【Eureka#01】ゆとり被験者、はい集合!この数学の問題を君は解けるかな?
◯はじめに
はじまして、理系編集部です。本日から、理系コラム『Eureka』を毎週月曜に更新していきたいと思います。
「なんか変なの出てきたぞ…」、「Eurekaとはなんぞや!」と思った方もいらっしゃるでしょう!
『Eureka』とは古代ギリシャ語で「見つける」という動詞で使われていました。理系の豆知識が豊富な方だとご存知の方もいるかもしれないですが、アルキメデスが自身の原理を発見した際に叫んだとされる有名な言葉です。
そのようなことから今回のコラムEurekaでは、もちろん大学受験と関係のある事象について扱いますが、普段の勉強では培うことのできない「発想力」を鍛えていきたいと思います。身近な生活に関係する問題について扱い「こういうことか!」といった力を養っていただき、受験本番で生きる力になれば幸いです。
科目については「数学→生物→化学→物理」という流れで約一ヶ月の周期で更新していきたいと思います。自分の受験に関わる教科は、勉強の息抜きのような気持ちで読んでいただけたらと思います。それではいきなり問題の方に移っていきましょう!
◯今回の問題
「円周率が3.05より大きいことを証明せよ」
今回扱うのは、マスコミにも取り上げられ一般的に大きな話題となった東京大学2003年の問題です。当時、新課程(いわゆるゆとり教育課程)では「円周率を3にする」ということが話題となっていました。しかし、円周率を3とすると円周の長さが正六角形の周の長さと一致してしまう、ということで問題視する声が多かったことで話題となりました。
そんな時期に東大でこの問題が出題されたことにゆとり教育に対して何かしらの意味があると自分は感じます。東大が出題するからこそ話題になるのであって、他の大学が出しても話題にはならないでしょう(少なからず自分はそのように感じます)。何よりも、問題の意味だけならば小学生でも理解できるシンプルさが世間の注目になったのではないでしょうか?
それでは5分ほど考えて、解答を作成してください!
答えは下記に載せてあります。
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◯解答例
半径1に円に内接する正12角形を考えます。
(円周の長さ)>(正12角形の周の長さ)であるから、余弦定理より
2π>12×√(1+1−2•1•1cos30°)=12×√(2−√(3))
よって π>6√(2-√(3)) より二乗します。
1.73<√(3)<1.74であるから、計算すると
π>3.05 というのがわかります。
当然ほとんどの受験生が円に内接する多角形の周長との比較で証明していました(面積で解くことも可能です)。解答を見て理解できない東大受験生はいないでしょうが、意外にもあまり出来は良くなかったらしい。簡単といえば簡単な問題ですが、東大入試は時間制限が厳しいため、正何角形で考えるかや周長と面積のどちらで比較するかといった最初の方針を誤ると完答が難しいと思います。
◯最後に
みなさんは解くことができましたか?もちろん東大の過去問ということだけに難しかったと思います。しかし、できることに重点をおくのではなく「そういう考え方だったのか!」というひらめきの経験に重点を置いてください。
簡単そうな問題にこそ、罠があります。そこを乗り越えていくのが数学の問題を解く上で楽しいことです。これから過去問演習を受験生はやっていくと思いますが、数学を使うという方は「できなくたっていい!次に活かせるひらめき力を!」というのを意識していってください。
来週は生物のコラムですので、ぜひ楽しみにしていてください!
*この記事はEureka特集の記事です*
Eureka特集では科学の面白ニュースを受験に関連させてまとめています!
イクスタの創業者、土井による論理的・戦略的な受験計画と戦略の作成
過去問に入る時期や基礎完成の時期などいつ何をやればいいか、完全にコントロールできるようになる必要があります。
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