超強力!絶望的な状況から逆転する「ビッグマウス戦術」って?
東京大学経済学部の清原です。
他の受験生と大きな差をつけられてしまった、だけどやる気が全然でない。そんな絶望的な状況のあなたに、超強力な逆転策「ビッグマウス戦術」をお教えしよう。これは、合格ラインから大きく遠のいているのに、ついついサボってしまうという方に絶大な効果を発揮する。また、自分の高校が超有名進学校ではない場合、この戦術が非常に有効である。
「ビッグマウス戦術」の具体的方法
まずはその具体的な方法をお教えしよう。方法自体は単純である。高校の噂好き数人に、
「○○大学に合格するから。」(○○には第一志望校の名前を入れる)
と言い放ってその場を立ち去る。これで仕込みは完了。数人にしか言ってないのに超強力である理由は後述する。
「進学校」が受験に強い真の理由
ところで、あなたの第一志望の大学の入試では、世間一般で言う「進学校」の生徒が幅を利かせ、大学の定員の多くをぶんどっていることと思う。では、「進学校」の生徒の強みとはいったい何だろうか?もしそれらの理由が、「先生の質」「学校のカリキュラム」などだと思った方々、残念ながら不正解だ。一般的に想像される「優等生」が優遇されるのはあくまで推薦入試の話であって、点数を使って殴り合う一般入試では分が悪い。
事実、私が東京大学に入って現役東大生に高校の時の生活を聞くと、ほとんどの学生は高校の授業の時間は、睡眠をとるか内職をしていた。つまり、高校の授業はあまり受験の結果には関与していないのだ。
最大の理由を言おう。それは、「みんなが受験を意識する時期が早い」ことだ。私の在籍していた高校では高2の4月からその兆候が目立ち始め、高2の10月頃には学年全体が受験モードに入る。その際、受験体制に入る生徒は空気感染のように増えていく。もっとはっきり言えば、「みんなが受験勉強をやっている」事実を目の当たりにすることで、空気を読んで受験勉強を開始するのである。
「空気を読む」の真実
この「空気を読んで勉強する」という点が非常に重要となってくる。高校で長い時間を過ごしているあなたならお気づきだろうが、人間は、ついつい空気を読んでしまう習性をもっている。集団のノリを尊重するがあまり、思ってもいないことを何回言ったことだろうか!それだけ「空気」の持つパワーは絶大なのである。
そしてその「空気」というのはどこから発生するのだろうか。もちろんこれは他者から発せられるのだが、もっと厳密にいえば、「空気」というのは他者からの評価・期待によって作られるのである。ダチョウ倶楽部の「俺がやるよ、どうぞどうぞ」ネタを思い出していただければ分かりやすいかと思う。二人目の「俺がやるよ」をどちらが言うか、視線を使った心理戦が繰り広げられていたのを、あなたはうっすら気づいているはずだ。その視線こそが、他者からの評価・期待である。
話を戻そう。結局のところ、人間は他者からの評価・期待に沿って、ついつい行動してしまう。そして、あなたは今自分の「勉強しない」行動に悩んでいる。もうお分かりだと思うが、あなたがついついサボってしまうのは、あなた自身が悪いのではなく、周りの人間が「あなたはサボってよい人」という評価・期待をしているからである。それならば、あなたがサボる原因である、他者からの評価・期待を変えてしまおう。これが「ビッグマウス戦術」の狙いである。
「ビッグマウス戦術」のメカニズム
数人の噂好きに第一志望合格を宣言するだけで、絶大な効果を発揮する理由は何か。言い放った後に何が起こるかに注目してみよう。
言い放たれた方の噂好きは、まず間違いなくその後にあなたの台詞を周囲に撒き散らす。なぜならその噂好きは、あなたの成績が大学合格には絶望的であることも知っているし、そしてなにより、彼らは、ビッグマウスを叩いたあなたの不合格を見るのが楽しみで仕方ないのである。こういった「不幸の種」のような噂は、通常の噂話より何倍も速いスピードで伝達されるから、数人に伝えるだけで学年全体、ひいてはその親御さんに至るまで一か月以内に伝わる。
次に、その噂の伝達があなた自身にどういう影響を及ぼすか考えてみよう。高校ではほぼすべての人間があなたに期待を向ける。「○○大学に受かると大見得を張った人」という期待である。すると、どのような視線があなたに向くだろうか。それは当然、「勉強しないの?」という視線である。先に述べたように、人間の行動は、他者の評価・期待に多大な影響を受ける。すると、いつもはサボっていた時間も、自動的に勉強に充てるようになるのである。これが「ビッグマウス戦術」のメカニズムである。
「ハイリスクだからこそハイリターン」
もちろん、この「ビッグマウス戦術」には大きなリスクを伴う。もし受験に失敗したとき、卒業式はなんか気まずくなるし、同窓会も行きづらくなってしまう。世間体的には、大きなダメージを負う危険性がある。
しかし、「ビッグマウス戦術」においては、ハイリスクを背負うことこそが、ハイリターンを得るために不可欠である。一度「○○大学に合格する」と言ってしまったが最後、後戻りすることはできない。何百人が己の不合格を願っているから、受験生活が終わった後に嘲笑されぬよう、ただひたすら勉強するしかない。「背水の陣」という言葉もある通り、人間は退路を断たれた戦いでは自分の本気を遠慮なく発揮できる。合格を勝ち取るためには、ハイリスクを背負うことが非常に効果的な手段となるのだ。
一つの事実を紹介しよう。私が東大に入って、多くの現役東大生と話す機会があったが、高校からの東大輩出者が10人以下の高校に在籍していた現役東大生は、もれなくこの「ビッグマウス戦術」を使っている。もしあなたの人生において、逆転劇がお望みであれば、この「ビッグマウス戦術」を使ってみることをオススメする。
清原 彗冬
イクスタの創業者、土井による論理的・戦略的な受験計画と戦略の作成
過去問に入る時期や基礎完成の時期などいつ何をやればいいか、完全にコントロールできるようになる必要があります。
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