有機化学は暗記じゃない!化学を安定した得点源にするための勉強法
有機化学って丸暗記でイケるから直前に詰め込めば大丈夫っしょ!と思っている人へ。残念ながらそんなに甘くはありません。有機化学こそ積み重ねがしっかり着てくるので、特に難関大学を目指している人はしっかりと勉強していきましょう。有機化学のポイントは“手を動かす”ことです。
1.有機化学の勉強法と重要性 | 有機化学は丸暗記ではなく、手を動かして理解することが重要 | 基礎的な物質の名前と構造を覚える | 反応の仕組みを理解することが大切 | |
2.脂肪族化合物と芳香族化合物の勉強法 | 脂肪族化合物の異性体を書き出して理解する | 芳香族化合物の反応をマップ化して覚える | 主要な反応を中心に学ぶ | |
3.構造決定問題の対策 | 分子式から不飽和度を求め、構造を推定する | 数多くの問題を解いてパターンを把握する | 反応物と生成物の関係を理解する |
土井万智(どいまさと)イクスタコーチ 逆転合格したい受験生専用のコンサルタント
IT系スタートアップ企業で法人営業、Webエンジニアなどを務めたのち、2018年からイクスタに復帰。
現在は神奈川県横浜市の事務所で、メディアの運営とイクスタコーチを開講。東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県など首都圏を中心に、愛知県や兵庫県など、北海道から沖縄まで全国の受験生がイクスタコーチで志望校に合格。入試出題レベルを熟知することでMARCH受験者の90%以上がMARCHを確保。
著書に「独学で難関大学に逆転合格する」シリーズ
この記事を書いたHiroshiくんは東京の○台予備校の理系スタッフです。日々たくさんの理系受験生と話しているのでぜひ信用してください。
有機化学を本格的に勉強できるのは夏以降の受験生が多いでしょう。高分子などは特に後半になります。
有機化学は重要ですが、理論化学もとても重要です。理論化学の典型問題を完璧に解けるようになるまで繰り返したほうが、入試問題の化学は高得点できるようになるので、理論化学も絶対に忘れずに!
脂肪族化合物の勉強法
はじめのうちは名前の付け方の理解と書き出しを!
有機化学を初めて学習すると見慣れないカタカナがたくさん出てきて困惑すると思います。シクロプロパンとかニトロベンゼンとかガラクトースとかアスコルビン酸とか…。
まずはよく出てくる化学物質の名前、構造は覚えなければなりません。
上の表に炭素数が1-12のアルカン(単結合)、アルケン(二重結合を持つ)、アルキン(三重結合を持つ)、アルコール、アルデヒド、カルボン酸の名称一覧を示しました。これらは命名法の基本となる基本骨格の名前なので、色を付けた部分についてはよく出てくるので最低でも覚えましょう。こんなに覚えられないよ…という人でも、横に表を見ると変わっているのは語尾だけということに気づいてしまえばそこまで苦ではなくなるはずです。
異性体の書き出しとその命名
C5H12Oで表される異性体を書き出し命名せよ。
これはアルコールかエーテルですね。まず骨格となる部分を全て書き出してみましょう。このとき、やみくもに書き始めると重複があったり、数え漏れが出てくる恐れがあります。
この時意識するのは主鎖(最も長い鎖)が長いものから順番に書き始めることです。初めのうちは、重複はないと思いますが、慣れないうちは主鎖が短くなってきたときにもっと長い鎖が出来ていないかどうかを確認しましょう。上の3つで全てです。これ以上書いた人は良く確認してください、きっとどれかと重複しています。
次にアルコールのOH基が入る可能性があるところをチェックしていきます。この時も重複がないように気を付けましょう。
この場合は上の8個です。例えば、①番と④番は下の写真のようになります。(Hは省略してありますが、答案でHを書かないと×になるので書き忘れないこと!!)
最後にエーテルです。エーテルの-O-が入れる場所は上の6個です。
エーテルの命名は具体的には大学で習ってください。。。おそらく入試では出題されません。
ちなみに④番だったらエチルイソプロピルエーテルとなります。
ここで楽をしようとすると決して有機化学ができるようにはなりません。手を動かしてください!
脂肪族化合物の反応
これが終わると次は各官能基の反応になります。「どの部分が」「どのように反応して」「どんな化合物を生成するのか」を見るのが有機化学のメインになります。しかし、大学入試では「どのように反応して」の部分は見ないので、そこの部分を自分でイメージしながら補っていくと理解しやすいです。
・アルコールを穏やかな条件で酸化するとアルデヒドになり、さらに参加するとカルボン酸になる。
・カルボン酸とアルコールを反応させると脱水し、エステルが生成する。
こんな風に覚えているとイメージがわかず、ごちゃごちゃになります。名前と構造が既に対応しているのなら、実際に書いてみた方がイメージもしやすく、頭に残ります。
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芳香物化合物の勉強法
次に芳香族です。芳香族とはベンゼン環をもつ化合物のことを指します。芳香族でも主要な反応は脂肪族と同じなのですが、芳香族特有の反応も数多くあります。
まずは脂肪族と同じように名称と構造から覚えていくのですが、これはベンゼン環を中心にどのように反応させると何が生成するというマップを埋めることで覚えていきましょう!(下の図のようなものです)
(1031のだらだら日記より引用)
このマップが埋まるようになれば芳香族に関しては怖いものなしと言い切っていいでしょう!
※上記画像の右上、アセトアニリドは塩化ベンゼンジアゾニウムの間違いとなっています。ご注意ください。
ただこのマップを覚えるのは楽ではありません。ここでも、何の試薬を反応に使ってどういう生成物が得られているかをみると覚えやすいです。言ってしまえば、反応物と生成物でどのような差があって、その差が何を反応させたから生じたのかということが分かればいいのです。
ちょっと大変ですがここまでは暗記が多いですが頑張っていきましょう。
構造決定の勉強法
難関大学の有機化学で一番よく出題されるのが、この構造決定問題です。
構造決定はずばり、問題を解きまくってください!(笑)
解きまくることで何に注目して解くのか見えてきます。
具体的な流れとして
①分子式を出して不飽和度を求める。
②不飽和度から二重結合や環構造がどれだけあるか推定する(4以上の場合はベンゼンを含む可能性大!)
③ところどころ決まった構造を書き出す(エステル結合をもつとか、カルボニル基をもつとか)
④後ろの方、ヒントが多いもの決めていく!
(Aを分解させてBとCを得た。Bに~~~したらDとEが得られた。とかならD,Eから決めていく。)
⑤困ったら炭素の数チェック!&③で決めた部分構造を当てはめる
こんなところでしょうか。構造決定問題は数多く解いた人ほど、点が取りやすくなってきます。手を動かすことを面倒くさがらずに解いていきましょう!
有機化学は量が多く、手を動かすことが多いので、面倒だと思いますが、やった分だけ実力になりやすい分野です。また無機化学と違い、一度覚えたらあまりごちゃごちゃにはならない分野だと思うので、はっきりとした得点源が欲しい人は有機化学で得点をしていきましょう!
有機化学で得点をしていきましょう!
今回は有機化学の勉強法をご紹介してきましたが、難関大学を目指す受験生は無機化学と理論化学も勉強する必要があります。それぞれの分野の勉強法とおすすめの参考書をまとめた記事を作成しています。
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土井万智(どいまさと)イクスタコーチ 逆転合格したい受験生専用のサポーター
IT系スタートアップ企業で法人営業、Webエンジニアなどを務めたのち、2018年からイクスタに復帰。
現在はWebサイトやYoutubeなどのメディア運営と、オンラインの面談で受験生の独学を支援。
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