効果的な睡眠で受験勉強の効率アップ!今日からできる科学的知識
なかなか寝つけない、すぐ目覚めてしまう、いつまでも眠いといった悩みを抱えている人は受験生、大学生、社会人含めて増えているようです。受験生の中でもどんな状態でもすぐに眠れる人と、寝つきが悪い人ははっきりと分かれます。
大学受験では脳をハードに使います。睡眠の質を上げることができれば、いつでも頭がスッキリ脳が活性化した状態で勉強できるので、勉強の効率も上がりますし眠くならないので勉強が辛くなくなります。もし普段の勉強で集中できないと感じることがあるとしたら、睡眠の質を高めることで解決できるかもしれませんよ。
正しい睡眠状態を保つことができれば、次のような効果が期待できます。
◯ 成長ホルモンによって細胞が修復される
◯ 免疫力を高める
◯ 脳の機能を活性化して頭がよくなる
など受験では役に立つことばかりです。
記憶には短期記憶と長期記憶があります。大学受験ではいかに勉強したことを長期記憶として保存できるかが重要です。短期記憶を長期記憶として固定化するためには睡眠は欠かせません。これからご紹介するレム睡眠中に記憶の整理をしています。
勉強したことを長期記憶として保存すること、頭がスッキリした状態で勉強すること、どちらにとっても睡眠は大事なのです。
レム睡眠とノンレム睡眠
大学受験にとって不可欠とも言える、記憶の定着は睡眠中に行われることが分かったところで、睡眠中の状態について見てみましょう。
人の睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠という2つの状態があり、この2つが90〜120分ごとに繰り返します。
レム睡眠
レム睡眠とは寝ている間に眼球が活発に動く状態の睡眠のことで、 Rapid Eye Movements: REMs の頭文字からレム睡眠と名付けられました。レム睡眠はいわゆる浅い眠りの状態で、体は休んでいますが脳は活発に動いています。記憶の整理が行われている時間で、海馬と大脳新皮質で情報のやり取りが行われています。
ノンレム睡眠
ノンレム睡眠とは、レム睡眠ではない状態の睡眠状態のことです。眼球は動かず、ぐっすりと深く眠っている状態です。入眠直後から現れ始めます。寝始めてすぐに深いノンレム状態になり、60〜90分経つとレム睡眠に移行します。
レム睡眠では脳は活発に動いていますが、このノンレム睡眠では脳もゆっくりと休んでいる時間帯です。このノンレム睡眠の状態で起こされるととても眠いと感じるような状態です。ノンレム睡眠中に体力を回復します。
人の睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返します。人の適切な睡眠時間は分かっていませんが、最低でもサイクルを2回、つまり最低でも6時間は眠ることがいいとされています。レム睡眠とノンレム睡眠の役割を理解することで、日中に勉強した内容をレム睡眠で記憶として定着させ、ノンレム睡眠で脳と体を休めるという分担を意識して積極的な睡眠にできればいいですね。眠いから寝るというのではなく、受験を成功させるために積極的に寝るという役割を与えることができれば、睡眠との関わり方も変わるかもしれません。
睡眠の質を上げるためにできること
大学受験に役に立つ睡眠の役割について分かったところで、その睡眠の質を高めるためにできることをお伝えします。
睡眠のためのホルモン メラトニンが睡眠の中心
睡眠や眠気を司っているのは脳の松果体から分泌されるメラトニンというホルモンです。
メラトニンの役割や性質を知ることで、睡眠の質を上げることができます。メラトニンが多く分泌されているほど眠くなります。不眠などで悩む人はこのメラトニンの分泌がスムーズに行われていない可能性があります。つまり、普段寝つきが悪い人はメラトニンがたっぷりと出るように工夫すれば良いのです。
メラトニンの分泌量は光によって調整されます。朝、太陽の光を浴びてから約14時間後に分泌され、その30分後に眠くなります。また、明るい光にあたっている間はメラトニンが分泌されにくくなります。つまり眠くなりにくいのです。明るい部屋だったり明るい画面を見続けていると、いつまでも眠くなりにくいのです。
ブルーライト悪いかどうかについては諸説あるようですが、いずれにしてもスマホやモニターなどの明るい画面を見続けている限り、普段よりも眠くなりにくくなります。つまり、朝起きたらカーテンを開けるなどしてしっかりと明るい状態にしてその夜にメラトニンが分泌されるように準備し、寝る前はできるだけスマホやモニターなどは見ないようにすることです。
放っておくと生活リズムが少しずつ遅くなるのは自然なこと
本来、人間の体内時計は24時間よりも長いのです。そのため、放っておくと生活リズムは少しずつ遅い方にズレていきます。こうしたズレを戻すために朝起きてからすぐ日光に当たることで生活リズムを合わせます。私も、自然に任せているとドンドン夜型にズレる傾向があります。
・日中の集中力の継続
・長期記憶の定着
・免疫機能による健康の維持
この3つの点から、睡眠がとても重要で、質の高い睡眠を継続するために睡眠のメカニズムや今日からできる工夫などについてお伝えしました。
毎日6〜8時間も占める睡眠。大学受験という目標を達成するためのパフォーマンスを最大限にするために、睡眠のメカニズムを理解して時間の使い方を改善しましょう!
食べたものと飲んだものの血糖値が眠さを決める!
睡眠に続き、食事について。もちろん食事は毎日の生活に欠かせませんね。同時に大学受験の成功にも大きく関係しています。普段の勉強の悩みが実は食事をコントロールすることで解決できるかもしれません。特に「血糖値」が受験の成功を左右します。
お昼を食べた後に眠くなったり、仮眠を取っても集中できなかったりと、午後の睡魔で困っていませんか?1時間もうとうとするのは辛いし勉強もできないし...
その眠気、夜の寝不足とは関係ないんです!
普段食べているお昼ご飯に改善の余地があるかもしれません。おすすめの食べ物や眠くなりにくい食べ方をお伝えします。
このお昼の後の睡魔は、血糖値の急上昇・急降下が原因です。ご飯やパン、麺類など糖質を摂取すると血糖値が上がります。すると体がインスリンというホルモンを分泌して上がった血糖値を下げようとします。
糖質で血糖値が急激に上がりやすい食べ物ほどインスリンの作用も急激に働いてしまうのです。食後に急激に血糖値が上がることを血糖値スパイク、やグルコーススパイクとも呼びます。あらゆる食べ物は、食後の血糖値の上昇しやすさ度合いを示すGI値で表すことができます。カレーなどをお昼に食べた後に睡魔に打ち勝つのは不可能に近いです。低GI値食品を意識的に選ぶことで食後の血糖値の上昇を緩やかにさせて、眠気を抑えることができるのです。
受験生時代にGI値対策としてこんなことを考えていた受験生もいるようです。
『私の場合、そばばっかり食べていました。まあ正直飽きていましたが、受験のためなら仕方がないと思ってそうしていました。でもバリエーションはもっと考えるべきでした!!笑その食事のおかげで勉強時間と集中力が上がったのはかなりあったので、食事面でのQOLは下がったかもしれませんが、結果よかったという感じです。笑 カレーを食べたあとに眠気に打ち勝つのは不可能に近いです。』
食べ方の工夫
① 一口目は汁物/野菜から
汁物…水分を先にお腹に入れておくことで食べ過ぎ防止になる。
野菜…食物繊維によって栄養の吸収速度を低下させ、血糖値の上昇を抑える。
このワンクッションを置いてから、タンパク質(肉や魚)・炭水化物の順に食べましょう。コース料理でも前菜に始まり、炭水化物で終わる順番なのは理にかなっています。
② よく噛んで食べる
よく噛みながら食べるとインスリン分泌を促し、血糖値の上昇を抑える効果があります。また、満腹中枢を刺激しやすく、食べ過ぎを防止することができます。消化吸収を助けてくれて、お腹の調子を整える嬉しい役割もあります。いつもより10回多く噛んでみましょう。
③ 腹八分目にしておく
お腹いっぱい食べると、眠くなってしまいやすいので、「もう少し食べたいな」と思うところまででやめておくのがベストです。また「よく噛んでゆっくり食べる」ことを意識すれば自然と少量でも適度な満腹感を得られるようになっています。
こんな食べ方は注意!
早食い
10〜15分以内での食事は急激に血糖値の上昇を招き、かえって満腹感を得られない。
勉強に時間を割きたい気持ちも分かるけど、食べるときは焦らずゆっくりと。
ながら食べ
勉強や何かを見ながら食べるのは食事に意識が向かず、噛む回数やスピードもおそろかになってしまいます。
目の前の一つのことだけに集中してメリハリをつけるのも大事です。
お菓子
ジャンクフードや菓子類、清涼飲料水は炭水化物や砂糖の塊です。一度にたくさん摂取してしまうとその後の血糖値の動きは...推して知るべしですね。
食事と睡眠をしっかりと自分のものにしながら環境を整えて短い受験生活を本気で過ごしてください!
【著書紹介】
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この本では、独学で難関大学【理系】に合格するための「勉強計画」の立て方を詳しく解説します。効果的な時間管理や勉強の優先順位を設定し、自分に最適な学習プランを作成する方法を学べます。自分だけの計画を立て、合格への道を確実に歩んでいきましょう。