【数学】新課程でここが変わる!共通テストと二次試験対策ですべきことを志望校別に紹介!
こんにちは!MARCH過去問数学で何度も満点を取った、Nodokaです!今回は文系数学が得意な私が、2025年度入試から適用される新課程について詳しく紹介していきます。今回は数学に特化して、新課程の適用による入試の変化や、今からできる対策を紹介していきます!ぜひ最後まで読んでほしいです!
目次
〇新課程の概要
・大きく4つの変化
〇文系・理系の学習の変化
・文系は1単元減って2単元増える?
・理系は1単元減って1単元増える?
〇入試問題の変化
・共通テスト選択肢が大きく変化
・二次試験は文理でさまざま
〇入試に向けての対策
・早慶、旧帝大を目指す人
・MARCHを目指す人、旧帝大以外の国公立大の二次試験で数学を使う人
・共テのみ数学を使う人
新課程の概要
まずは、新課程がどのようなものか説明していきます。2018年に文部科学省より、「高等学校学習指導要領」が告示され、各科目で取り扱う内容が示されました。実は、2022年に高校1年生になった生徒からこの新課程は適用されており、新しい教科書や参考書を目にする機会も多くなったと思います。この新課程の適用に伴い、大学入試は2025年度入試より、新課程に適応したものになります。
旧課程と新課程の違いは大きく4つのポイントに分かれます。1つ1つどんな違いがあるのか説明していきます。
ポイント① 数学Cが登場!
今までは数学の単元のくくりは、数学ⅠAⅡBⅢでしたが、新課程ではここに数学Cが加わり、単元のくくりが変化します。
高校の授業では、数学ⅠⅡⅢ(文系は数学ⅠⅡ)の単元は全て必修、数学ABCの単元は2単元ずつ選択必修となっています。選択といっても、生徒が選ぶというわけではなく、先生が選んで指導する形になります。ほとんどの場合、共通テストの範囲外である、
・数学A「数学と人間の活動」
・数学B「数学と社会生活」
・数学C「数学的な表現の工夫」
がカットされます。各高校の方針によって変わるので、絶対とは言えませんが…
この記事ではこの3単元がカットされるという前提でお話していきます!
これにより文系の単元の範囲が大きく変わるので、そこに注意してもらいたいです。具体的な変更点は後ほど紹介します!
ポイント② 単元としての「整数の性質」がなくなる
旧課程では、数学Aに「整数の性質」という単元がありましたが、新課程では「整数の性質」という単元はありません。完全になくなってしまったというわけではなく、整数の性質の内容は、数学Aの「数学と人間の活動」という単元に含まれています。しかし、さっき紹介したように、数学Aは3単元中2単元を選ぶ形になるので、高校によっては学習しない可能性もあります。ただ、大学の入試範囲に入る可能性もあるので、注意が必要です。志望校別の整数の性質の取り扱いは、記事の後半で紹介します!
ポイント③ 「統計的な推測」がほぼ必修に
旧課程では、数学Bは「ベクトル」「数列」「確率分布と統計的な推測」の3単元だったので、ほとんどの生徒は「ベクトル」と「数列」を学び、「確率分布と統計的な推測」は学習していなかったと思います。しかし、新課程では、数学Bが「数列」「統計的な推測」「数学と社会生活」の3単元になります。数学Bでカットされやすい単元は「数学と社会生活」なので、「統計的な推測」はほぼ必修となります。新たな単元が加わったのをイメージしてもらえるといいと思います。
ポイント④ 「場合の数と確率」が難化
数学Aの「場合の数と確率」の内容に、期待値と頻度確率という新しいものが加わります。期待値は、旧課程では数学Bの「確率分布と統計的な推測」の内容として扱われていましたが、新課程では、「場合の数と確率」の内容とされるようです。新たな内容が加わるので、苦戦する人や、過去問などの情報は少ないですが、新課程に対応した参考書や予想問題を活用してしっかり対策をしましょう。
このように、旧課程と新課程の違いは大きく4つとなります。細かな変更点はまだありますが、入試に関わってくる部分だけ押さえておきましょう。
文系・理系の学習の変化
ここからは、さっき紹介した旧課程と新課程の違いをもとに、文系・理系の学習内容の変化を紹介していきます。
文系
文系は簡単にいうと、学習内容が1単元減って2単元増えます。
・「整数の性質」がなくなる
・「統計的な推測」が必修に
・「平面上の曲線と複素数平面」が必修に
単元が1つ増えたことで、少し負担は大きくなりますが、文系の受験生全員に当てはまることなので、あまり不安にならないで、冷静に対策していきましょう。また、入試範囲の単元に変化があるので、参考書や過去問を使う時は注意しましょう。
理系
理系は、1単元減って1単元増えるので、プラスマイナス0と考えていいでしょう。
・「整数の性質」がなくなる
・「統計的な推測」が必修に
ただ、内容は新課程になって変化した単元もあるので、過去問や参考書は気をつけて使ってください。
入試問題の変化
ここからは、新課程に対応した入試問題がどのように変化するのか紹介していきます。2025年度入試からの変更になるので注意してください。
共通テスト
共通テストは大きく変わります。まずは、下の図で確認してみてください。
まず、数学Aの「数学と人間の活動」は共通テストの範囲外となるので、旧課程の「整数の性質」の内容は共通テストには出ません。そして、共通テストの数学②には新たに「平面上の曲線と複素数平面」が加わります。単元の変化としてはこの2点が大きいです。あとは、選択問題のパターンが変化しているので、自分はどの単元の問題を解くのかイメージしながら共通テスト対策を進めていきましょう。
二次試験
大学ごとの個別試験となる二次試験は、試験範囲も大学ごとに異なります。注目してほしいのは、入試範囲に数学Aの「数学と人間の活動」が含まれているかどうかです。この単元が範囲に入っていれば、旧課程の「整数の性質」の内容が入試範囲に入ることになります。もし、高校の授業で「整数の性質」の内容が扱われなければ、自分で一通り学習する必要があります。
主要大学の文系数学の入試範囲は次のようになっています。(2023年12月時点)
主要大学の理系数学の入試範囲は次のようになっています。(2023年12月時点)
このように、各大学によって入試範囲は異なります。数学Aが全範囲となっている大学は、「整数の性質」の内容も入試範囲に入っているということになります。志望校は直前で変わったりすることもあるので、自分が少しでも受ける可能性のある大学については、入試範囲を把握しておくようにしましょう。また、各大学の入試情報については定期的に確認して、情報を更新しておくようにしましょう。
入試に向けての対策
ここからは、新課程の実施に伴い変化する入試に向けて、どのような対策をしていけばいいのか、志望校別に紹介していきます!
共通事項
まずは、どの志望校でも共通していることから!共通テストの体制が変わり、新たな範囲が加わっているので、過去問にないものもあると思います。この部分の対策は、各出版社が出している予想問題を使って対策をしましょう。主に3つの出版社が予想問題集を出しているので、それぞれの問題集のレベル感を紹介していきます。
・河合塾「共通テスト総合問題集」 通称「黒本」
この問題集には、①全統共通テスト高2模試、②全統共通テスト模試、③全統プレ共通テスト、④2023年度共通テスト本試が収録されています。3つの出版社の中で、1番簡単で基本的な問題が多い、1番共通テストに近いレベルといわれています。解説が丁寧で分かりやすいのも特徴です。ただ気をつけておきたいのが、模試の使い回しが多く、高2模試も含まれているため、高校でよく模試を受ける人や、浪人生は1度見たことのある問題が含まれている可能性があります。
・駿台「大学入学共通テスト実戦問題集」 通称「青本」
この問題集には、①駿台オリジナル問題5回分、②共通テスト本試3年分が収録されています。難易度は3つの出版社の中でちょうど中間程度になっています。解説も詳しく、使いやすい問題集になっています。
・Z会「共通テスト実戦模試」 通称「緑本」
この問題集には、①Z会オリジナル模試6回分、②2023年ど共通テスト本試、③2023年ど共通テスト追試が収録されています。3つの出版社の中で1番難しいとされていますが、解説が詳しいので、自習でも使いやすいです。また、前年度の共通テスト本試を徹底分析して、新傾向に対応した問題を扱っているので、予想問題としては1番使えるものだと思います。
どの問題集を使うか迷った人は、一度書店などで中身をパラパラとめくってみて、自分に合ったレベルのものを使うようにしましょう。
それでは、ここからは志望校別にやるべき対策を紹介していきます。自分のレベルに合ったところを読んでみてください!
早慶、旧帝大を目指す人
早慶、旧帝大のほとんどの大学は、2次試験の数学の範囲に数学Aが入っています。つまり、「整数の性質」の内容も範囲に入っているということです。なので、もし高校の授業で「整数の性質」が全く扱われなかったら、チャートやスタサプなどを使って自分で学習しておくようにしましょう。2次試験の範囲としては、今までと大きくは変わらないので、過去問を使って対策するといいでしょう。また、文系の人は共通テストの範囲が広がり、今までよりも負担が大きくなります。より早く基礎を固めて、共テ対策や2次試験対策に時間を使えるようにしましょう。
MARCHを目指す人、国公立大の二次試験で数学を使う人
MARCHや旧帝大以外の国公立大のほとんどの大学は、2次試験の数学の範囲に数学Aがはいっていません。なので、共テを含め入試で整数の性質を使わない人がほとんどになります。ただ、まれに2次試験の範囲に数学Aが全範囲入っている大学もあるので、自分の志望校についてはよく調べておくようにしてください。
共テのみ数学を使う人
共テのみ数学を使い、2次試験で数学を使わない人は、整数の性質は確実に使いません。そのほかの単元の学習に時間を回しましょう。文系の人は、共通テストの範囲が広がり、今までよりも負担が大きくなっているので、早めに共テ対策に取り組めるよう、基礎の徹底を頑張りましょう。
ここまで、新課程の適用に伴う数学の変化について紹介してきました。未知な部分もあり、不安に感じるところもあると思いますが、受験生みんなそうです!自分だけだと不安になりすぎず、やるべき対策をしっかりしていきましょう。新しい情報が大切なので、自分の志望校の入試情報は定期的にチェックするようにしておいてください。
この記事を書いたNodokaが教える、「Nodokaの数学ルーム」!オンラインで数学を教えるプログラムになります。マンツーマンで対応するので、自分のペースでしっかり進めることができます。
Nodokaが書く数学記事!
Nodokaはこのほかにもたくさんの数学記事を書いています!レベル別や参考書別など、幅広く記事を書いているので、ぜひ下の一覧から気になるものを見てみてください!
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