです。


⚫︎一旦あける。1~2週間ほど間を開けましょう。地理以外の学習に時間を使いましょう


⚫︎3周目以降:チェックしながら読む。読んでいて「知らなかった!」「忘れてた!」と

思う箇所にマーカー(回数ごとに色を変えると良い。3回目は青、4回目は黄色など)を引いていきましょう。


以上のように理系の人は3回以上文系の人は4回以上は読み方を変えて読みましょう!どんどん知識が定着していくはずです。


STEP2:太字の利用

皆さんは、一問一答をやったことがあるでしょうか。一問一答は問題と答えの対を暗記するという点で、単元テストの対策には大変有効だと思いますが、受験勉強にはそれでは不十分です。なぜなら、ある概念を説明することができて初めて、その概念を「理解」したということができるからです。そこで有効になるのが、教科書の太字を利用した逆一問一答です。私のやっていたやり方は次の通りです。


① ノートに縦線を引いて半分に分け、左半分に教科書の太字を書いていく(1個ずつ1行から2行空ける)。

② 一日置いておく

③ 教科書を見ずに、太字の語句の説明を自分の言葉で右側に書いていく。

例:扇状地 // 河川が山から平野へと流出するときに形成される扇型の地形。礫が堆積する扇頂で川の水が伏流し、扇央は水はけが良く果樹園等に利用される。扇端で湧水が発生する』など


上のように太字に紐づけられた知識を書き出していくことで、重要事項をきちんと理解できているのかを確認することができます。地理に限らず、大学入試における社会科目はただ暗記すれば良いわけではなく、複数の知識を紐づけて理解することが重要です。その点において、この教科書を利用した逆一問一答は非常に有効なアウトプット法なのです。


番外編:資料集の利用

ここまで繰り返し教科書の利用法について述べてきましたが、地理においては資料集の利用も同じくらい重要となります。地形の写真や統計地図など、ヴィジュアルで理解したほうが頭に残りやすい分野もあるからです。私のオススメの資料集は帝国書院の『地理の研究』ですが、皆さんの学校で使っているものを使って全く問題ありません!視覚的イメージを上手く味方につけましょう!


LAST STEP:直前の見返し

試験前日、きっと不安になることでしょう。僕もそうでした。その時、教科書を見返すと気が楽になります。いままで何度も読んできた文章や何度も見てきた図表が、きっとあなたの背中を押してくれるはずです。私は根性論は好きではありませんが、メンタルの状態が結果に大きな影響を及ぼすことは確かです。メンタルをコントロールする方法はイクスタの記事やQ&Aでも多く紹介されていると思いますので、ぜひ模試の度に試してみましょう。私のオススメは、今までたくさん勉強した教科書、参考書を読むことです。最後まで、教科書は皆さんの味方です!


まとめ

今回の記事では、地理における教科書・資料集の利用法についてまとめてみました。この記事が皆さんの地理独学のスタートダッシュの支えになれば幸いです。次回の第3回では、「模試の活用法」についてお話したいと思います!ではまた次回!



...この記事は現役北大生の高岡による地理の連載「百戦危うからず」の第2回の記事です。

北海道大学の高岡による大学受験地理を網羅する連載「百戦危うからず」- イクスタ

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