【地理】現役北大生の地理講座第3回 模試は自分を知るチャンス⁉

こんにちは、現役北大生の高岡伶丞です。期末課題が多かったのでしばらくお休みしていましたが、夏休みに入ったので僕も皆さんと同じく追い上げていきたいと思います!本シリーズは共通テスト地理で80点以上を安定して取りたい人のための全25回のシリーズで、この記事はその第3回となります。

さて、受験勉強をしていくにあたり、基礎固めと問題演習を両軸として進める必要があるというのはもうご存知であると思います。前回の第2回では、基礎固めのための教科書の利用法についてお話ししました。今回は問題演習を積むための、模試の活用法をお話ししたいと思います。地理に限らず他科目にも応用可能なものも多いので、ぜひ最後までお付き合いください!また、本記事では主に共通テスト模試を前提としてお話ししますが、記述模試にも充分に応用できる内容だと思います。


(1)模試本番の使い方

皆さんは、模試についてどのように考えているでしょうか。ひょっとすると、ただ偏差値と志望校への合格可能性を知るためのものだと思っているのかもしれません。もしそうだとしたら非常にもったいないです。模試は文字通り模擬試験であり、入学試験の予行練習として行うべきです。

起きる時間から食事まで、本番を想定する

つまり、模試前日には早く寝て、当日は早く起きる(当日はなるべく試験開始3時間前までには起きていてください。人間の脳はフル回転できるようになるまでにそれくらいかかります。)、朝ごはんには何を食べ、昼ご飯はこれを食べる等々、しっかりと決めておくのです。

ちなみに食事は、あまりたくさん食べても眠くなってしまいますし、炭水化物ばかりでは最後の科目のころにはエネルギーが尽きてしまうので、タンパク質脂質とのバランスを意識しましょう。どれくらいなにを食べればパフォーマンスが良くなるかは人によって違うので、毎回模試ごとに試してみてください。

また、どの大問に何分使うのか、解く順番を決めたり、始めにさらっと全体に目を通すといったことも、本番通りに行いましょう。


(2)自己採点

解いた後、問題がもらえる模試がほとんどだと思うので、その前提でお話しします。大手予備校の模試であれば、終わった後に解答集や解説が配布されます。それを活用してその日のうちに自己採点を行いましょう!

ただし、2日間以上ある模試の場合、自己採点は最終日の夜に行いましょう!1日目にやってしまうと翌日のパフォーマンスに支障をきたす恐れがあるからです。また、受験直後に自己採点するべきなのは受け終わった直後の方がどのようなプロセスで自分がその答えに至ったのかを覚えている可能性が高いからです。

仮に自己採点の結果が悪くても、そこまで落ち込む必要はないです(と言いつつ、私は結構落ち込むタイプでした笑)。模試は練習試合ですから、1日経ったら切り替えて、分析へと移っていきましょう。


(3)分析

自己採点後には、まだ自分が解いたプロセスを憶えているうちに分析をしていきましょう。紙でも電子でも良いので、記録を残しておきましょう。

分析すべき5つの内容

記録するべきは、①どのような問題か、②どのような力が問われているか(推測でも良い)、③どう考えて答えを出したか④どうして合っていた/間違っていたか⑤似たような間違いをしないためにどうするかの5つです。

この5つを早めに記録しておくことで、しっかりと復習し、苦手を潰すことができます。地理の場合は、表やグラフの問題を間違えたなら、どこに注目すればよかったのかを記録しておきます。そもそも基礎知識を誤認していたなら、どの単元を復習すべきかを書いておきます。第5問の地域調査などは、これらの分析がとくに重要となります。


(4)結果分析

1か月ほどすると結果が届くと思います。地理に限らない話になりますが、皆さんは結果表をどれほど丹念に見ているでしょうか。点数や偏差値だけを見てポイっと放り投げてしまっていないでしょうか。結果表はいわば、現在の自分の学習に対するカルテです。なにが足りないのか。どう足りないのか。それを見直すチャンスですから、なるべく多くの情報を手に入れてください。

もし、地理で苦手な分野が見つかれば、この記事シリーズを活用したり、教科書を確認したり類似問題を解いたりしてみましょう。もし地理の結果がとてもよく、他の科目に致命的な問題がある場合は、しばらく地理の勉強を休めてその科目にあてるのも良いと思います。

おすすめは東進模試

結果表の情報量は模試の種類によってまちまちですが、大手予備校の実施する模試のなかでは東進の共通テスト模試がおそらく一番たくさんの情報がわかりやすく載っていると思うので、ぜひ有効活用してください。

万が一、自己採点と結果の点数が著しく異なる場合には、マークシートの記入が適切であったかなどを疑ってください。私自身、マークシートが苦手で、焦るとよくずれたりしてしまっていました。自己採点と結果が異なる場合、本番出願する際に迷いが生じるので、何回も模試を受けるなかで、自己採点と結果を近づける訓練をしてください。


(5)解きなおし

次の類似模試の直前になったら、一度以前受けた模試を解きなおしてみましょう。解きなおすとき、前回のメモや丸付けが目に入るかもしれませんが、なるべく今の自分の頭で考えます。そして終わったら、(3)分析でつけた記録と照らし合わせてみましょう。自分の弱点をしっかり克服できていますか?もしまだ改善できていなかったことがあれば、しっかりと確認し、頭のなかにそれをとどめておきましょう。


(6)本番直前の見直し

1月の共通テスト本番直前になったら、(3)で作った模試の記録を見直していきましょう。おそらく、そこまで勉強を頑張った皆さんなら、その弱点は克服できていることでしょう。それを見直すことで、自分の成長を自覚することが自信へとつながります。本番はなんといっても自信をもって普段と同じパフォーマンスを発揮するのが一番大事ですから、記録の見直しを通じて「根拠のある自信」を付けて本番に向かってください!


まとめ

今回も読んでいただきありがとうございました。私の好きな言葉に孫子の「敵を知り己を知れば百戦危うからず」というものがあります。模試というのは、試験問題や試験環境という「敵」を知るチャンスであると同時に、「己」の弱点や改善点を知るチャンスでもあるのです。このチャンスを無駄にせず、「百戦危うからず」な戦い方を目指して模試を活用していきましょう!次回からは、地理の各単元の解説に入ります。ぜひ自主学習の糧としてください。それではまた。


...この記事は現役北大生の高岡による地理の連載「百戦危うからず」の第3回の記事です。

北海道大学の高岡による大学受験地理を網羅する連載「百戦危うからず」- イクスタ

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